これは、私の散歩コースである旭川市の春光園にある彫刻美術館の写真である。明治中期の木造建築物としてデザインも優れているので旭川市で唯一、国の重要文化財に指定されている。旧旭川偕行社とも呼ばれ旧陸軍第七師団の将校たちが親睦を深めるために使われたが、大正天皇や昭和天皇の宿泊所にも使用されたそうだ。

 

さて、この近くにある自宅で私は行政書士事務所を開業したばかりだ。それで、きょうはタイトルにもある自筆証書遺言の保管制度について紹介してみたい。本来、死亡を原因として財産を承継させるということでは相続される人(以下、被相続人)は個人の自由意思を尊重され、生前の「最終意思」が最大限尊重されるべきである。したがって、遺言相続が原則であり、法定相続制度は遺言がない場合の補充的な規律を定めたものと理解されている(最近、法定相続制原則論の有力な主張もあるが)。

  

 いずれにせよ、遺言がないがゆえに被相続人の意思によらない相続がなされ、また相続する資格を持つ人(以下、相続人という)の間での争いが絶えない。こういう私も父に遺言を書いてほしいと何度も頼んでいたが、書かないままに亡くなり、兄弟間の争いとなった苦い経験がある。そのようなことがないためにも、自分の大切な財産をどのように分けたいか、また相続人同士がもめないように不動産や貯蓄などの相続財産をどのように分けるかを明確に遺言として残しておくことが重要である。

 

 そのような意味でも、手軽で自由度の高い制度としてまずは自筆証書遺言(民法968条)を作成し、法務局(遺言書保管所)の利用を考えてはいかがだろうか。自筆証書遺言書保管制度は令和2年7月10日から法務省民事局で開始された制度であり、自筆遺言書制度のメリットは損なわず、遺言者本人の死亡後、相続人等に発見されなかったり、一部の相続人によって改ざんされるおそれもなく、相続人が家庭裁判所に請求する検認も不要である。

 

 自筆証書遺言は遺言者本人が遺言書の全文(財産目録を除く)、日付及び氏名を自書さえできれば一人で作成することができ、費用はあまりかからない。また、遺言書の保管の申請も、遺言者が1通につき3,900円でできるので法務局への自筆証書遺言保管制度を利用することをお勧めしたい。

 

 これからの終活を考えている方は、ぜひこの機会に自筆証書遺言書保管制度を活用してはいかがだろうか。また、遺言・相続のアドバイス、相談についてもブログに載せていけたらと考えている。

(参考文献:①潮見佳男、相続法、弘文堂、②家庭の相続相談、新日本法規出版株式会社、③自筆遺言書保管制度のご案内、法務局民事局など)