マルチコア | 「ステュディオス」な生活

マルチコア

IntelからPentium Dが出ましたね 。このCPU、今までのとどう違うのかというとマルチコアだと言うことです。

コンピュータの性能は年々あがっていきます。コンピュータの性能に影響する要素はいろいろありますが、最も大きな影響力を持っているのはCPUです。
CPUの性能は「18~24ヶ月で倍になる」というムーアの法則に沿って向上しています。でも、動作周波数、いわゆるクロックを上げていくことは難しくなっています。クロックを上げると発熱量と消費電力も増えるからです。この2つがあがることは最近のPCでは嫌われています。ノートPCの駆動時間が短くなったり、CPUを冷やすためのファンが大きくなってPCの動作音が大きくなるからです。

クロックを上げずに速度を上げる方法として、1クロックで処理できる命令数を増やす手法があります。今回のテーマのマルチコアはこの1クロックあたりの処理命令数を増やすための技術なのです。

PC上で人が行う操作、例えばソフトの起動やDVDの再生などをすると、それはCPUで理解できる命令=演算に分解され処理されていきます。この命令を1クロック内でたくさん処理しようとするのです。1クロックでたくさん処理するということは並列処理するということです。

これまではスーパースカラーというテクニックを使って同時処理される命令数を高めてきました。これはひとつのプロセッサの中に複数の処理系統を作って複数の命令を同時に実行するものです。個々の命令はスレッドという処理の流れに乗せられて実行されていきます。ひとつのスレッドの中には複数の命令が含まれており、1スレッド内の命令を同時に処理にすることで速度を上げました。
更にIntelのHyper-Threadingなどではマルチスレッド技術を用いてスレッドの処理の合間に生じる隙間時間を使って別のスレッドを実行して複数のスレッドを同時に実行しているように見せかけています。つまり、処理の中でどうしても生じてしまう隙間を減らすことによって資源(CPUの構成要素である演算器やレジスタなど)をより効率的に使って速度を上げるテクニックであり、これまでは主にこのような技術を駆使してCPUの速度アップがなされてきました。

この資源を単純に増やして同時実行できるスレッドを増やして速度を高める技術がマルチコアなのです。

さて、一消費者として気になるのは、結局、どれくらい高くて、どれくらい速くなるのかということですね。
AKIBA PC Hotline!CPU最安値情報 にはPentium Dのリテール価格が2.8GHzのものしかなかったのでこれで比較すると、同一周波数のPentium 4 2.80Eに比べて、1万円ほど高い\28,800で売られているようです。思ったより高くないですが、同じ周波数の従来品と比べて1万円高、なかなか微妙な値段ですね。じゃあ、どれくらい速くなることが期待できるかというと、使い方にもよるのでしょうが、こちらの記事 ではDVD動画からAVCへのエンコードで40%の速度向上だそうです。なかなかの速度アップですね。

でも、僕は動画を自分で編集したりはしないので、ビジネスアプリケーションではどれくらい速くなるのかが知りたいですね。例えば、Outlookとか、Wordとか起動アイコンをクリックした次の瞬間から使えるようになればいいのになぁ…。そのあたりはどうなのかなぁ。

僕はCPUには2万円以上出さないことにしているので、今回発表されたPentium Dはしばら待ちですね。買うとなったら、マザーボードなんかも換えないといけないですし。それにまだHyper-Threadingを搭載していなくて、今後搭載予定だとと言うことなのでそのときの性能アップにも期待したいと思います。