管制官、情報流出 不祥事多発、軽すぎるモラル
産経新聞 9月10日(土)7時56分配信
 空の安全を担う管制官のモラル欠如が露呈した今回の不祥事。航空管制をめぐっては7月に別の管制官が短文投稿サイト「ツイッター」で施設内見学ツアーを呼びかける不祥事が発生、国土交通省が再発防止に乗り出したばかりだった。今回のケースは情報がテロなどに悪用される危険性すらあり、関係者は「職責に対する危機感がなさすぎる」と頭を抱える。

 「管制官とおぼしき人物がブログに飛行計画などを掲載している」

 今月5日、国交省に匿名の情報提供が寄せられた。事態を重く見た同省が調査したところ、羽田航空事務所の男性管制官が立ち上げている個人ブログにこうした情報がアップされているのを確認。ブログ上では自分が管制官であることを公表し、本人の顔写真も公開していた。

 あまりに軽率な行動に、管制官OBは「常識で考えても、管制官しか見られない非公開情報を流出させる意図が分からない」と首をひねり、「航空マニアの歓心を買うため安易な気持ちで流出させたのだろうが、管制官は『空の安全』を預かっているという重要な任務を忘れているのではないか」と指摘した。

 国交省によると、同省に所属する航空管制官は現在全国に約2千人。試験をへて航空保安大学校で研修を受けた後、各地の空港や航空交通管制部などで勤務する専門職だが、最近は重要な職責に相反する“軽い”不祥事が目立つ。

 昨年10月には、福岡航空交通管制部(福岡市東区)の管制官が職場体験実習の中学生2人に航空機との無線交信を読み上げさせる内規違反が発覚。今年7月に発覚したツイッター問題では、東京航空交通管制部(埼玉県所沢市)の40代の女性主幹管制官が「普段立ち入れないホニャララ室にご案内」などと書き込み、施設見学ツアーを企画。同僚の30代女性の主任管制官も参加していた