パリ・デューデリ編 Due Diligence その3 (117)
MASAは、パリに着いてすぐにガイドのビジネスを立ち上げた。
それからスタップを集めて順調に広がりを見せていた半年後のことである。
スタッフの家族からデューディリジェンス(以下DD)の
調査業務依頼を受けた。
それから始まったDDの業務は、
MASAが立ち上げたガイドという組織というよりも
MASA個人の中で大きな変革を生み出ていく事となった。
それまで、どれほどに仲間と論じ合っていても、
それは個人にとどまった思考であった。
ある意味、マイノリティー的な考えや結論でしかなく、
仲間以外からの客観的な評価などを受けたことがなかった。
スタッフたちは、留学先の大学などの教育機関で、
成果や思考に対する評価や点数を受ける機会に恵まれていた。
しかし、MASAには、仲間内以外からは
評価してもらえる機会がなかったといえた。
MASA:
僕自身の考え方は、果たして正しいものなのか?
そして、その方向性は誤ってはいないであろうか?
実のところ、僕は常に万全の自信を持つことが
できませんでした。
学業、もしくは学位というものの意味があるとすれば、
世間が認める知識人たる方々に多くを学び、
その環境下において常に評価される環境下に
あるということなのかもしれません。
少なくとも、このとき僕はそう感じていました。
・・・そう、、、僕は、誰かに評価を求めていた。
そして、DDの仕事こそ、僕の思いを叶えるチャンスでした。
■パリの噴水
MASAが DDの依頼を受けた時点では、
特に金銭的な対価を約束されていなかった。
この事によって、
MASAとスタッフはかなり楽しみながらこの作業を行う事が出来た。
まとめあげたDDの資料をスタッフに渡し、
彼が実家へ一時帰国するタイミングに合わせて、
彼から仕事を依頼した父親へ受け渡しをしてもらった。
その後、MASAは本業であるガイド業が多忙を極め、
このDDの件を忘れかけていた。
欧米人のバカンスは長いことで有名である。
この実家に帰ったスタッフも2週間ほど帰国していた。
パリに戻ったスタッフからMASAに連絡が入る。
「今夜、それなりの格好をして、レストランに来い」
その指定された店は、
パリでも有名な三ツ星のレストランであった。。。
■凱旋門
画像From: http://office.microsoft.com/en-us/images/
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デューディリジェンス Due Diligence
投資家が自らの投資対象の適格性を
把握するために行う調査活動全般のこと。
M&Aや不動産ファイナンスの発展により
ますます重要になる。
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