2010年7月31日、この日は柳沢コースから岩手山に登ってきました。
今回の山行の目的は、ズバリ小屋泊!
なぜかといいますと、今度予定している北アルプス遠征では
初めて「営業小屋」というものを利用するつもりでいるので、その予行練習です(笑
 
まぁ、岩手山の八合目避難小屋も「営業小屋」ではないわけですが、
この季節は管理人も居て、少々の物品販売も行われているので
「それっぽい雰囲気」を味わうことができるかな~という目論見です。
 
宿泊に備えて、いろいろお楽しみ用の物品を買い込み、意気揚々と登山口へ。
ところが、岩手山に近づくにつれて天気が怪しくなり、ついには大粒の雨が降ってきました雨
天気予報では今晩から明日にかけて回復基調だったんですが…ねぇ…。
 
駐車場に着いても、雨は止むどころか時折風を伴って吹き付けてきます。
正直言って、登山をするには最悪の部類の天候ではないでしょうか…。
テンションだだ下がりで、おそらく去年までのヘロヘロ隊なら、このまま温泉へ向かったことでしょう。
 
しかし! 今年のヘロヘロ隊はひと味違います!

この先、縦走だ、小屋泊だという山行をしていけば、必ず荒天に当たる日がある。
その時にいちいちうろたえていてはしかたがない。
荒れた天気にも慣れなくては! 今日は修行のつもりで登ろう!
大丈夫、明日は晴れるさ!
 
着慣れない雨具を着込み、登山口を出発したのが11時30分。
順調にいけば、三時には小屋に入れる計算です。
風混じりの雨という最悪の天気ですが、駐車場にはたくさんの車、そして登山道にはたくさんの人がいました。
それもそのはず。今日は地元滝沢村主催で「婚活登山」ラブラブなるものが開催されており
それに加えて交流登山なんてものもあったらしく、非常に多くの人たちが訪れていたのでした。
 
それにしても…婚活登山ですか。
最後にキャンプファイヤーやってマイムマイムでも踊ったら、もろに私の親の世代の青春時代(笑
時代は巡るって事でしょうかね~?
 
登山道に入ると、下山してくる「婚活」「交流」登山者たちとしょっちゅうすれ違います。
中にはそれなりの格好をしている人もいますが、ほとんどは普段登山なんかしない人達で
足下はスニーカー、パンツはジャージ、雨具はビニールのポンチョタイプなんて人が大勢います。
そういえば、雨具はビニール・靴はスニーカー…でも山スカートっていう人が何人かいてびっくりしました。
やっぱり女性はファッションから入っていく人が多いんでしょうねぇ。
 
多くの人に山に親しんで貰うっていうのは良いことだと思うのですが、
こんな荒れた天気の日に、あんな格好で山に放り込んだら、山が嫌いになってしまいやしないだろうか(^^;
ちょっと心配です。
 
ああ、でもちょっとした困難があったほうが「婚活」は盛り上がるかもしれませんねぇ(笑

この天候の中、延々と対向してくる団体さんを待つのは正直つらい作業でしたが
1合目を通過する頃には、ほとんどが下山完了したようでそこから先は静かな山行となりました。

そして3時間45分を費やして、八合目避難小屋に到着し…
 
ええ? なんですか? はしょりすぎ?
 
いや、だって、ガスと雨と風の中ひたすら登っただけですもん!
花もほとんど終わっていたし書くことないですって!
写真もほとんど撮ってないですしねぇ…。
 
うーん、そうですねぇ…。
 
1~2合目、まだまだ余裕。
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2~4合目、少し雨が収まる。希望が見えてきた。
 
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4~6合目、いつもの5倍増しの正良飲料水が重く肩にのしかかる。多少後悔。
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6~7合目、風雨強まる。無我の境地へ…。
 
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こんな感じで登りました(笑
避難小屋付近が特に風が強く、吹き付ける雨粒を「痛い」と感じるほどでした。
転がり込むように避難小屋に入ります。
 
避難小屋ではやまめさんが小屋番をしていました。
まさかこんな時に登ってくるとは思っていなかったようでびっくりしていたようですが
我々自身も、まさかこんな時に登るとは思っていませんでした(笑
 
ありがたい事に小屋にはストーブが焚いてあり、濡れた衣服と体を乾かすことができました。
ちゃんと雨具を着込んでいったのですが、ダメですね~安い雨具は。
結局汗のせいでシャツからパンツからみんなずぶ濡れになってました。
一応、パンツやシャツは機能性素材のものなのですが、なかなか着乾かしなどできるものではないです。
多少荷物になっても着替えというのもは必要だなと痛感しました。
 
やまめさん一人で小屋番していたので不思議に思い聞いてみると
その他のスタッフは、平笠不動小屋で急病人が発生し、その救助へ出向いているとのこと。
こんな暴風・濃霧の中、山頂を越えて反対側まで救助に向かうなんて…
こういう人達が居るから、我々一般登山者は安心して山に登れるんですよね。
まだお世話になったことはないし、これからもそうありたいとは思いますが
とにかく感謝感謝です。
 
とりあえず、人心地つけたわけですが、今日は暴風・濃霧のため
夕日や星空はまったく期待できそうにありません(笑
いったいいつになったら、我々は山の上の星空を見ることができるんでしょうか(笑

まぁ、しかたないですね。ここはあきらめて正しい飲み物でも飲んでのんびりしましょう。
 
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というわけで、これが本日の夕餉。
 
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さすがに日帰りと違って、いろいろと工夫して持ってきました。
ツートンはこの食材の重みで、登ってくる途中で動けなくなってましたなぁ…
いつも重いモノを持ってあげているのですが、それもある意味考え物ですな。
少しはボッカ訓練してもらわないと。
 
夕食を食べ終わり、ワインをチビチビやっていると救助隊が戻ってきました。
どうやら要救助者は無事のようですが、今日はもう暗くて下山できないので
不動小屋に一泊させて、明朝下山の予定とか。
 
下から上がってきた警察の救助隊は、八合目小屋から水や食料を受領して
これからまた平笠不動まで戻るのだとか!
大変デスねぇ…。ほんと頭が下がります。
 
山小屋の夜は早く、8時には消灯になります。
小屋番のスタッフはその後に遅い夕食となるようです。お疲れさまです。
 
この日は、某新聞社の記者さんが取材で登ってきていて
山小屋のお仕事などについていろいろ話を聞いていました。
私もちゃっかりそこにお邪魔して、色々なお話を聞かせていただきました。

ふだんあまり聞けないような、山の裏方さんのお話だったり
あと、アレですね。山小屋があれば必ずあるという「怪談」とかですね(笑
貴重な体験でした。
 
お話を聞きながら、少々お酒もいただきいい気分になってきた頃合いで就寝。
朝までぐっすりでしたぐぅぐぅ
 
明けて8月1日。
目を覚ました原因は、小屋を揺さぶるほど強く吹き荒れる風の音でした。
もしかしたら天気が回復して、ご来光を拝めるかな?とかすかな期待を持っていたのですが…
見事にうち砕かれました(笑
 
そうなるとやることも特にないので、ゴロゴロします(笑
我々は端から頂上アタックを諦めたのですが、2パーティほど山頂を目指して出発していきました。
結果的には、お鉢に出た時点でしゃがんでも耐えきれないほどの強風に見舞われ敗退してきたようですが…。
 
一向に風が収まる気配がないので、出発をいつにするか決めかねていたのですが
下から登ってきた登山者からの「7合目より下はおだやかなもんだ」という情報を得て
重い腰をあげることにしました。
 
やまめさんに見送られて小屋の外に出ると、昨日以上の烈風が吹き荒れていました。
もはやまともに立つことすらままなりません。
私が今まで経験した中で一番の強風だったと思います。
山の強風っていうのはああいう感じなのですね~。
こんなのが稜線を歩いている途中で吹いてきたら怖すぎます…。
 
下山は我々の他に、山小屋でお知り合いになったNさんと一緒に三人で下山します。
Nさんは兵庫からいらっしゃったそうで、全国各地の山に登られているそうです。
登山歴は我々とあまり変わらないのですが、経験は段違いっぽいです(笑
 
本当は今日岩手山の山頂に立って、焼け走りに降りる予定だったそうですが
山頂付近の通行が困難なため、一緒に柳沢を降りて駅まで送っていく事になったのでした。
岩手山は良い山だと言ってくれている人には親切にしなくてはいけません(笑
 
下山は情報通り7合目から先は穏やかなもので、ぬかるみを警戒してゆっくり歩いても
2時間と少しで下山することができました。う~ん、上の暴風はいったいなんだったんだ…。

完全装備の我々を見て、すれ違う登山者からも再三「上は荒れているのか」と聞かれました。
そりゃそうですよねぇ。穏やかな下の様子からでは、上の烈風は想像もつきませんもの。
 
下山後はNさんを連れて温泉に行って、松ぼっくりのジェラート食べて、
産直で野菜買ったあとに、駅までお送りして帰宅しました。
あちこち振り回してスイマセン(^^; > Nさん
 
もし良かったら連絡先とか聞こうかな~、また岩手に来るって言ってたしな~とか思っていたんですが
なんとなく聞きそびれてそのままになってしまったのが、ちょっと残念でした。
もしここを見ていたらコメントくださいね~(笑
 
というわけで、岩手山小屋泊登山終了です。
またしても山頂には立てませんでした。2連続で敗退ですな~。
小屋泊に関しては、三度目の正直ならず、今回も荒天でした(笑
次こそは、次こそはご来光を拝みたいものです!
 
おしまい♪