51枚目のシングルの読みは「ワクテカテカチャンス」

ワクテカってのはネットで使う言葉だかなんからしいが、そこは私はイマイチわからない(笑)そういえば昔「そうだ!We're ALIVE」のなかの「リーマン」も何のことか解らなかった(汗)

この曲はやはり最初の田中れいなの歌い出しがインパクトある。さすが後藤真希信奉者だけある。強い声がラストのサビ「だまって…」でもカッコイイ←自分でもそう思っているそうだ。このパートをゴマキが歌ってもはまりそう、と思ってしまう。

れいなと鞘師のあとに残る8人が順に歌う部分は半音階下降だが、「One・Two・Three」でも順に歌うところは半音階下降だった。9期の曲「アイサレタイノニ」も同様。こういった共通点はベートーヴェンでも見られる。作曲とはひとつのイデーを様々に変化させるので、その変化したものはひとつの曲のなかにはおさめきれない。自然といろいろな曲のなかにちりばめられることとなる。

このあとの「どれが本気で」からの道重と譜久村の調子が外れたような歌い回しは、おそらく浪曲や歌舞伎などの日本ならではの節回しがヒントになっているのではないか。こういった和テイストがつんくサウンドの個性であり、湿度を感じるところで、それが演歌的なまめかしさとなって香ってくるとおもう。

後半の歌詞はつんくPからメンバーへの叱咤激励とみることができるだろう。新メンバーへのロック魂の伝授といったところか。

ダンスにおいては、メンバーが言っているが、振りよりもフォーメーションが難しい。個々が違う動きをしながら全員で形態を表現するということはこれまであまりなかった。以前は基本的には何人かが揃った動きをしていて、それらの対比・拮抗で見せていた。今回は全員がひとつの形態を見せるために、ひとりひとりには異なる動きが要求されている。

これは、ダンスが「ユニゾン」から「ハーモニー」に変わったということではないか?

初期のモー娘。は声のハーモニーを重視していた。今回はそれをダンスに求めているのかもしれない。

複数の動きが調和してひとつのまとまりとなる「ハーモニー」は52枚目「HELP ME !!」で更に発展している。

夏まゆみさん曰く、「LOVE マシーン」の頃のダンスは、体のサイズがバラバラなメンバーに「揃えるダンス」を演出できないので、苦心の末、バラバラを逆利用する見せ方を考えたそうだ。

そこからすると、今のモー娘。は初期とは全く違う方向のダンスを標榜しているのかもしれない。

しかし、夏さんは現在のメンバーのダンス経験のバラツキに注目しており、それを「面白くなる」と言っている。「ハーモニー」の中に入る少しの濁りはカッコイイ響きを生むことがある。「テンション・コード」のダンス、ということなのだろうか?


歌の面では、佐藤優樹の声がイイ感じで目立つ。2番の「ほら大地からの恵み」やラストサビ前の「Oh Wow」などしっかりした声が出ている。絶対音感があり、ピアノも弾けるくらいだから、潜在能力はある。

サビ中で、道重と石田亜佑美のペアで歌う部分がある。そのブレンドが生み出す音色に意外性を感じた。つんくPにとってはイメージできることかもしれないが、こういった声のブレンドのマジックがハロプロの中での様々な組み合わせを作るときに意図されているのだろう。「ハーベスト」での組み合わせに言及した批評もあった。