アフリカ インタビュー編7 (115)
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2000年7月のインタビューをお届けします。
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≪Across The Border(国境を超えて) アフリカ編 7≫
Ann :前回はモスリムの奥さんの話が
中心になってしまいました。(笑)
エジプトは他のアフリカの国と比べて
ちがいがありますか?
MASA:政情も安定しているし、物価も安定している。
行き交う人々も 笑顔が 多く、
この6千年の都は、訪れるものすべてを
まるで 「タイムトリップ」させる力を
持っているように思えました。
Ann :欧米の人にはエジプトにあこがれ、
「エジプトに行きたい」という人が多いですね。
美術館や博物館でもエジプトコーナーは
とても人気があります。
エジプトは文明発祥の地だけれど
そんな感じがしましたか?
MASA:一度、光を放った国は 二度とその光を取り戻すことはない ・・・
と言われますが、確かにエジプトも そうかもしれない・・・
ギリシャしかり、スペイン、オランダしかり・・・
今日の エジプトはすっかり 「モスリム社会」 と化しているので、
いにしえの風靡は じっくりと 見ない事には 感じられません。
もちろん、視覚を強烈に刺激する巨大な「遺跡」を見ると
それを感じずには いられませんが・・・
Ann:そうですね。
エジプトと言って、
モスリムと結びつく人は少ないでしょうね。
どうしてもピラミッド、スフィンクスと
なってしまいますね。
カイロには 行きましかたか?
MASA:半日の滞在だったもので。記憶は・・・
Ann :スエズ運河は見ましたか?
MASA:仕事で関わる機会がありました。ポートサイド(地中海側)と、
スエズ(紅海側)の双方を首領の案内で。
彼の話では、この運河こそエジプトの運命を
決定づけたといいます。
1869年に完成した総延長160キロ、
平均幅80メートルのこの運河に流れるのは、
水ではなく「エジプトの血」だと言います。
運河工事に駆り出されたのは、
ほとんどが 農民であり多いときは
日に3万を超える民が「無償」での労働に
当てられていたといいます。
その上、日になんと18時間を超える強制労働で
死者は実に12万人! をゆうに超えていたそうです。
知りませんでした・・・
いつの世も、「歴史の影に 犠牲あり」 なんですネ。
しかも、イギリスをはじめとする強国からの累積債務は、
エジプトの所有していた運河の所有権(たった44%)をも
譲渡せざるを得ない状況に追い込んだそうです・・・・
彼は、こう いってました。
「キミもこのエジプトを見て思ったことだろう・・・
この国は、二度と輝くことはないだろうと。
もしかすると、それは 歴史の鉄則なのかもしれない。
しかし、われわれは あえてその歴史に挑戦するのだ!
イタリアをみよ!
ローマの栄光、そしてその盛衰・・・
しかし、そのエネルギーは消える事はなかったではないか!
ルネッサンスという光は、
世界の隅々まで再び届いたではないか!!」
人間には 大きな目標が必要なのかもしれませんね・・・
Ann:最後にミーハー的な質問ですが、ピラミッドは見ましたか?
MASA:実は 、夢がありました・・・
ピラミッドの頂上から 紙飛行機を
飛ばしてみるっていう子供みたいなこと。
でも、風化の進むこの歴史の遺物は、
のぼっちゃいけないことになってました・・・・
しかし、目前で見たピラミッドに詰まれた石の一つ一つは 、
驚くべき大きさでした。
おそらく、そんなことしたら
半日はかかるんじゃないでしょうか??
でも、「あけぼの」の淡い光に照らされた
絶妙のタイミングでの対面でしたのでかなり感激しました。
こういった「遺物」は 目で見るものと考えておりましたが、
心の中に「グサリ」ときましたネ!
そして、抜けないトゲ のように しばらく忘れられませんでした。
Ann:やっぱり私もこの目でピラミッドをみてみたいです。
画像From: http://office.microsoft.com/en-us/images/
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MASAからの一言
海外のビジネスというのは
価値観や宗教観は多種多様。
育った環境の影響そして 経験からくる言動・・・
度肝を抜かれることや 心眼をつかれることも
決して少なくはありません。
ごくまれに、そんな環境で仕事をする
「コツ」 を問われる事があります。
パリやNYでの経験から学ばせて頂いた結論は、
国籍や価値観を超越した
ものと 思っております。
江戸の時代に米山藩九代藩主である上杉鷹山は
このような言葉を残しています・・・
「してみせて、いってきかせて、させてみて、
ほめてやらねば 人は動かず・・・」
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