この度、IMSLPに掲載したヴィヴァルディのチェロソナタはダラピッコラがリハーモナイズしたものがコントラバス用として市販されている。

 

ダラピッコラは旋律の拡大形を伴奏に盛り込むなど斬新なアレンジとなっている。しかしながら一般的な演奏には適さないように感じたため、自身で編曲し直した。

 

編曲したのはおよそ10年くらい前だろう。今回の浄書にあたり、幾つかの修整をした。通奏低音は音の長さを変えたりしている箇所がある。これは編曲した当時に変えてしまったものである。演奏に支障はないが、作品研究の際には注意されたい。

 

コントラバスでの演奏を想定して伴奏とのバランスを考えた。なるべくシンプルにしたが、ヴィヴァルディらしいと思わせる過激な表現も織り込んである。ソロのフレーズに応えるようなフレーズを伴奏に盛り込んで、ソロと伴奏との対話があるように工夫した。

 

コントラバスで演奏できるようにソロパートの幾つかの音を変更してあるが、チェロでの演奏と同等の効果が得られると考えている。

 

ダイナミックは記載していない。ボウイングも記載しなかった。演奏者の自由な発想をなるべく妨げないようにした。スラーは多少恣意的に施してある。しかし、更に加減することは可能であろう。

 

ソロパートの難易度はさほどではないと思う。バロック期の音楽のレパートリーや学習素材として役立てていただけるであろう。

 

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