夏山登山シーズンもいよいよ本番。
梅雨も明け晴れ間が多くなり歩きやすい季節になってきました。
そんな中、今回は初心者二人を連れて岩手山へ。

今回のテーマは「初めての岩手山、初めての小屋泊」です。
まだ泊りがけでの登山を経験していない二人に小屋泊を体験してもらおう!
というのが、話の始まりでした。

我々ヘロヘロ隊二人もトレーニングを兼ねて、目一杯ザックを重くして同行します。
それはもちろん初心者の二人に美味しい山ご飯を味わってもらいたいがため…

「飲むぞ!」

いやいやいや!(笑
まぁ、もちろんそれもあるんですけど?
さて、どんな山行になりますか…。




2016年7月30日11時、馬返しの登山口にやってきました。
今回は柳沢コースを登って八合目の小屋で一泊し
翌日ご来光を見てから、鬼ヶ城を経て網張に下りる予定です。

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網張に車を回送したりして少し遅くなりましたが出発します。
ゆっくりと登って…そうですねぇ…、遅くとも3時くらいまでに
八合目の小屋に着ければいいかな、というプランです。

とりあえず登山口では元気いっぱい!
張り切って参りましょう!


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まだまだ元気だぞい。





しかし…

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やられました…。
6合目手前でまさかの豪雨に遭遇。
登山口ではあんなに晴れてたのに…。
天気予報ではたしかに夕方から雨の確立高しとのことでしたが…早い、早すぎるよ!

気温が高く汗をかきまくるこの季節、
ちょっとやそっとの雨だと雨具を装着するのをためらってしまいます。
Aちゃんは「すぐ止む」方に賭けてそのまま登山続行。
あとの3人も「たぶんそのうち止む」と踏んで上半身のみ雨具装着。

ま、結果的に全員賭けには負けたわけです(笑
すぐに止むどころか時間とともに雨脚は強くなり雷が鳴りだす始末。
若干身の危険を感じなくもなかったのですが、
(一応…)リーダーが取り乱すわけにもいかないので
「大丈夫、山ではよくあることさ。小屋に着けばなんも問題ないよ」
などと適当な事をいいながら、とにかく八合目を目指して歩き続けます。




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ずぶ濡れになりながらも、なんとか八合目の小屋に着きました。
ちょうど我々が着いた時間帯に、他の団体も到着し大混雑に…。
みんな雨から逃げるように転がり込んできたんですかねぇ…。

この日、イチタローさんが小屋番に入るという話は聞いていたのですが
実際行ってみたらクマたろーさんやreguさん、タラさんなどなど
知り合いが大勢登ってきていてびっくりしました。

さてさて、天気は雨ですが小屋に入ってしまえばこっちのもの。
お楽しみタイム開始です。

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本日のメニューはサラダ三品と粗挽きウィンナー
りんご入りタレでいただくジンギスカン
焼きたて手ごねナンとカレー
生ハムとチーズとクラッカー
その他おつまみ諸々…というところでしょうか。
あと、泡とかぶどう汁とか(笑

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初山泊の二人はレトルト品などを食べると思っていたらしく
ザックから次々出てくる食材と飲み物に驚いた(呆れた?)様子。



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途中からイチタローさんやクマたろーさんも加わり楽しい山の宴と相成りました。
(皆さんから差し入れもいただきました。ありがとうございます)

次の日はご来光を見に山頂へ登るので適当なところでお開きに。
小屋の外に出てみたAちゃんの話では、雲間から綺麗な星空が覗いていたとのこと。
これは天候回復の兆しでしょうか? 明日の朝が楽しみです。




気温が高かったためか、混雑のためか、異様に蒸し暑く寝苦しい一晩でした。
いくら真夏とはいえ、小屋泊でこんなに暑い思いをしたのは初めてです。
私ですら何度も目を覚ましたくらいなので、他の三人は…と心配していたのですが
案の定、寝苦しさと隣に知らないオジサマ方が密着している状況が厳しかったらしく
「ほとんど一睡もしていない…」とのこと。

ううむ、こればかりは致しかたなし。
いずれアルプスを小屋泊で歩きたいと言っていましたが
「繁忙期のアルプスはこんなものじゃない(場合がある)」と言うと
少し挑戦する気が萎えたよう(^^;
あら? ちょっと言いすぎだったか???

気を取り直してご来光を見に山頂へ向かいます。
ヘッドライトを装着して暗い中を歩くのももちろん二人は初めての経験。
寝不足のはずだけど「わくわくしますねー」とテンションは高め。
元気だな。これが、若さか…。

下界の夜景や登山者のヘッドライトの光の列を眺めながらお鉢へ。
お鉢の縁に登る頃には東の空が明るくなってきました。
雲は多めですが…切れ間が無いわけではなさそうです。
ご来光、見せてあげたいなぁ。晴れろ~。



お!


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東の空が茜色に染まってきました。
なんとなく雲の切れ間から日が昇りそうな気がします。
これは期待できそう。

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きた~!!!

これは素晴らしい。
我々、何度も山で朝をむかえましたが、これはかなり見栄えの良いご来光です。
「これ、やばい!!」
「やっば! 涙出る!!」
二人とも我々が思った以上に感動してくれたようです。
連れてきた甲斐があったなぁ。


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感動の余り山頂を去り難く、ついつい長居してしまいました。
しかし朝の冷たい風に当たりすぎたのかAちゃんが体調不良に…。
急いで小屋に戻り体を温めてもらうことにしました。

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登りで暑いからと上着を脱いで、そのままの格好でいたようです。
こまめに衣服を調整するように気を配るべきでした。

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休んだら体調も良くなったようなので朝食を摂り下山の途につきます。
天候も回復したようなので、鬼ヶ城を通って網張に下山することにしました。



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Nちゃんはこういうところに苦手意識があるようです。
「自分が上手く通過できるところが想像できない。
転げ落ちるイメージしか浮かんでこない」のだとか。
これねぇ、ものすごく気持ちがわかる(笑
私も岩場とか無事に通過できるわけない、と毎回思って歩いてますもん(笑

一方Aちゃんの方は
「自分が落ちるとかイメージできない」らしい…。
なんかこう…生まれ持った身体能力の差ですかね?(笑



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もちろん実際に歩いてみればなんてことはなく全員無事に通過。
このあたりが最大の難所なので、あとは気を抜かなければ大丈夫。

鬼ヶ城を通過してしまえば、あとは網張のリフト乗り場まで
ダラダラとした長い下りをこなしていくだけ。
途中、多少滑りやすい場所とかはありましたが危険というほどではありません。

しかし歩きなれていないNちゃんが途中から疲れを訴え始めました。
まぁこれも想定内なのでゆっくりペースで歩いてもらいましょう。
リフト乗り場まで歩けば、あとは座っていけるよ~とか言いながら。







と・こ・ろ・が!!

なーんと、リフトの乗り場に着いてびっくり。
第三リフトが機器トラブルのため運休しているというではないですか。
たまたま?ツェルマットさんが居たので念のため
「復旧の見込みはないんですか~?」と聞いてみましたが
残念ながら見込みなし、終日運休とのこと。

とりあえず第二リフトは動いているので、そこまでがんばって、
15分くらいで着くから…という言葉に送り出されました。

この時、Nちゃんの心がボッキリと音を立てて折れたのでした。
なんか折れた瞬間がはっきりとわかってしまった…(^^;
いや、そりゃそうだよね。あとは歩かなくていいはずだったのに(笑

第二リフトまでの道のりは、あまり踏まれていない土道で
昨日の雨も相まって滑りやすく気が抜けない道のりとなりました。
それでもNちゃんがんばった!
這う這うの体ではありましたが、なんとか歩ききりリフトに乗車。
無事、下山と相成りました。

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途中、豪雨に襲われたりリフトが停まったりと色々ありましたが
(普段、こんなに連続してトラブルに見舞われることなんて無いのに…)
2人にとって、いい思い出になったでしょうか?
なってるといいなぁ。

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最後になりましたが…
今回の山行でクマたろーさんとイチタローさんには大変お世話になりました。
おかげで初心者二人にとってもさらに思い出深い山行となったかと思います。
「頼もしくてカッコイイ!」って言ってましたっけよ。
またなにかあったらよろしくお願いいたします。

さて、8月も終わっていよいよ次は夏の遠征です。
あの山に宿願のリベンジ、果たせるでしょうか?