最近、自動車業界を揺るがしている、自工会(日本自動車工業会)の佐藤会長による「カレンダー見直し」の発言。

 

2027年度からゴールデンウィークなどの大型連休の中日を稼働日にして、祝祭日を休みに変えていくというアレだ。

Threadsなんかを見ても、現場からは非難轟々。そりゃそうだ。

「祝日に休みたきゃ有給使えよ!そのための有給だろ」

 

現場の本音はこれに尽きる。

 

そもそも、これまでの「祝日は休まず稼働して、その分連休を長くする」というトヨタカレンダーは、製造業として、そして設備効率として究極の合理性を持った「最高傑作」だったはずだ。

何より、世間が働いている平日に、一足早く空いている観光地へ旅行に行けるあの快適さは、現場で泥臭く働く人間にとって最大のメリットであり、密かな特権でもあった。

 

それを、ここへ来て全否定。

 

経営陣の言う「真意」とやらは、分からなくもない。

「少子高齢化で若者が入ってこない」

「下請けの部品メーカーが人手不足で潰れかけている」

「だから世間並みの祝日休みに変えて、業界の魅力をアピールしなきゃいけない」

要するに、若者に媚び、手をつないで「うちの業界はホワイトですよ」とアピールしなければ、あと10年もしたら工場を回す人間がいなくなるという、経営陣の極限の焦りだ。

 

だけど、どうしても言いたくなる。

 

「じゃあ、今まで現場を支えてきた俺たちのメリットはどうなるんだ?」と。

これまでの歴史を振り返れば、怒りを通り越して虚しさしか残らない。

今のこの深刻な「40代の空白」と人手不足を作ったのは、一体どこの誰だ。

90年代後半からの就職氷河期、目先のコストカットのために新卒採用を極端に絞り、現場の人間を使い捨てのように扱ってきたのは、当時の政府と企業(経営陣)じゃないか。

 

自分たちが過去に人を育てず、種をまかなかったツケが、今になってブーメランとして返ってきているだけの話。

それなのに。

あの地獄のような就職難をサバイブし、入社してからも「代わりはいくらでもいる」と叩き込まれ、滅私奉公で会社と現場を支え続けてきた氷河期世代が、ベテランになった今、またしてもその尻拭いをさせられようとしている。

若手が辞めないようにと気を遣わされ、カレンダー変更による設備起動のトラブルや生産計画の組み直しという「一番面倒で泥臭い実務」を丸投げされるのは、いつも現場の中核にいる俺たちの世代だ。

ようやく少し年齢を重ねて、連休の恩恵を感じられる立場になった途端に、その特権すら「若者のため」という大義名分で取り上げられる。

 

上の「逃げ切り世代」は過去の失策の責任も取らずに知らんぷり。

下の「ゆとり・Z世代」は条件が悪けりゃ平気でソッポを向く。

その板挟みになって、崩壊しかけている日本のものづくりの現場を必死に支えているのが、今の40代後半のベテラン層だ。

結局、最初から最後まで、社会の構造変化の「しわ寄せ」をすべて押し付けられるのは、いつも俺たちの世代なのか。

 

「もうやってられない」

 

そう吐き捨てたくなるのを、一体誰が責められるだろうか。

企業の存続がかかっているのは分かるが、これまで文字通り会社を支えてきた人間をすり減らし続ける改革に、私はどうしても納得がいかない。