シンガポール人について。
シンガポール人と一言で言っても、中華系(福建・海南・とうちゅうなどなど)、マレー系(モスリム・マレーシア人じゃありません)、インド系とさまざまな人種が融合しています。
その中では中華系の割合が一番大きく、中華系は一番勤勉な人が多いという印象ですが、全体的に日本人と比べると、
・おおらか(長所)⇔ いい加減(短所)
なので、会社へ10分や20分遅刻しても全然問題ありません。(と、聞いてますが)
会社に着いてからご飯を食べる人もいるくらいです(と、聞いてますが)
私から見ると、タイ人ほどいい加減じゃなく、あくまでも日本人の感覚に近い常識や勤勉さはありますが、重箱の隅をつつくような異常に細かいことや周囲の目を気にするストレスはありません。
日本人特有の本音と建前がなくて、本音でストレートなので、時々びっくりすることもありますが、精神的にのびのびできるところはとても気に入ってます。
それと、けっこう右へ習えの保守的な人が多いかなという印象もあります。
あまり冒険を好まずに、無難に済ませようとする感じ。
これは小さなころから暗記中心の厳しい教育課程のせいかな、とも思います。(勉強は3歳の幼稚園から始まります)
シンガポールで有名な芸術家とか企業家って今のところ皆無なんです。
あと、シンガポール人をあらわす気質に『キアス』という言葉があります。
これは、何でも自分にとって一番有利に事が運ぶように目論む態度や行動を意味する言葉です。
例えば、広い駐車場でなるべく歩かなくて済むように出入り口に出来るだけ近いところに車を止めようと躍起になるシンガポーリアンに向かって『DON’T BE SO KIASU!そんなんにキアスにならないでよ!(空いてる所に止めればいいじゃない)』という具合に使います。
シンガポール人には、大らかな反面、セコセコしたキアスな面もあるのです。
男女別で見ると、
・男性は紳士的で優しい ⇔ 女性はとても強い
会社では男女平等です。
男性は2年の兵役があるために、同じ能力がある場合、女性の方が出世が早いですし、夫婦でも共働きが普通で、奥さんの方が給与が上のカップルもたくさんいます。
男性も家事をするのが普通ですし、家庭の切り盛りを2人で共同でする、という考えが根付いているように思います。
育児にも積極的な人が多いように感じます。
男性は、2年の兵役で規律正しい生活を学び、アイロンがけから掃除に至るまで全部自分でできるようになるからだとも言われています。
家事は女性がするものという概念がないのでしょうね。
だから、無理なら毎日外食、家事はお手伝いさんに任せる、そんな家庭も多いです。
移民を受け入れるシンガポールならではの長所だと思います。
お手伝いさんを雇うのが普通という感覚は日本とは大違いですね。
これはフィリピンやインドネシア・ラオスから来る人たちを安く雇えるからです。
住み込みの場合、1ヶ月で700S$(49,000)ほど。他に健康診断の義務などがあります。
お手伝いさんはシンガポール人と結婚することは法律で禁止されていて、万が一、妊娠した場合は、雇い主が政府に罰金を払わなくてはいけないなどの法律もあります。
異なる文化を持つ人たちがスムーズに暮らすために色々な法律が必要で、シンガポールが罰金国と言われる由縁ですね。
ガムも街を汚すために国内では買えません。
こんな法律を作れてしまうのも国が小さいと言うこともあると思います。
ちなみにデモなども禁止で、今年から『市民の声コーナー』という小さな広場が開設されて、役所に届出をして許可を得た場合のみ、そこで演説などを行えるようになったくらいです。
なので、会社にも日本で言うところの組合のようなものもありません。
これを良しとするか否かは個人差がありますが、シンガポール人は自国をとても誇りに思っている人が多くて、この点は日本人も見習ったほうが良いと思います。
日本にも世界に誇れる文化や伝統がたくさんありますから。
づつく。