「おおかみがきた!」
「えっ、おおかみだって?」
「たいへんだ!」
おとなたちが棒や鉄ぽうをもって、あわてふためいてかけてきました。
「ぼうや、おおかみはどこだい?」
「みんながきたから、びっくりしてにげちゃったよ」
羊飼いのこどもは、おとなたちが大あわてでとんでくるのが、おもしろくてたまりません。
「おおかみがきたぞ!」
はじめはびっくりしてとんできた、村人たちも、これが四回も五回にもなると、さすがに子どもがうそをついていると、わかってきました。
「おおかみがきた!」
「おおかみだ、おおかみだ!」
どんなに大声でさけんでも、だれもやってきませんでした。
「どうせ、またあの子のうそですよ」
(「こどもとおおかみ」『子どもに語る世界昔ばなし』主婦と生活社より)
と、まあ、そんなわけで・・・
さすがに「聞き飽きた」な、緊急事態宣言
先の首相記者会見質疑応答より、こどもの・・・あ、間違えた、新型コロナ対策分科会会長尾身さんの発言です(下線は引用者)。
私は、今回、国が東京に対して緊急事態宣言を発出するという諮問を我々の専門家の方に出されたわけですけれども、私たちはこれに賛同いたしました。その理由は、大きく分けて、私は、背景といいますか、4つあったと思います。
1つ目は、これからの7月、8月、この1~2か月というのは、私は、今まで1年半以上にわたって行った我々のコロナ対策、取組の中で、最も重要な山場の1つだと思います。それが1つですね。
それから、もう総理もおっしゃったように、今、感染性の強いと思われるデルタ株の置き換わりが着実に進んでいるということがあります。
それから、ワクチンが非常に効果を、高齢者を中心に、出てきておりますけれども、1つだけ、我々の懸念、今、なぜ緊急事態宣言を発出するのがいいかと思った、1つの大きな理由は、実は高齢者の重症化というのは、比較的、今、ワクチンのおかげで少し抑えられていますが、実はこれ、恐らくデルタ株の影響だと思いますが、40代、50代の比較的若い年齢層の重症化、それから、入院する、実際に人工呼吸器を使うような人が、今までの第3波、第4波には見られなかったことがあります。
したがって、今回は、総理がおっしゃったように、多分私はこれを最後のということに期待します。これから何があるか分かりませんけれども、ワクチンがだんだん進んでいますので、その前にこの1~2か月の間に何としてもこの40代、50代の、これがかなりスピードが高いふうに入院患者数、重症者数が増えていますので、この期間に何とかしてこれが、感染が更に拡大して医療のひっ迫、このまま放っておくとそうなる蓋然性がかなり高いと我々は判断しています。そういう意味で今回国の方がこういう判断をしていただいたことに対して、今日もそれについては全員一致で合意したということだと思います。
いや、もうね、正直なところ、尾身さんの発言には一々茶々入れるのもバカバカしくなってきました。
首相は首相で、こと、コロナ対策に関しては「専門家」(分科会メンバー限定)の言いなりになる方向で腹をくくったご様子。
それが情緒的で感覚的、非科学的で非論理的な物言い、端的に「こどものうそ」と分かっていても、とことんまで付き合い、どこまででも「おおかみ」への備えをしてみせるってことなんでしょう。
その意図するところは謎ですけれども。
来るべき総選挙に向けて、かねてから五輪中止、もしくは無観客開催を訴えていた立憲民主、共産党やそのシンパ側の批判材料を削るため、なのかな?
やっぱり「日本の常識は世界の非常識」?
ともあれ、諸外国政府の認識・政策とのズレは大きくなるばかり。
例えば英国、何とも羨ましい話になってます。
イギリスでは19日からソーシャルディスタンスやマスクの着用義務などの行動規制が完全に解除されることになりました。
ジョンソン首相は5日の会見で半年にわたり続いた規制を19日から完全に解除すると発表しました。
集会の人数制限がなくなるほか、公共交通機関などでマスクを着用する義務も終了します。
いかにも日本向けに「インフルエンザや風邪の人も減ったのでこれからもマスクの着用は続けます」とマスク無しで(!)語る「市民の声」を拾っているのはご愛嬌として・・・
このテの「〇〇では」ニュース、大抵、我が国政府を批判する文脈なんですが、どうせなら、彼我のワクチン接種率に注目するのではなしに、新規感染者数の比較をしてくれると嬉しいんですけど。
直近7日間の新規感染者数、人口100万人あたりで、日本101.1人に対し、英国3007.1人。
それでも彼の国は「行動規制完全解除」ですよ。
聞くところによると「感染者数は(検査を続ける限り)もう制御できない。しかしながら、重傷者・死者が少なければそれで良い」という結論に至ったのだそうで。
そりゃそうです。
PCR検査は症状関係なし、遺伝子のカケラがあるだけで陽性となるんですから、ワクチン打ったって、そうそう減るはずもない。
ただ接種効果で(今のところ)重症化・死亡は防げているわけで。
さすが「経験主義」の国は違いますな。
RNAウイルスがいくらでも変異を繰り返すことや、変異で感染力が強くなるとしても同時に症状が重くなるなんて、ほぼ有り得ないことだと承知しているのですね。
ま、他所様を引き合いにしてみても詮無いことだらけの今日此の頃ではあります。
ちなみに、緊急事態宣言発令の東京都、重傷者・死亡者数は、こんなです。一体何のギャグでしょう。
「増加傾向あり、おおかみがくるぞ」と言えなくもないのでしょうけどっ💢
「重傷者が増えてるから、死亡者もこれから増える、おおかみがくるぞ」と言えなくもないのでしょうけどっっ💢💢
それで得られる教訓は・・・
とりあえず、「おおかみがきたぞ!」と何度も嘘をついたこどもが、その羊を全て失ったのは自業自得。
一方で「新型がきたぞ」「変異株がきたぞ」とか「リバウンドがくるぞ」「医療が逼迫するぞ」と言い続ける面々は、自らはほとんど痛みを感じることなく、それでいて多大な人々の人生を狂わせているという、その現実がやるせない、です。
あ、でも、東京オリンピックのほとんどが無観客となったことで、スポンサーとして宣伝効果激減なマスメデイアの方々は、そこそこ「身から出た錆」と言えるし、それなりに「嘘はダメよ」という教訓たりうる、のかな?
もっとヤバイのは、(「専門家」に引きづられた結果とはいえ)大した事態でもないのに宣言を連発する政府が信用を失い、本当の緊急事態(某国が尖閣に度々侵入していることとか、台湾を威嚇していることとか、ウイグルを今現に侵略していることとか)に、国民が鈍感になっていくことで。
あ、これは、イソップが語る教訓どおりですね。
🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥
こちら「ワクチンどっちでもいい派」による変異株の見方です。
尾身さん(とその仲間たち)のそれと、どちらを信じる信じないという判断は、ま、皆さんそれぞれで。
これまた、信じる信じないは人それぞれなんですが・・・
今は昔、ダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、いかにも「ソコだけ見てモノを言う」な「正論」をぶったあの人の意見です。
したがって、人との距離を2メートルで保てば、飛沫感染は防げます。2メートル以上の距離を担保できるのなら、率直に言ってマスクは必要ありません。2メートル以上の距離をどうしても確保できないときはマスクです。
しかしその場合は、マスクをしていても感染リスクはあります。リスク回避の優先順位は、
①外出しない。
②外出時は2メートル以上の距離をとる。
③2メートル以上の距離を確保できないときはマスクをする。
です。
くどいようですが、安全が担保できるのは「①外出しない」と「②外出時は2メートル以上の距離をとる」だけです。③は、正直言って気休めです。
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マスクは安全を担保するものではありません。「マスクをつけているから」と、人が密集する場所に行くのは、明らかな間違いです。極端な喩え話をすると、それはドライブレコーダーを付ければ安全だと信じて、ブレーキが壊れた車に乗るようなものです。
これね、同じものがヤフーニュースでも見られるんですが・・・
タイトルのせいか、あるいは記事2ページ目だからか、コメントがかなり的外れなんですよ。皆さん、全文読んでコメントしてるんでしょうか?