あの格言は、一体いつから言われているのか。
最も“ハヤイ”のは皐月賞。
最も“運がいい”のは日本ダービー。
そして、最も“強い”のが菊花賞。
この格言が言われるようになった昭和の意味というのを、
平成の現代でそのまま当てはめるのは無理がある気がする。
恐らく、皐月賞の“ハヤイ”が昔に意味していたのは、“早い”だと思う。
長距離血統が主流の時代にあって、いかに早い時期から競馬が出来るのか。
最も早く仕上がった馬が勝てるG1だと考えられていたのだろう。
しかし、切れ味全盛の時代にある今が意味するのは、“速い”であろう。
どれだけ終いの脚が使えるのか。
2000メートルという距離が、更にそれを強調する。
ダービーが運が良くなければ勝てなかった時代というのは、
20頭を超える頭数にあって、どの枠に入ってどのポジションに付けられるか、
不利を受けないで競馬をするダービーポジションと言われて重要視された。
が、今は18頭。
馬場などの施設面やレーススタイルの変化もあって、
ポジショニングが絶対的な致命傷として認識されるケースは少なくなった。
現代的な運の良さというのは・・・
菊花賞が最も強いという認識だったのは、そういうサラブレッドだったから。
皐月賞と対極にあるというか、日本の血統構成が晩成の長距離であり、
天皇賞や有馬記念などの長距離競走への価値観が高かったことが重要。
自ずとそこを勝った馬をもてはやし、強い馬であるという価値を与える。
目指すところが菊花賞や天皇賞だった。
しかしながら、今はスピード競馬全盛にあり、
3000メートル超のレースがその意義を迷わせている。
そもそも、3000メートルを走りながら、3000メートルの様相を呈していない。
そんな菊花賞は、最も強い馬が勝つレースなのだろうか。
逃げての波乱、届かずの沈没、折り合いを欠いた自滅。
距離への不安や秋の天皇賞の価値向上で、有力馬の回避も目立つ。
もう一歩の馬や昔ながらの長距離血統にとっては、それがチャンスとなる。
今、菊花賞は、最も“運がいい”馬が勝つレースになっている。
ダービーが、最も強い馬が勝つレースだと思う。
時代が移り変わっても、ここの価値は変わっていない。
むしろ、ダービーへの執着が強まっている気さえする。
体裁を気にする日本人にとって、海外に行くには誇れるものが必要。
そんな事を気にしないで、向いていると思えば行けばいいのだが、
とにかく何かを持っていないと相応しくないと言うのが日本人。
外への意識が強まったからこそ、世代のトップへの執着は強まった。
そんな風に感じている。
菊花賞
◎ワンアンドオンリー
○トーホウジャッカル
▲ゴールドアクター
△マイネルフロスト
△サウンズオブアース
△タガノグランパ