それの基本的な原理は2つ。
1)人間は心理的に満足(プラス)の状態にある時は、あまり現状を変えようとしない。
例えば、現在iPodに満足しているユーザーにとっては、
ソニーのウォークマンのほうが実際は優れた製品だったとしても、
乗り換えることによって、iPodのほうが良かったと後悔することを毛嫌いし、
そのままiPodを使い続ける。
2)心理的に不満(マイナス)の状態にある時は、リスクを冒してでも現状を変えようとする。
例えば、今回の選挙は自民党に対して不満(マイナス)があったから、
有権者はリスク(民主党政権になることで自民党政権より悪化する)を冒して、
民主党を選択したと見ることができると思う。
以上をまとめると、心理的にプラスの状態にあればリスクを回避し、
マイナスの状態にあればリスクを追求する傾向がある、ということ。
この理論を応用すると、
心理的にプラスの状態にあって、リスクを冒さず現状のままでいる人間に対して、
意図的にマイナスの感情を抱かせることで、リスクを冒してでも現状を変えさせることが可能になる。
世の中、この戦略が日常的に行われていて、
例えば、ファブリーズは出始めはかなり売れてたけど、
リセッシュなんかが出てきてから売上が結構落ちたらしい。
そこで、どういう戦略が取られたかというと、
ファブリーズを使わない状態がマイナスの状態であることを、
消費者に訴えるCMを流した。
男子高校生の部屋に彼女を招く際、
「ファブリーズを使っていないから臭くてたまらない」ことをアピールする。
企業に限らず、普通の人間もこういう戦略を意識的/無意識的にやっているので、
別に悪いことではないと思う。
でも、当然のことながらこの戦略を悪用することもできる。
例えば、メディアと政治の関係。
ネット上の一部では、
「自民党が大敗したのは、メディアが民主党のマイナス面はほとんど伝えない一方、
自民党のマイナス面ばかりを報道した。つまり偏向報道のせいだ」
という主張がある。
正直なところ、メディアによる過剰な偏向報道があったのかどうかについて
判断できる十分なリテラシーが自分にはない。
でも、メディアはそうしたことをやろうと思えば十分できる存在であることは確か。
つまり、意図的に与党に対してネガティブな報道ばかりを行うことで、
有権者の不満を募らせ、リスクを冒して野党に投票させることができるわけである。
さて、これから始まる「シューカツ」も自分にとっては悪用が行われている気がしてならない。
正直うっとうしくて仕方がないけど、どうしようもないらしい。
「○○をしていないとダメ」
「○○をしていない自分は遅れている」
と思わせるのがこの市場の特徴。
軽いところでいえば、「リクルートスーツ」の類で、
本当は大した問題じゃないかもしれないのに、
リクルートスーツがないとダメだと学生に思わせる。
学生は知識がないので、面接なんかはこんなスーツでいかないと門前払いされる
と思って新たなスーツを購入する。
他には、
「○○社をブックマークしている人は、こんな会社もブックマークしています」
「慶応生のブックマークランキング」
などのリクナビから来る迷惑メール。
本来、就職活動において、他の人が受けようとする企業なんてどうでもいいこと。
そもそも、皆が同じ企業を受けたら、受かるべき人も受からない可能性がある。
インターンは一部を除けば選考とは直接関係なく、やりたい人がやればいいものなのに、
やっていなければダメだ、遅れているという「空気」を作る。
いずれも、リクナビなんかがいたずらに学生の不安を煽り、
マイナスの心理状態させることで、学生を駆り立てる。
無知な学生をいいことに。
まぁ、これが世の中ってもんで、このどうしようもなさ、
についていちいち文句言ってても埒があかないので、
こうやって日記ではあーだこーだ言ってるけど、
夏休み前くらいにはあきらめがついた。
ただ、就職活動を入口として世の中を見ると、自分ひとりじゃ本当に何もできない
巨大な力みたいなのが、就職活動以外にもいっぱい見えてきて絶望する。
これがいわゆる癌であり、非効率な状態であっても、変えられないのだから。
まぁ今のところ何となく感じているのは、
こうやってグダグダ言ってるより
いわゆる要領の良いやつが受かるんやろうなーってことですが。
とりあえず就職活動そっちのけで秋の論文作成に向けて頑張る次第であります。