唐突ながら、先頃、自民党がこんなポスターを制作・発表したそうで。

 

 

 

〜〜〜どちらも「憲法改正の主役は、あなたです。」をメインのキャッチコピーとしており、今回のポスターを通じて、憲法改正が国民の皆さまの手で行われるものであることを、あらためてPRします。

 

※自民党:憲法をテーマとするポスターを発表 キャッチコピーは「憲法改正の主役は、あなたです。」

https://www.jimin.jp/news/activities/140936.html

 

・・・とのこと。

 

なるほど「主役は、あなた」つまり「一人ひとりの国民」の意味なんでしょうけれども、でもって、実際、そのとおりなんですけれども。

 

ちょっと意地の悪い読み方をするとですね、政党として掲げるにしては、やや腰が引けてると言うか、責任転嫁と言うか、他人事モードと言うか、若干そんな匂いが漂っている気配もしたりして。

 

 

「話し合おう!考えよう!」「さあ、みんなで考えよう。」って呼びかけるのは、そりゃ良いんですよ。でも、そしたら、国会、都道府県議会、市町村議会を問わず、

 

まずは自民党代議士の皆さんが、街頭演説であれ、対話集会であれ、報告会であれ、率先して憲法改正の話を振ってくださいよ。何が必要かを訴えてくださいよ。

 

です。

 

 

平成時代(?)の話ですが、地元でこんな集会がありました。

 

(→https://www.facebook.com/events/337128796810683/

 

 

 

地方都市開催にも関わらず、会場には300人ほどが集いました。そこは、素直に「凄いなあ」と感心したもんです。

 

が!

 

多少、いや、かなり不愉快な気分もありまして。

 

 

この手の集会と言えば、駆けつけた議員さんの紹介・挨拶がお約束でして、それ自体は別に構わないんだけれども、皆さん、何故か「おめでとうございます」って口を揃えるんですよ。

 

それはたぶん、主催者さん(一応一般市民。というか、ちょっとした知り合い)に対する労い、もしくは褒め言葉で「たくさんの人が集まって良かったですね」くらいのつもりだったんでしょう。

 

でも、ワタクシ的には猛烈違和感「それで良いのか?」と思ってしまったわけです。

 

代議士(政治家)が「憲法改正を考える」場において、そんな「招かれた客人」然とした言葉を発してどうするの? ここは「憲法改正への決意を新たにしました」とか言うべきところでしょ! って感じでした。

 

 

さて、

 

この正月、安倍さんは・・・

 

 未来をしっかりと見据えながら、この国のかたちに関わる大きな改革を進めていく。その先にあるのが、憲法改正です。令和2年の年頭に当たり、新しい時代の国づくりへの決意を新たにしています。

 

※首相官邸:安倍内閣総理大臣 令和2年 年頭所感 

http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0101nentou.html

 

・・・と、改めて仰いました。

 

けれども、国会議員はもちろん、大抵のマスメディアは、例によってほぼスルーです。実のところ、真面目に議論すれば、日本国憲法は改正せざるを得ないと知っているからでしょう。ホント、困った人達です。

 

でもって、他ならぬ自民党までもが「主役は、あなたです。」とか言って逃げを打ってる(ように受け取れる)わけで、もう、何だろうなあ、です。

 

 

そもそも、いくら「主役は、あなたです。」なんて言って持ち上げられても、実際問題として、国会でその発議をしてもらわないことには(少なくとも、それが現実に有り得るという見通しが立たなければ)、「わたし(たち)」は憲法改正の舞台に上がれないんですから。

 

 

というわけで、はっきり言います。

 

自民党(と維新、と一応公明、と国民民主の一部)国会議員の皆さん、憲法改正の(発議をするところまでの)主役は、あなたです。

 

今後は、何時でも何処でも憲法改正。二言目には憲法改正。それにつけても何につけても憲法改正。そういう姿勢でお願いします。

 

いい加減本気出して、政治「屋」ではなく、代議「士」であるところを見せて頂戴。

 

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こちら、前回記事に関連して・・・
 
〈「議論の掟」という題名で、論破術指南本の嫌な本みたいに受け取られてしまうのが少し残念ですが〉
 
・・・というコメントとともに、アローンさんが紹介してくださった本です。
 
 
で、早速書店へ。
 
アローンさんも言われるとおり、タイトルや帯を見ると、ディスカッションに関するハウツー的な中身を想像させるのですが、その主眼はむしろ・・・
 
 言葉は国民性にも大きな影響を与えており、私たちは日本語に自分たちの考え方を規定されている。日本人だけで仕事をするならまだしも、すでに時代は変わっている。私たちは日本語を理解して、その特徴を客観的に知り、国際化が進む中で日本語の枠を乗り越える工夫をしなければならない時に差し掛かっている。今は日本の未来を決するほど重要な時期だと考える。
 
 そのためには、まず私たちが日本語のどんな要素に、自分たちの考えが縛られているかを知らなければならない。外国語を学ぶ必要まではないが、どこに問題があるかを知ることが必要だ。〜〜〜(「おわりに」より)
 
・・・というところにあるようでして、日本語論、あるいは比較言語文化論と言う方が良いかもしれません。
 
著者さんによれば・・・
 
 そこで、本書のテーマとして「議論」を選んだ。なぜなら、いま日本で起こっている社会問題の多くが、議論が機能していないことから生じているからだ。たとえば、問題を先送りして起こった企業の不祥事は、議論が効果的におこなわれなかったことが原因である。あるいは、安倍政権におけるモリカケ問題も、結局は、国会の場でまともな議論ができなかったという問題だ。沖縄基地移転問題も憲法改正も、煎じ詰めれば議論の問題に行き着く。
 
 読者にはまず日本語の問題点を理解していただきたい。私たちがいかに日本語という存在に拘束され、そのために私たちが思い描く議論がなされていないかを知ることが第一歩だ。拘束から脱出するためには、まずその拘束の原因を知ることが必要である。それさえつかめれば、日本語で国際化に負けない議論を実行し、再び日本がトップランナーたる力を取り戻すことが可能になるはずである。(同)
 
・・・だそうでして。
 
その場でパラパラと斜め読みしたところ、それなりに面白そうだったし、給料日(ワタクシ、毎月10日です)直後ということもあって、つい、うっかり、購入してしまいました。
 
はい、上手いこと今日の記事内容に繋がりましたね。えへへ。
 
 
にしてもこの本、一応「ビジネスー自己啓発」の棚にあったんだけれども、中身的には合ってるような、やっぱりちょっと違うような、う〜ん・・・
 
 
そんなわけで、目次紹介しておきます。
 
はじめに

第1章 議論が苦手な日本人——年功序列と発言権
社歴の長い人の発言が優先される
〝協調〟を重視する日本語教育
反論は「上から下」にのみ許される
「debate」と「議論」
ディベートは日本人に向かない
日本語の〝極意〟は語尾を濁すこと
ゴーン氏と日本人の「調和」の精神
日本人とアメリカ人の自己紹介の違い
「経験」はスキルの一つにすぎない
「根回し」が不可欠な「日本型議論」
第2章 「寒いね」が通じない——日本語と英語の断絶
日本語には疑問形がない
「そうなんですね」への違和感
「寒いね」と「寒いよ」
「知らないね」の暴力性
情報の「なわ張り」
議論の場における「ね」と「よ」
英語による議論と日本語の議論
「それはペンか?」と「それはペンか! 」
日本語の質問は「判断の委託」
質問をはさむと発言権を失う?
「大リーグ」と「プロ野球」の違い
「気遣い」としての質問
立場を曖昧にする終助詞
質問することは「反対」の意思表明
「日本型議論」のかたち
第3章 「わからせる」と「察してもらう」——欧米型議論と日本型議論
日本語に主語がない理由
バイト先のマニュアルで敬語を学ぶ
消えゆく尊敬語と謙譲語
「ご意見」と「愚見」のせめぎ合い
「それ」と〝 it〟
英語における「情報のなわ張り」
日本語における「情報のなわ張り」
「わたくしは賛成だぜ」
反論されると腹が立つ理由
日本語の〝省略〟の妙
終助詞と共有情報
論理が英語圏のルール
英語は「わからせる」
日本語は「察してもらう」
日本人がうなずくもう一つの理由
「決める」と「まとめる」
第4章 なぜ会議が機能しないのか——日本型議論の功罪
「空気」が会議を支配する
オリンパスはなぜ「飛ばし」を止められなかったか
結論は会議の前に出ている
オープンな議論を主張した民主党政権の失敗
修学旅行はどこに行く?
伝統的な日本型リーダーシップの条件
ウチとソトの力学
「パワーハラスメント」と「パワハラ」の違い
会議から敬語を排除できるか
「説教の場」と化す会議
ポスト「年功序列」社会に向けて
第5章 会議を変える——新しい議論のかたち
議論の障害となる「文法的要因」と「構造的要因」
会議に「偉い人」を入れない
知識のない第三者を参加させる
「単に集まる場」を作る
英語を会議の公用語にする利点
稚拙な英語でかまわない
明確な目標を設定する
言葉を簡素化する
意見をカード化して「勝ち抜き方式」で決める
自分で自分の意見を批判する
議論は「ゲーム」である

おわりに——国際化に立ち向かう「言葉の力」

 

 

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こちら、旧ブログの憲法関連記事です。よろしければ読んでやってください。

 

#274 それでも「護憲(改憲阻止)」ですか?