パリ・デューデリ編 Due Diligence その5 (119) | Across The Border (国境を超えて)

パリ・デューデリ編 Due Diligence その5 (119)

MASAはスタッフの父親たちと

フランスの高級レストランで仕事の話をしながら食事をする。


MASA:
世界の第一線で生き抜いているビジネスマンとは、
かくもノーブルな気品と品格を持つものなのか!?
と、鮮烈な印象を残したものです。


というか、こんな品のいい紳士の息子がお前かよ!?
という、冗談めいた思いもあったため、
多少なりと安心感もありましたね。。。


彼らは最後にDDの報酬だと言う封筒をMASAに差し出した。


MASA:
薄っぺらい封筒は、報酬の少なさを示していると思ったものです。


そこで金額を確認するのは「下世話」だと感じ、
僕は黙って上着の内ポケットにしまい込み、
握手を求めて「受理」しました。


この時、すでに僕の価値観は多少は欧州化しており、
日本的なマナーである
「少なくとも一度は受け取りを辞退する」という事は無くなっていました。


日々、その日の売上こそが組織の潤滑油であり、
そんな日本的慣習をしていたら、
時間の無駄であるどころか取りっぱぐれる事にもなりかねない、、、


僕らは、ビジネスを目的としての活動を行っている限り、
限りなくチャンスを生かす必要性もあったのでした。



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受理すると、彼らはMASAに対して新たなオーダーを出して来た。


今度は、北欧フィンランドでのDD。

報酬は一般的なDD業務の相場を基準とするが、
成果のクオリティーを確認した上で
確定させたいとの事である。


ガイド業に調査先を組み入れることによって
出張や仕事の調査などの経費が十分にまかなえた。


そこから先に利益が上がればそれは、
ボーナスととらえる事ができるため、
その条件をすんなりと受け入れた。


MASA:
やっと友人の彼と二人きりになり、
いつものようにクラブに繰り出そう!
と言うことになりました。


緊張感も取れて、友人の親父さんの話をしたところ、
「おまえは、うちの親父をまだ理解していないぞ!」
と言われました。


そして、その封筒の中身を確認してみろ!・・・と。

それは生まれて初めて見る「チェック(小切手)」でした。


そして、考えていたよりも遥かに桁が多い額が
記載されていたのです。


僕は戦慄に近い高揚感を感じつつも、
同時にこれまで経験したことのない責任の重さを
ひしひしと感じました。


MASAにとっては、印象に深く残る晩であった。
そしてこのレストランでのできごとが
それからMASAをさらに世界に飛び立たせる次の
スタート地点ともなったのである。


これが、パリで迎えた半年目のことだった。

それから半年余り、それまでに培った人脈や
価値観そして行動力を活かし、
MASAの組織は新たにDDという業務を加えて
さらなる進化を続ける。


MASA:
DDの仕事は僕の行動半径と世界観、
さらには知識を広げる土壌を作り出してくれました。


こうしてMASAはパリで、短期間の間に
知識を深くし、行動力は広がり、
より充実したものとなっていくのである。



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いったいMASAがDDでどんな調査をしていたのか・・・
それは大変に興味のある話である。


世界的範囲でのDD業務は、

現在もなおMASAの会社のメイン業務となっている。


そこでは依頼主の匿名性とその内容を守秘するのが
厳しいルールとなっている。
そのため、残念ながら

調査の内容には触れることはできない。

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