アカデミー賞でも作品賞や監督賞などを受賞した、韓国の貧富の格差をテーマにした映画。

家族全員が失業し、ギリギリの生活どころか、どん底の生活を送るキム一家。そんな一家の長男がIT会社の社長の長女の家庭教師として雇われる。これはチャンスと思い、妹まで引っ張りこむ。これをきっかけに富裕層と貧困層の一家はとんでもない悲劇に遭遇することになる。

物語の構成としては、起承転転転結くらいにいろんな方向に転がっていきます。

本当に次々といろんなピンチにキム一家が襲われるので、それがなんとも悲しいやら、面白いやらで、思わず笑ってしまうシーンもある。基本的にはコメディなので。

なーんだコメディか、と思っていると、急にシリアスな場面になり、ある意味ホラーのような人間の狂気に遭遇します。その狂っていく様は目も当てられないような残酷な現実。日の光が拝めるなんて贅沢に思えるほど暗い地下にある事実。

中にはさほど重要でなさそうに思えるようなことも伏線になっており、忘れた頃に回収される。それが最後の最後まで続き、映画が終わるとズシリと重くのしかかる。
お見事な映画でした!


この映画、六本木とかで観て欲しくないね。
六本木で映画を観る連中にこの映画がわかってたまるか。洗っても洗っても落とせない染みついた貧乏の匂い。その現実が彼らにわかる訳がない(偏見)。

映画の中でも富裕層の父親に、キム一家の父親が「お前、なんか臭くね?なんの臭い?」って言われるシーンはなんか腹立つやら面白いやら。


韓国映画を見慣れない人は何か1本でも観ておくといいかも。「新感染」とかは普通に面白いから。それを観ないとビックリするシーンがあると思う。残酷描写が本当に凄いから。


映画評価

ウシシめちゃくちゃ面白いウシシ