2019 年4 月25 日


各 位
 

会社名 大日本印刷株式会社
代表者 代表取締役社長 北島 義斉
(コード番号 7912 東証第1部)
問合せ先 コーポレートコミュニケーション本部長
田村 高顕
(TEL 03-6735-0101)
 

特別損失の計上及び業績予想の修正に関するお知らせ
 

当社は、2019 年3 月期通期連結決算において、特別損失を計上するとともに、2018 年5 月11 日に公表した2019 年3 月期通期連結業績予想を修正いたしましたので、下記のとおり、お知らせいたします。
 


 

1.特別損失の計上について
(1)補修対策費用
当社は、2011 年2 月から2014 年2 月までに当社が製造した壁紙製品の一部に生じた不具合に対し、必要な補修対策を実施しています。この不具合は、経時変化により、壁紙の表面が施工後に脆くなり、表面の柄が剥がれ落ちやすくなるというものです。2014 年2 月までに、耐候性などを改良することを目的として材料を変更しており、それ以降に製造した壁紙については、耐久性の試験等の結果から、同様の事象が起きないことを確認しています。また、この不具合が生じた壁紙の安全性については、専門機関での試験の結果、問題が無いことを確認しています。補修対策費用については、これまで不具合の発生実態に基づいて、2016 年3 月期に76 億円、2017 年3 月期に377 億円の補修対策費用を特別損失として計上しました。その後、現地調査及び補修工事を進め、2018 年3 月期第2 四半期には、人件費や材料費、物流費の高騰などの影響もあり、1 戸あたりの平均補修単価が当初の想定より高まったことを受けて、追加的補修対策費用535 億円を特別損失として計上しました。その後も引き続き補修対策を実施してきましたが、現在までに得られた補修現場での現物サンプルや使用状況に関するデータ等を基に、新たに科学的検証・分析を実施した結果、壁紙の不具合の発生には、これまで判明していた太陽光など紫外線の影響に加え、製品の形状や湿度など別の要因も関係していることが判明しました。この結果を踏まえ、改めて今後の影響範囲を合理的に最大限の規模で見積もった結果、2019年3 月期第4 四半期連結会計期間において、追加的補修対策費用750 億円を特別損失として計上することとしました。(注)
(2)固定資産の減損損失
当社グループは、事業環境の変化に耐えうる強い事業ポートフォリオの構築に向けて、常に構造改革に取り組んでおり、その一環として、2019 年3 月期第4 四半期連結会計期間において、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、収益性が低下した事業用資産と今後使用見込みがない遊休資産について減損処理を行い、減損損失149 億円を特別損失として計上することとしました。(注)
 

2.業績予想の修正について
上述の特別損失の計上、及び2019 年3 月29 日に公表した特別利益(投資有価証券売却益)の計上を踏まえ、2019 年3 月期通期連結業績予想数値を、次のとおり修正いたします。(注)

 

(注)上記の特別損失計上額及び業績予想は、本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後様々な要因によって異なる可能性があります。
3.配当予想について
2019 年3 月期の期末配当予想につきましては、1 株当たり32 円(中間配当金32 円と合わせて年間配当金64 円)の従来予想から変更はありません。
 

4.今後の施策について
2019 年3 月期の営業利益予想は498 億円で、前年同期比7.4%の増益を見込んでおり、2020 年3 月期以降も、次のような施策に注力して、営業利益のさらなる拡大を図り、企業価値の向上に努めていきます。
・情報コミュニケーション部門:
キャッシュレス化を背景に拡大しているIC カード事業や決済サービス関連事業のほか、人手不足や働き方改革への対応として企業の業務を代行するBPO(BusinessProcess Outsourcing)事業、当社もスポンサーになっている東京2020 オリンピッ
ク・パラリンピック関連事業の拡大に注力していくこと。また、世界市場で高いシェアを獲得している写真プリント用昇華型熱転写記録材の強みを活かし、写真の楽しみを訴求する「コトづくり」事業をグローバルに進展させていくこと。
・生活・産業部門:
電気自動車(EV)化の進展に伴い車載用途が大きく増加しているリチウムイオン電池用バッテリーパウチのほか、自動車の軽量化に貢献する曲面樹脂ガラスや、意匠性と機能性を兼ね備えた加飾フィルムなど、印刷で培った技術を活かして、高機能・高品質な製品・サービスの開発に重点的に取り組むこと。
・エレクトロニクス部門:
液晶ディスプレイからの切り替えによる伸長が見込まれる有機EL ディスプレイ向けに、製造用のメタルマスク及び光学フィルムの事業を拡大させるほか、微細加工を必要とする多様な分野に、DNP のナノインプリント技術を活かしたソリューションを提供していくこと。また、2019 年3 月期においては、180 億円の投資有価証券売却益を計上しましたが、引き続きコーポレートガバナンス・コードの主旨に基づき、投資有価証券の見直し・売却などによる資産の効率化を推進いたします。さらに、事業拠点の再編や製造拠点の統廃合に伴う、土地・建物等の遊休資産などの売却を引き続き進めてまいります。
 

5.2020 年3 月期の業績計画について
当社は、上記の施策を中心に、独自の「P&I(印刷と情報)」の強みを掛け合わせて、社会課題を解決し、人々の期待に応える新しい価値の創出に取り組み、中長期的な企業価値の向上に努めていきます。そのなかで、2020 年3 月期の連結業績は、連結売上高は1 兆4,160 億円、連結営業利益は510 億円、連結経常利益は585 億円、親会社株主に帰属する当期純利益は510 億円の達成を目指します。


以 上