巷では「コロナ疲れ」「コロナ鬱」なるものも喧伝され始めたようで・・・
かく言うワタクシも、それなりに嫌気が差してきたので、ここはひとつ「夢の世界」に逃避でもしようかと。
しかしながら、時節がら映画館もちょっと微妙なんで、某レンタルショップで目に付いたこちらの作品をDVDで鑑賞。
『コンテイジョン』2011年、米国です。
香港出張からアメリカに帰国したベスは体調を崩し、2日後に亡くなる。時を同じくして、香港で青年が、ロンドンでモデル、東京ではビジネスマンが突然倒れる。謎のウイルス感染が発生したのだ。新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていった。
米国疾病対策センター(CDC)は危険を承知で感染地区にドクターを送り込み、世界保健機関(WHO)はウイルスの起源を突き止めようとする。だが、ある過激なジャーナリストが、政府は事態の真相とワクチンを隠しているとブログで主張し、人々の恐怖を煽る。その恐怖はウイルスより急速に感染し、人々はパニックに陥り、社会は崩壊していく。国家が、医師が、そして家族を守るごく普通の人々が選んだ決断とは──?
※ワーナー・ブラザーズ公式サイト:コンテイジョン
→https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=3292
・・・というお話でございます。
ちなみに、コンテイジョン=CONTAGION≒接触(感染)という意味ですね。
映画は・・・「Day 2」女性が電話中に咳き込む、「Day 3」香港、ロンドン、東京でそれぞれ一人ずつ、「Day 4」米に帰国した件の女性とその息子が死亡、「Day 5」以降、母息子が住むミネソタと母の不倫相手が住むシカゴでクラスター感染発生、ほどなくしてアウトブレイク、やがてパンデミック・・・と日を追っていくスタイル。
内容としては、感染源・経路を特定するため奮闘するWHO:世界保健機関(の現場の人)、発症者の足取りから接触者を追って感染拡大の防止に努めるCDC:全米疾病対策センター(の現場の人)、ウイルスの分離培養、ワクチン開発をすすめる研究チーム(の現場の人)、など個々人の頑張りを描いています。
「Day 18」になると、無責任なネット情報に惑わされた人々による略奪・暴動が始まったりして、その後は、経済(ワクチン開発・製薬会社)・社会(学校休校・医療崩壊)・政治(都市封鎖・情報開示)的要素などなど、いろんなものが絡んできます。
劇中「MEV-1」と名付けられたウイルスは、接触感染で呼吸器系および中枢神経に侵入。潜伏期間は3〜4日と短く、発症すると呼吸困難や劇症性脳炎を起こし、致死率20%台という設定です。
全体のトーンとしては、変に煽るのではなく、淡々とした切り回しでして、それだけに、却って恐怖感がありました。なかなかに良い作品だと思います。
で、これは、映画の中でCDC職員が接触感染について説明したくだりです。
人間は普通 日に2000〜3000回顔を触る
起きてる間 1分に3〜5回
その他 ドアノブにも触るし 水飲み器 エレベーター 人の手
それらが“媒介物”に
マスクも良いけど「まずは手洗い」たる所以ですね。
もうひとつ。これは、別のCDC職員でもう少し上の人のセリフ。
対応不足で死者が出るより 過剰反応と言われるほうがいい
ふむふむ。担当部局としては、まあ当然の発言でしょうか。
映画のキャッシコピーは・・・
【恐怖】は、ウイルスより早く感染する
・・・でございまして。
未知のウイルスによる感染症。怖いのはウイルスそのものではなく、人々の反応の方なんだな、ということですね。
こちら、トレーラーです。
今、この新型コロナウイルス禍の、そもそもの出処である中国政府はWHOを抱き込んで、何とかその責任から逃れようと画策しています。
有効な対策を打つために必須の、初期段階における感染経路・症状等を未だに隠蔽したまま、ここに来て、日本・韓国を感染拡散国として「仲間」に引き入れようとし、あわよくば「日本にこそ、より重い責任がある」という印象を国際社会の中に植え付けようと画策しています。
日本・中国・韓国を必ずしも別のものとは捉えていない節のある欧米の人々は、うっかりすると、簡単にその策略に乗せらてしまうかもしれません。
海外のメディアが日本を含め他国を批判的に伝えるのは、まあ普通のことですが、日本国民がそれに付き合う必要なんてないでしょ。
それらを(往々にして一部を切り取って)輸入してまで、我が国を、我が政府を、我が総理を攻撃する、あるいは、各々が自説にこだわる・・・
そんなことをしてて、つまりは中国政府やWHOに塩を贈ってどうするんです?
「緊急時だから」と軽々に言う、そんな人こそ、緊張感の欠片もない。
「最悪を想定して」と簡単に言う、そんな人こそ、最悪の何たるかを解っていない。
政府にはどうすることもできない、というほどの最悪を想定して(!)、例えば3ヶ月分の食料を蓄え、感染を防ぐため家に引き篭もっている人なんて、どこにもいませんよね?
と、何やら胸が苦しいワタクシです。別に恋してるわけじゃございませぬ。
でも「和の心」は恋しいです。
と言わずにはいられません。
ああ、だめだ。やっぱり胸が苦しい。
閑話休題、
豊橋市では『だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!』というコミックが、新型コロナウイルスなんて目じゃないよくらいの話題になってます(←ほぼファクト)。
※竹書房:だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!(1)
→http://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/2064901
売り切れ入荷待ちとなった書店もあります(←この目で確かめた、まじファクト)。
何なら、他地方から持ち込まれた『だも豊』が、マスク、トイレットペーパーと物々交換されてるという噂もあります(←思いついただけのフェイク)。
そんなわけで、増刷が決まりました(←ちゃんとウラも取ったファクト)。
これは、著者さんのツイート。
→https://twitter.com/sttae/status/1235082074836496385
で、何なのって、つまり・・・
「だもんで日本が好きって言っとるじゃん!」
・・・みたいな、そこだけは間違えないでほしいなあ、と、そういうことですね。
「可愛さ余って憎さ百倍」あるいは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式の反応はちょっとみっともないし、なるべくしないよう気をつけたいなと思っているところです。
そんなわけで、今回は「いやいやアナタ、現実逃避するつもりが、半端に直視してしまいましたね」というだけのお話でして、大変失礼致しました。
でもまあ、善悪正邪・清濁美醜、どちらも併せ持つのが人ですから。逃避と直視、悲観と楽観が同居するくらい、許してくださいな。
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以下資料。
新型コロナウイルス感染症については、これまで水際での対策を講じてきていますが、ここに来て国内の複数地域で、感染経路が明らかではない患者が散発的に発生しており、一部地域には小規模の患者クラスター(集団)が把握されている状態になっています。しかし、現時点では、まだ大規模な感染拡大が認められている地域があるわけではありません。
感染の流行を早期に終息させるためには、クラスター(集団)が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要であり、徹底した対策を講じていく必要があります。また、こうした感染拡大防止策により、患者の増加のスピードを可能な限り抑制することは、今後の国内での流行を抑える上で、重要な意味を持ちます。さらに、この時期は、今後、国内で患者数が大幅に増えた時に備え、重症者対策を中心とした医療提供体制などの必要な体制を整える準備期間にも当たります。
このような新型コロナウイルスをめぐる現在の状況を的確に把握し、国や地方自治体、医療関係者、事業者、そして国民の皆さまと一丸となって、新型コロナウイルス感染症対策を更に進めていく必要があります。
※厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について
→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
上のページには、これ以外にも種々資料がありますが、とりあえず2点だけ。
→https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601720.pdf
→https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf
⚫ワタクシ的に、興味深いなと思った記事。
感染者数の多寡を言うと、必ず検査件数が云々という反論が出る。でもって、互いにどっちがどうだと非難合戦を始める。そこは洋の東西を問わないようで。
「4000件の検査がすでにおこなわれている」。イタリアは「入念で厳格な検査を実施することを決定した欧州で最初の国だ」「したがって、もし同じくらい厳格な検査をほかの国で実施したら、その国でも数字が増える可能性は排除すべきではない」。コンテ首相はこのように結論し、大きな議論を巻き起こした。
※COURRiER JAPAN:伊メディアが分析【新型コロナウイルス】なぜイタリアでこれほど感染が広がったのか?
→https://courrier.jp/news/archives/192395/
猛烈ざっくり言えば、何処の国にも、どんな分野の専門家にも、新型コロナ「めっちゃ怖い(指数関数的成長)派」と「そうでもない(基準率)派」とがいるよ、というお話。
政治学者のフィリップ・テットロックは、「超予測者」といわれる、一般の人より予測力が高い人の研究で知られる。そのテットロックの研究によれば、基準率をもとに思考する人の方が、専門家の知恵より当てになることが多いという。世界のほとんどは、たいていの場合、あまり変化しない。だから、大雑把に歴史を振り返って事象が起きる確率を考え、問題をあまり構造的にとらえないほうが、うまくいくのだ。
ただし、基準率をもとに考える方法が、あきらかに通用しない場面もある。たとえば2008年の金融危機のような、きわめて異例の出来事に対しては、基準率をもとに思考していると、かえって予測能力が曇ってしまうのだ。2014年の時点で、基準率をもとに考えていたら、ドナルド・トランプ大統領誕生を予測できなかったのは間違いない。
※COURRiER JAPAN:経済学者タイラー・コーエンが「新型コロナ論争」を分析「ビル・ゲイツが新型コロナウイルスを本気で心配」その理由を説明します
→https://courrier.jp/news/archives/193074/
同じ東三河人として、恥ずかしいやら情けないやら。どたわけで、どっとろくて、どイカン人の話。
「自分は陽性だ」「うつしてやる」
※CBC News:
「コロナ菌をお前らにうつしてやる」感染者が飲食店へ 愛知・蒲郡市
→https://hicbc.com/news/article/?id=0004D33A
それでも、多くの人は成り行きを受け入れ、日々を賢く過ごしているんだな、とちょっとほっとする話。
新型コロナウイルスの影響で、イベントの中止や施設の休館が相次ぐ中、愛知県豊橋市の豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」は通常通り営業、7日も行き場をなくした家族連れでにぎわいました。
※中京TVニュース:感染リスク低い屋外にぎわう 愛知・豊橋市「のんほいパーク」
→https://www2.ctv.co.jp/news/2020/03/07/84018/
⚫「ソコだけ、ソレばっかり」に陥らないために。
※ロイター:情報BOX:新型コロナウイルスを巡る海外の状況(7日現在)
→https://jp.reuters.com/article/coronavirus-overseas-idJPKBN20T2ZB
⚫最後に、一応数字を。
3月7日現在。各国検査件数の違いとか、公表数字の信用度とか色々ありますが・・・
感染しているけど軽症という人が86%。感染後回復したという人が94%います。
イラン、イタリア両国、致死率の高さが気になります。いわゆる劇症化の顕れなのか、あるいは、検査が死亡者、重篤者、軽症者の順に行われているからなのか、ちょっと判りません。
(リンク先、日々更新されます)
こちらも検査件数(というか検査方針?)が都道府県ごとに違っていたりしますのでご注意を。居住地ベースで言うと、愛知県はいつのまにか2番目。ハワイ由来の感染者がいることをお忘れなく。
→https://gis.jag-japan.com/covid19jp/
(こちらもリンク先、日々更新されます)
⚫おまけ。『コンテイジョン』特典映像にあったもの。つまりは「よく手を洗ってね」ということかな?