我が国内では、どうにかこうにか持ちこたえている武漢ウイルス禍ですが、今や世界中、殊に欧州においてエライことになっております。

 

これを「パンデミック」(世界的流行)と呼ぶならそうでしょうし、非常事態、緊急事態とするなら、それもやっぱりそうなんでしょう。

 

そういう時、大抵の場合、人それぞれ地が出たりするものでして。

 

(その自覚が有るのか無いのか不明ですが)入国・渡航制限をめぐって俄に差別感情を顕にしてみたり、あるいは(それなりに民主主義制度の手続きを踏んで)権力の座にある人物が恐れ慄いているとして「痛快」だと呟いてみたり、世の中、ホントにいろんな人がいるんだなあと、日々、思いを新たにしているところです。

 

 

そんなわけで、今回は(強引に)映画『新聞記者』について。

 

 

とりあえず、斜に構えて観始めたつもりが、うっかり引き込まれちゃったりもして、映画自体、社会派サスペンスとしては、まあ、それなりに面白かったです。

 

 

とは言うものの、公式サイトのイントロダクションに・・・

 

一人の新聞記者の姿を通して報道メディアは権力にどう対峙するのかを問いかける衝撃作。
東京新聞記者・望月衣塑子のベストセラー『新聞記者』を“原案”に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いたオリジナルストーリー。
主演は韓国映画界の至宝 シム・ウンギョンと、人気実力ともNo.1俳優 松坂桃李。

 

・・・とあるとおりでして。ご存知の方も多いことでしょう、あの(!)望月衣塑子ちゃんが相当に絡んでいる映画でもあります。

 

 

ストーリーとしては・・・

 

東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。

 一方、内閣情報調査室官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。

 「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。

 真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。

 二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる!

 現在進行形のさまざまな問題をダイレクトに射抜く、これまでの日本映画にない新たな社会派エンタテインメント!あなたは、この映画を、信じられるか──?

 

・・・というもの。

 

いやあ、困りましたね。けど、とりあえず、トレーラーをどうぞ。

 

 

[東都新聞 社会部]

 

国家権力による隠蔽に新聞が加担した。

 

[内閣情報調査室]

 

〈被害者女性が告発!総理ベッタリ記者レイプ事件逮捕見送り官邸がもみ消し画策〉

 

といったキーワード、雑誌誌面が出てきました。

 

本編ではさらに、新規大学の設置・認可をめぐる裏工作・忖度とか、それが実は生物化学兵器研究施設の隠れ蓑でもあるとか、そんな、どこかで聞いたような話が塩梅良く散りばめられてます。

 

ついでに言うと、それら一連の「疑惑」ついてTV特番(劇中劇)で討論しているのが望月衣塑子さんや前川喜平さんだったりするという、何とも小憎らしい演出があったりもしまして。

 

 

再度言います。サスペンス映画それ自体としては、確かにオモシロカッタです。

 

が、詮無いことと承知のうえでツッコミ入れます。

 

 

この映画は、ただのフィクションではない。

 

―仰るとおり。ただのフィクションではありません。プロパガンダです。

 

 

あなたは、この映画を、信じられるか―?

 

―いいえ。ワタクシ、全く信じられません!

 

 

イントロダクションに戻ると・・・


この国に“新聞記者”は必要なのか―?

 

・・・なんて問いかけもありました。

 

そりゃ勿論、我が国に限らず、真実に迫る「新聞記者」はやはり必要でしょう。

 

しかしながら、(望月衣塑子さんを投影していると思しき)この映画で描かれているような、ちょこちょこっとネットで検索かけ、ちょこちょこっと新聞アーカイブを調べ、ちょこちょこっと突撃取材する程度で其処に到達できると勘違いしているような“新聞記者”は要りません。と言うか、むしろ迷惑ですね。

 

ついでながら、映画は「実名で語られることこそが真実」というロジックのもとに構成されているようなのですが、いやいや、実名であれ匿名であれ、正直者は分からないこと知らないことについて口を噤むだろうし、嘘つきは何時でも何処でもやっぱり嘘を言うでしょう。

 

 

ところで、

 

 

新聞・TVなど、既存のマスメディアが凋落傾向にある一方で、ネット空間はどうかというと、こちらは、もう散々指摘され続けているとおりの玉石混交振りでして。

 

マスメディアの嘘を暴いたり、あるいはマスメディアが扱わない情報を拡散させたりといった素晴らしい面が確かにあるものの、マスメディア以上にフェイク・捏造、それに、いわゆる人権侵害も横行してます。

 

で、ここにきて更に、拙記事の冒頭で申し上げた「有事に地が出る」の伝になぞらえ付け加えるならば、この武漢ウイルス禍によって「玉」だと思っていたサイトや個人が、実は「石」だったんですね、ということもママありまして。

 

 

武漢肺炎に関する、およそ全ての対策は、そのメリット(感染予防・抑制効果)とデメリット(経済・社会生活に及ぼす悪影響)とを勘案し打ち出されたということすら理解しょうとしなかったり・・・

 

中国全土からの入国制限は、そりゃ早い方が良かったには違いないですし、中国への忖度と言えば聞こえは悪いですけれども、それはつまり、中国に滞在する日本人、中国関連の生業で生活している日本人への配慮と同じ意味ですから。

 

その是非はともかく、現に中国へモノ(部品・完成品)を売っている人、中国からモノ(部品・完成品)を買っている人、その部品・完成品があることを前提として生産・消費をしている人全てに関わることなんですから、政府がなかなか全面入国制限に踏み切らなかったのは、それとのプラスマイナス考えてのことだ、というくらいは考えても良いんじゃないでしょうか。

 

というか、その折、純粋に感染防止・抑制を願い、それを優先して中国からの入国制限を求めていたのであれば、今、欧州はもちろん全世界からの入国制限を主張しないのは、ちょっとおかしいでしょう。

 

ちなみに、遅ればせながら中国全土からの入国制限に踏み切ったのは、もはや感染予防・抑制という「実」ではなく、中国よりも日本こそが感染輸出国になっているという、あらぬ方向の国際世論に対抗するための「名」を取ったからだろうとワタクシ考えております。

 

あるいは、中国の官製メディアがしばしば使う論法を真似してるのか、日本政府はダメだけど日本国民はスゴイ、だから何とかなってる、みたいに、政府と国民を分けて考えてみたり・・・

 

このままでは日本でも武漢・湖北省と同じことが起きる、日本政府は後手後手で全然ダメだと厳しく批判していた人達が、その後欧州が大変なことになり相対的に日本は何とかなっている方だということがはっきりしてきた途端、いや、日本はもともと衛生的だし医療体制もしっかりしてるし、何より民度が高いから等々、様々な理由を持ち出して、結局、政府については金輪際評価することがないのを見聞きするのは、何とも寂しい限りです。

 

日本国民が頑張っているのはそのとおりではあるのだけれでも、今になって、もともと日本国民は・・・と言い出すくらいなら、初めからそれを言って、だから政府は何もしなくて大丈夫なんだと、むしろ、政府はやりすぎだと批判してもおかしくなかったはずではないでしょうか。政府はダメだけど国民は頑張っている・・・それは確かに、耳に心地よく響きますが、本当に政府がダメなら、いくら国民が頑張っても、それだけで物事が進み収まっていくはずもありません。

 

それでもやっぱり日本政府はダメだと言い張るなら、それを長く記憶しておいて次の選挙に活かせば良いでしょう。期待できる人・政党がないというのであれば、どうぞご自分が立候補し政党を立ち上げてくださいな。そうして支持者を集め、日本を変えていけばよろしいでしょう。大切なのは言行一致、有言実行です。

 

一体何だろうなあと思います。

 

 

我が国日本は(そりゃ不完全かもしれませんが)民主主義制度に則った議院内閣制の国です。共産主義・一党独裁体制の国ではありません。

 

政府首脳も官僚も地方組織の役人も、皆それぞれ国民と繋がっています。かつ、それぞれの立場で、出来る範囲のことを精一杯やってると思います。

 

そりゃ中には、使えない人や不届き者だっているでしょう。地方自治体の首長にしろ役所の職員にしろ同じことです。けれども、それを言うなら、国民の中にだってやはり不心得者はいます。

 

そこに引きずられて全てを悪く言うのは決して正確ではないし、それを聞くのも楽しいことではありません。

 

「オトモダチ」とか「忖度」とか、「疑惑」とか「陰謀」とか、そういうことを言って真実に迫ったつもりになるのは、もうそろそろ止めにしませんか。何故って、そのどれもが言ったもん勝ち、否定の証明ができないモノじゃないですか。

 

 

映画『新聞記者』には、新聞記者が発するこんな台詞がありました。

 

このままでいいんですか。

私達、このままでいいんですか。

 

製作者の意図として、この「私達」は、「政府の悪行」を知ろうとせず糾弾しようともしない国民一般を指し、その「反省」を促しているつもりなのでしょう。

 

けれどもワタクシ、全編観終わった瞬間、もっと狭く、まずは(望月衣塑子さんはもちろん)新聞記者の皆さんこそが「私達」の在り様を見つめ直して頂戴、とか、ちょっとため息が出たもんです。

 

そして今、ネット空間で(言いっ放しの)「表現の自由」を謳歌している皆様にも(もちろんワタクシ自身にも、ですが)、同様の沈思黙考が必要だろうな、なんて思っている日々でございます。

 

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例によって、武漢ウイルス・武漢肺炎に関する種々諸々。

 

 

⚫政府、新型コロナウイルス感染症対策本部から。感染予防・抑制だけ考えれば全世界からの入国を制限した方が良いに決まってますが、その分、わるい影響を及ぼす範囲も広がりますので。PCR検査も同じく、付随する問題一切頓着しなくて良いのであれば、全ての国民一斉に検査して隔離でも何でもするでしょうよ、です。

 

「先週、WHO(世界保健機関)が欧州がパンデミックの中心となった旨を発表するなど、欧州において新型コロナウイルス感染症の拡大が続いております。そこで、今般、感染者数が拡大し、感染症危険情報をレベル3の渡航中止勧告に引き上げた、イタリア、スペイン、スイスの一部地域及びアイスランドについては、入管法による入国拒否対象地域に追加することとし、明日19日午前0時から効力を発生させるものとします。
 加えて、現在の感染拡大の状況等を踏まえ、シェンゲン協定全加盟国を含む欧州諸国はもとより、イラン及びエジプトの38か国について、更なる検疫の強化が必要と判断いたしました。これらの国々からの入国者に対しては、検疫所長の指定する場所での14日間の待機要請及び国内における公共交通機関の使用自粛要請を行うことといたします。併せて、措置の実効性を担保し、入国希望者の総数を抑制する観点から、これらの国において発給された一次及び数次査証の効力を停止するとともに、査証免除措置の適用を順次停止いたします。今後手続きを進め、21日午前0時から運用を開始し、まずは4月末日までの間実施することといたします。
 なお、現下の世界での感染拡大状況に鑑み、本日、全世界を対象に、感染症危険情報レベル1を発出し、国民の皆様に、地域を問わず、全ての海外への渡航の是非又はその延期の必要性について注意喚起することといたします。

 

 最後に、これまで開発を進めてきたPCR検査の簡易検査機器も、本日、2種類の機器について開発が完了し、今後、活用していくことを決定しました。そのうちの1つは、これまで6時間近くかかっていた検査を1時間程度に短縮するものであり、今後、医療機関等での簡便かつ迅速な検査が可能となります。引き続き、検査体制の充実に努め、感染拡大の防止にも全力を挙げてまいります。

 

※首相官邸:令和2年3月18日 新型コロナウイルス感染症対策本部(第20回)

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202003/18corona.html

 

 

⚫厚生労働省から。滅多矢鱈に検査しても意味がないとか、むしろ医療崩壊に繋がりかねない可能性とか、それなりに理解は進んだようですが、何かと批判も多いPCR検査。やっぱり少な過ぎると思うか、実は結構やっているんだと思うか、人それぞれでしょうけど。

 

・2月18日~3月19日までの国内(国立感染症研究所、地方衛生研究所等)における新型コロナウイルスに係るPCR検査の実施件数は、37,726件※。3月20日分は、現在集計中。
※3月19日までに自治体等から回答があった数の合計であり、順次アップデートされるため、数値が変動する。

 

※厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の現在の状況について(令和2年3月21日版)

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10356.html

 

連日連夜、TVに出まくっているという噂(ワタクシ、TVあまり視ないのでよく知りませんけど)のあの人やその人は、番組スタッフの描くストーリーにはまってくれるから好き勝手喋っているだけで、要は暇な人。専門家だと紹介されているにしても、既に第一線を退いた頭の古い人か、あるいは、学会で使い物にならず弾き出された人かのどちらかです。まともに聞いちゃいけません。

 

 

⚫いつも出しているヤツですが、死亡者数順で。(3月21日現在)

 

 

死亡者数に関しては、(中国を除いて)そうそう誤魔化せるものでは無いと思うんですが、それでも「日本では武漢ウイルス感染を疑われてもいちいち確認することなく、通常の肺炎による死亡として処理している」なんて書いてあるものを読んだ日には、さすがに言葉を失いました。

 

 

同じく全世界に関する数字。感染後、回復した人が88%、死亡は12%です。たくさん検査して無症状・軽症感染者を発見すればその分死亡率は下がるわけですが。

 

 

こちらイタリア。死亡は44%。医療崩壊の恐ろしさを如実に語っています。

 

 

※eorldmeter:coronavirus

https://www.worldometers.info/coronavirus/

 

 

⚫これも前回ご紹介したモノ。今回は期間を区切って表示してみました。1月末の段階で既に欧米・豪州にも拡散していたことが分かります。

 

 

 

※Nextstrain:ncov/1月23日-1月31日

https://nextstrain.org/ncov?dmax=2020-01-31&dmin=2020-01-23

 

 

⚫イタリアの状況とそこから汲み取れるももの、という意味でなるほどなと思った記事。加えて海外から冷静に見た日本という観点からも興味深いです。

 

新型コロナウイルスの影響で混乱が広がり、世界はカオス状態に陥っている。いつまで隔離状態を維持する必要があるのか。パンデミック(世界的大流行)はいつピークを迎えるのか。株価はどこまで暴落するのか──。答えの出ない多くの疑問が、人々の不安をかきたてる。

 

しかし、ひとつはっきりしていることがある。それは高齢者ほど新型コロナウイルス感染症「COVID-19」による死亡率が高いことだ。若者は感染してもまったく症状を示さない可能性があり、高齢者にとって極めて危険な状況にある。若者は気付かないうちに高齢者に新型コロナウイルスを感染させてしまう可能性があるからだ。

 

特に被害が集中しているイタリアでは、世界で最も多くの死者が出ている。多数の患者に対応しきれない医療現場では、命を助けられる患者を選別する苦渋の決断が迫られる状態が続いているほどだ。

 

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高齢化社会が、必ずしも新型コロナウイルス感染症のアウトブレイク(集団感染)で壊滅的な被害を受けるわけではない。例えば、人口の28パーセント以上が65歳以上の日本を見てみよう。世界保健機関(WHO)によると、3月16日時点でイタリアで確認された感染者は24,747人、死亡者は1,809人だが、日本で確認された感染者は814人、死亡者は24人だ。日本は香港やシンガポールなどの近隣諸国とともに、アウトブレイク初期に検査体制を急速に増強し、厳格な渡航規制を実施した。

 

イタリアの事例を活用すれば、今回のパンデミックと戦うための実用的な措置を講じることができると、ダウドは考えている。高齢者のいる地域を特定し、「医療機関への負担が最も大きくなる場所に少し先回りすること」を試みることができるかもしれない。

 

※WIRED:イタリアが新型コロナウイルスの“激震地”になった「2つの理由」と、見えてきた教訓

https://wired.jp/2020/03/20/why-the-coronavirus-hit-italy-so-hard/

 

 

⚫現時点でのまとめとして、大変良い記事だと思います。

 

2月後半、1日の報告件数が10人、20人と増えだした。これに対して、日本政府は在宅勤務の推奨、大型のイベント自粛、休校を要請した。

患者数の推移を海外と比較すると、日本は地域を封鎖したり、移動制限や外出自粛を強要したりすることもなく、何とかよく持ちこたえていると思う。これは政治決断の効果でもあり、日本人1人1人ができることをやっている成果であるとも思う。

今後は、患者数の推移を慎重にみながら、屋外や換気を十分するといった条件で、社会活動を少しずつ再開してもよいのではないだろうか。とはいえ、大規模イベントや、今までクラスターのあった場所での活動の再開は慎重にするべきである。

危機管理の基本は、初動において厳しい対応をして、様子を観ながら徐々に緩めるのが鉄則だ。

 

※Forbes JAPAN:日本で新型コロナが「感染爆発」しない理由

https://forbesjapan.com/articles/detail/33158/1/1/1

 

 

⚫山中伸弥さんが武漢ウイルスに関するサイトを立ち上げてます。必ずしも「最新情報」というわけではありませんが、未知なるウイルスについて努めて冷静に捉えようとしていることが伝わってきます。

 

◯3つの顔を持つ新型コロナウイルス

 

新型コロナウイルスに感染しても、多くの場合は症状が出ないようです。これが一つ目の顔です。症状が出る場合も、80%くらいの人には牙をむきません。咳や発熱など、よくある風邪のような症状を引き起こします。これが2つ目の顔です。感染しても無症状だったり軽症のため、多くの人は新型コロナウイルスに感染しても気づきません。また去年の暮れに突然出現したウイルスであるため、私たちは新型ウイルスに対する免疫を持っていません。したがって、気づかないうちに感染が広がる可能性があります。一方で、発症者の20%くらい、特に高齢者や糖尿病などの持病をお持ちの方には、同じウイルスが牙をむいて襲い掛かります。肺炎が急速に悪化し、多くの場合、人工呼吸が必要となります。80歳以上の感染者では致死率が10%近くなると考えられます。これが3つ目の顔です。普段は鳴りを潜めて多くの人に感染し、抵抗力の弱い人に感染すると豹変する、非常に厄介なウイルスです。

 

◯インフルエンザとの違い

 

毎年冬になると流行するインフルエンザ。年によっては1000万人以上が感染し、インフルエンザがきっかけで1万人近い人が亡くなります。しかし4月5月になり暖かくなると、ほとんどのインフルエンザ感染は急減します。新型コロナウイルスも暖かくなると勢いが弱まるかはわかっていません。ただ常夏のシンガポールでも感染が広がっていることを考えると、あまり期待しない方が良さそうです。インフルエンザがきっかけで多くの人が亡くなっていますが、ウイルス感染そのもので亡くなる方はあまりいません。高齢者や免疫力の弱っている方がインフルエンザに感染すると、それがきっかけで細菌性の肺炎になったり、持病が悪化して亡くなる方が圧倒的に多いです。一方で、新型コロナウイルス感染で重症になる場合、ウイルスによる肺炎が急速に悪化するのが特徴です。またインフルエンザウイルスは、毎年少しづつ姿を変えてやってきます。しかし、変わっていない部分も多いので、多くの人は多少の免疫は持っており、感染しなかったり、感染しても症状が軽くて済んでいると考えられます。一方で、新型コロナウイルスは人類が初めて経験するウイルスであるため、これまでに感染した人以外は、誰も免疫を持っていません。

 

※山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

https://www.covid19-yamanaka.com/index.html

 

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「皆大騒ぎしてるけど、暖かくなれば終息するんでしょ」なんて高をくくっていたワタクシですが、日本国内はともかくとして、世界の状況を鑑みるに、残念ながら予定通りのオリンピックはもう無理ですね。もはや、何時、誰がそれを言い出すかという問題だなと。

 

ともあれ、

 

1. 換気の悪い密閉空間

2. 多くの人が密集する場所

3. 近距離(互いに手を伸ばせば届く距離)での会話や発声

 

は避けましょう。

 

自分が感染しない、人を感染させない、ことに努める他ありません。