「こんな地味なもの見て投票先を決める人はいない」から「基本全戸配布でもあるし案外多くの人が参考にしている」説まで・・・
様々な見方のある選挙公報。ワタクシは、それなりに楽しむ方です。
とは言え、ここで全ての「政党」を取り上げると煩雑になってしまいます。
なので、マスメディアでは扱わないことになっている(!)「諸派」に限って、ちょっと遊んであげようかなと。
⚫そもそも「諸派」とは
何でも「公職選挙法」に規定があるのだそうで。
それが、
①現職国会議員が(衆・参合わせて)5名以上。
②直近の(衆あるいは参議員)選挙で全国得票率2%以上。
の2つ。
マスメディア的に、それらを満たさないものは「諸派」として一括。ほとんど相手にしないか、あるいは、いっそ無いものとする、ということのようです。
紙幅や放送時間に一定の枠がある以上、そこそこのところで「足切り」をせざるを得ない、というのは、まあ、分からないではないのですが・・・
だったら(直接、選挙とは関係なかったけれど)一時の「シールズ」アゲアゲ報道とか、あるいは(上の政党条件自体は満たしていたのかもしれないけど)前回参院選時「れいわ新選組」破格の扱いとか、一体何だったの、と思わないでもない。
ま、言っても詮無いことはこのくらいにして。
改めて、今回「参議院名簿届出政党等の名称及び略称の一覧表」です。
そんなわけで、以下、届け出順に「諸派」のみ、取り上げていきます。
ちなみに、選挙公報の割当スペース(面積)なんですが、各党の名簿届け出人数によるのだそうです。
8人まで:1/4、16人まで:1/2、24人まで:3/4、25人以上:全面
とのこと。だから(共産党のように)現職議員が少なくてもやたらスペースだけは大きい、ということもあるのですね。
⚫幸福実現党
「対中包囲網の形成」
「バラマキから自助努力の繁栄へ」
毎度のことながら、言ってること自体は、けっこう(ワタクシ的には)マトモだと思えるんですよね。
ただ、そこはかとなく宗教色が。ま、幸福の科学なんだから、そりゃそうなんでしょうし、だから絶対ダメ、ということもないんだけれども。
サイトの方には、こんなことも書いてありました。
コロナ感染がここまで広がった以上、完全な封じ込めは非現実的です。コロナを理由とした強制力を伴う対策は「感染症全体主義」ともいうべきもので、国民生活に大きなダメージを与えます。現状ではインフルエンザ並みの対応とし、民間の知恵を信頼して最大限、国民の自由を守るべきです。
毎度のことながら、言ってること自体は、けっこう・・・以下略で。
⚫ごぼうの党
一番大切なものは何なのかを考えていたら笑顔でした
えっと、“ポエム”?
あまりにも「何も言ってない」んですが、実はサイトの方も似たりよったりで。
ただ、シンプルに笑顔と喜びを守る
文化
エンターテイメント
アスリート
食の安全を守る
そんな政党があっても
良いと思います。
そりゃ、ま、あっても良いんですが。
真実
Truth
堂々と本音で議論出来る社会を目指します
愛
Love
与え合って許し合って協力しあえる社会を目指します
笑顔
Smile
何よりも笑顔が一番です
やっぱり、“ポエム”!
ちなみに、なんで「ごぼう」なのか、サイトにはそれなりの説明がありました。が、興味のある方はご自分でどうぞ。
⚫参政党
あなたの気づきが日本を救う!
1 子供の教育
2 食と健康、環境保全
3 国のまもり
「あれっ、何か(良くも悪くも)普通だな」というのが正直なところ。もちろん、一人ひとりがいろんなことに「気づく」ことは大切に違いないんだけれども。
ワタクシ的には、サイトにあった、こちらの政策(コレ系の話、某動画サイトに上げると、たとえば街頭演説でも削除されちゃうらしい)にこそむしろ注目です。
参政党のワクチン政策
1.(マスク着用の自由化)
2.(指定分類の引下げ)
3.(PCR検査の原則廃止と医療の正常化)
4.(行動制限の撤廃)
ふむふむ。以下は、本文も引用。
5.(緊急事態条項に反対)
感染症の流行に際して政府による非科学的な国民の行動制限やワクチンの接種強制などにつながりかねないような緊急事態条項を憲法に盛り込むことに反対する。
6.(パンデミック条約に反対)
ウイルス感染症対策としてWHOに対し、法的強制力のある各国への指示権限を与えようとする、いわゆる「パンデミック条約」については、各国の国家主権と民主主義を根底から否定して人間から自由をはく奪するものであり、これに断固として反対する。
7.(ワクチン政策の是正と救済策)
参政党は、新型コロナウイルスのワクチンを接種していない方々の自由や人権を守るとともに、現在深刻化しつつあるワクチン副反応被害者にも救済の具体的方法を提供することを基本とする政党として、今後とも以下を推進していくこととする。
(ネット界隈では)相当に注目されている参政党。それだけに、色々とネガティブな反応もあったりなかったり。
素直に期待するか、慎重に吟味するか、いずれにせよ「これからの政党」であることだけは確か、なのかな?
⚫日本第一党
強い日本を取り戻す
①天皇陛下は父系を堅持
③自衛隊改革、国防費GDP比3%以上
は良いとして。
②消費税完全廃止、給与所得税2年間免除
と言われてもなあ。
④日本人学生向け奨学金は全額給付
にしても、大学や学生の質を抜きに語れないし。
一方、サイトの方で「おー」と思ったところも。
憲法
- 自主憲法の制定 (党の憲法草案の策定)
- 天皇を元首と明記
- 国軍保持を明記
- 納税、勤労、教育に加え国防を国民義務に明記
国防・外交
- 竹島・千島列島・南樺太などの所有権を国際社会に強く主張し、戦後日本からの脱却を目指します
福祉・医療
- 臓器提供意思表示カード作成者以外の脳死者にも臓器提供できるように臓器移植の判定基準を見直します
憲法、国防・外交については、これくらい言ってもらわないと、そりゃ「日本第一」の名前が泣きますわね。
脳死臓器移植について、どうやら積極的なのは、ちょっと意外でちょっと買い。
⚫新党くにもり
国民のいのちと大切な人生を守り抜く!
新党くにもりは「いのちと心」を守る保守政党です。どこよりも、誰よりも、国民の命と大切な人生を本気で守ります。新党くにもりは、本来、自民党がやるべき保守政治の実現、道義と正義、勇気と人情の通じる日本を取り戻します。
ほほ〜、です。でも、なのに。
消費税ゼロ!
なんだよなあ。これを言われるとね、とたんに胡散臭く感じちゃうんですよ。ま、少数意見かもしれませんが。
以下はサイトから。
私たちは、国を創り、守ってこられた先祖の祈りと願いを体現し、子孫の未来を常に考える誇りある日本を取り戻します。
私たちは、左右の対立を超えた「日本を主語」とした反グローバリズム政治を目指します。
「左右の対立を超えた〜〜〜」ですか。
「基本政策」からも、いくつか。
二、皇室の皇統男系男子を絶対護持 旧宮家復活
五、財務省解体・再編!財政危機論の嘘を暴く「政府の赤字はみんなの黒字」
七、税制改革等、所得配分見直しと国民の格差是正で、一人の失業者もいない日本へ
十六、グローバリズム政策の全面見直し
十九、抑圧されたアジア諸民族と連帯して全体主義ファシスト政権と戦い、独立・自由のアジアを築く
何かね、項目それぞれは正しいのかもしれないけれど、って、そんな感じ?
⚫間奏(感想)
これは、いささか言い難いことなんですが、
日本第一党といい、新党くにもりといい、
一応「保守」なんでしょうけれども、少しずつ引っかかるというか、ちょっと何処を向いてるのか分からないというか・・・
「之を右翼というも可、左翼というも可なり、所謂右翼は国体の衣を着けたる共産主義者なり」
戦後、近衛文麿氏が昭和天皇に上奏したとか。
何となく、そんなことを思い出したりするんでございますのよ。
これまた、少数意見かもしれませんが。
⚫維新政党・新風
「戦後体制」とその「打破」について、チャートで示していたりして、これがけっこう腑に落ちる。
自民党・反日野党結託政治に終止符を
――そう! まずは、それ!
●帝国憲法復原 即改正
――そう! 理屈として、それが正しい!
天皇国日本の危機
●現皇室典範を改正して皇位継承安定のため、現宮家に男系男子の御養子を
――そう! それが一番「分かりやすい」!
サイトからは「綱領」を。
綱領
- 我が党は、君民一体の国体の理念を、議会制政体によって顕現し、道義国家の実現を期す。
- 我が党は、国史の道統に則り、維新の精神をもって、自由で豊かな社会の実現を期す。
- 我が党は、祖国の自主独立の立場を堅持しつつ、国際社会における相互互恵と友好平和に貢献することを期す。
広報、サイトとも、ワタクシとしては、特に「そこは違うなあ」というところがなく、素敵。
消費税に関しても「減税」と控えめ(?)ですし。
ぶっちゃけ「泡沫」候補かもだけど、頑張ってほしいなあ。
ということで、
候補者等一覧と選挙公報は、こちらでご確認を。
さて、参議院と言えば・・・
⚫参議院(選挙)の意義
衆議院のカーボンコピー、二軍。同じ議論をするなら無駄、違う結論を出したら迷惑。その他諸々。
およそ、その存在意義について評価の低い参議院ですが、そうは言っても、ま、現にあるわけで。
どなたが言ったのか忘れてしまいましたが、衆議院予算委員会に対して、参議院は決算委員会を極めれば良いのだ、という意見がありまして。
なるほどな、と思います。
現状、自民党がいわゆる「右から左まで」めっちゃウイングが広くて、それでも、世界基準で言えば、その最右翼が、ようやく中道かな、くらいのもんで。
何をもって右と言い左と呼ぶのかは、この際、置いといて。
それを思うとですね、例えば、参政党とか維新政党・新風とか、「自民党より右」の政党がちゃんと議席を取るのは大切かな、という気がするんです。
いきなりキャスティングボードに握るほどの勢力になるはずもないし、その意味では安心して(?)投票して良いとも言えるわけで。
生活直結の課題として新型コロナ対策とか、あるいは国家観に関して憲法・皇室典範の扱いとか、自民党をより右へと引っ張る質問をしてくれると、それだけでも日本の政治は変わるんじゃないかなあ、と。
何しろ、参議院の議論は質問時間片道方式(閣僚が答弁する時間を含めない)ですからね。のらりくらりと逃げることができません。
ことに、青天井で予算が付いた新型コロナ対策など、その意義と効果を含め執行状況をつぶさに検証してもらわないと、です。
有耶無耶に終わらせて良い話じゃありません。
現実として、選挙区の方で「諸派」が議席を得るのは、かなり厳しいことでしょう。
それでも全国区の比例であれば、あるいは、行けるかもしれません。実際、NHK党は前回「諸派」でありながら議席を得ました。
でもって今回、晴れて党首討論等に呼ばれ、その適否はともかく、言いたいこと言ってます。
公約の上っ面だけ見聞きして信じるのも、裏を深読みして全てを疑うのも、どちらが良い悪いということはありません。
政治を変えようと思うなら(変えれば良いというわけではない、という考えも有り得ますが)、まず、自分のこれまでの投票行動を変える必要があるのかも、と考えている昨今です。
とにかく、
マスメディアが報道すること、あるいはしないことから自由になる。
まず、そこからかな。
新聞・テレビがどれだけ報道してても、実は大した話ではないということ(新型コロナウイルス感染症が、まさにソレ)があり、
新聞・テレビがほとんど報道しなくても、相当に重要な話(WHO・年次総会とか世界経済フォーラム・ダボス会議とか)もあります。
ネットのプラットフォームにしても普通に「検閲」――勝手に「おすすめ」を調整したり、恣意的ガイドラインをもとに投稿を削除したり――する時代なんです。
こちら、産経新聞選挙報道の一環。新型コロナは「終わってない」というスタンスでありながらその対策については争点としない(なったら困る)という姿勢が滲み出ててるでしょ。
今回の参院選は、第6波の到来が懸念される中で行われた昨秋の衆院選と異なり、コロナ対策よりも物価高対策や安全保障政策などが焦点になっている。だが、いかに感染拡大防止と社会経済活動のバランスを取り、次の危機に備えた体制を築いていくかは、政治が避けて通ることのできないテーマだ。
唐突ながら、これはゲーテの言葉。今日的に、女性蔑視でアウトっぽいんだけど。
Das Publikum will wie Frauenzimmer behandelt sein; man soll ihnen durchaus nichts sagen, als was sie hören wollen.
(大衆は女性と同じように取り扱う必要がある、彼らには彼らの聞きたがること以外は一切言ってはならない)
結論。
舐められたらイカン。
政党にも、メディアにも。
自分で決めて、自分の意志で投票する。
大衆とか女性とかで括られない、自由な個人として生きるですよ。
おまけ。諸派じゃないんですが・・・
⚫NHK党
我々の多くは当選できません。
しかし
1票につき約250円、あなたの投票で政党助成金が交付されます。
このお金を使い、NHK党は、NHKから国民を全力でお守りしています。
徹底した「ワン・イシュー」政策。いっそ清々しい。
⚫国民民主党
比例区は、「国民民主党」または「候補者名」とお書きください。
いやいや「候補者名」と書いたら無効だから。
こういうの、分かるから良いでしょ、という問題じゃない。すごく気になるんです。候補者名の「」をとって「を」で受けないと。
政党名か候補者名を書くんですよ。お間違いなく。