夢工場物語♯４０ さよならコンサート

バンド名を変える・・・・
まるっきり頭にないことだった
おそらくメンバー全員が同じだったと思う
はっきり言って戸惑った
ものすごくいい話で
夢みたいなデビュー話
しかしHOTCAKEという名前は
いつの間にか僕らの中では大きいものになっていたんだね
思えば下北沢の喫茶店でHOTCAKEが250円だったから
つけた名前、渡辺が参加して250を取りHOTCAKEへ
プロを目指して共に歩んできた名前
メンバー全員が違う高校に通い、また高校を卒業してからも
この名前のバンドがあったから
おたがいに苦しいことも夢に変えて頑張ってこれていた
もう苗字みたいなものだ
応援してくる人たちも、HOTCAKE一家やほっとけクラブなど
もうHOTCAKEなんだよね
ジーンズメイトで買った安いスタジャンにワッペン付けて
つくったオリジナルスタジャンはもう僕らの代名詞みたいのものだったしね

メンバー全員悩みに悩んだ
うぉー
まるで結婚して苗字が変わってしまうことになる
新婦のようだ
夫婦別姓が認められる世の中になっていれば！！！！
でも
僕らは決めたんだ
夢工場家に嫁ぐことを
お父さんお母さん
今まで育ててくれて本当にありがとうございました
僕らは新しい家に嫁いでも
お世話になったことを決して忘れません
思いでは永遠に不滅です
なったことはないけど・・・
いや・・これからもなることはないけど
いや・・婿養子になるならあるか！
もう僕らは結婚を控えた新婦になっていた

ここでまた事務所の社長からの提案だ！！
解散コンサートをやろう！！
解散！？ちょっと待って
僕ら解散しないよ・・え？
・・・・・・・・・・・
期間を置かず解散コンサート
いわゆるさよならコンサートをやることになった、
横浜市教育会館
500人のキャパは満員になっていた
この動員も応援してくれてたほっとけクラブや
ファンになってくれてた人たちが友達などを呼んで
満員にしてくれたんだよな――
紙テープが飛びまくり
本当に思い出深いコンサートになった
そして最後
僕らの思い出のスタジャン5枚がつる下げられ
上に消えてゆき
代わりに夢工場の文字が
一部の人が（いやほとんどの人が）すでに知っていた
夢工場としてのデビュー
でも僕らのHOTCAKEへのこだわりを知っていた
社長の粋な演出だったな！
このコンサートが
HOTCAKEへのさよならコンサート
夢工場家に僕らが嫁いだ
結婚式だったんだよね、

でも応援してくれてた人はほっとけクラブから夢一族と名前を変えて
これからの道のりをともに歩いてくれたんだよね
感謝感激です