妻がキッチンドリンカーになってしまう時
アルコールは良い面、悪い面がある諸刃の剣です。
良い面としては、社会生活を送る上での潤滑油となり、恋人同士でロマンチックな時間を過ごすこともできます。また、少量の飲酒は心血管系に良いなど健康上の効能もあります。
アルコールの悪い面は、急性中毒、依存症、飲酒運転、暴力行為など様々な問題があることです。こうした問題には誤解されやすい点もいくつかあります。例えば、「アルコール依存症は心の病気」だという意識があまり無い方もいるかもしれません。
アルコール依存症は男性に多いとは言え、女性にも起こります。今回は、アルコールの問題として、特に「キッチンドリンカー」と呼ばれる、女性の飲酒問題について述べたいと思います。
■女性は男性より依存症になるのが早い?
アルコールに対する強さには性差があります。同量のアルコールを飲んでも、体内の血液量が少ない人は血中アルコール濃度がより高くなります。
女性は男性より平均的に体格が小柄で、脂肪の割合が多いので、体内血液量は少なく、アルコールの作用がより強くなる傾向があります。また、女性ホルモンは肝臓でのアルコールの分解を阻害するので、女性は男性に比べてアルコールに弱い傾向になるのです。
こうした体質的な原因で、一旦病的な飲酒を始めてしまうと、女性は男性よりも早く依存症を発症しやすいのです。これに加え、妊娠中の飲酒は胎児の成長に悪影響を与えるといった大きな問題も指摘されてます。
長期間にわたり飲酒を続けると、飲酒の量、回数に応じて、心理的、身体的にアルコールに対する依存が生じます。アルコールへの依存が重くなると、飲酒へのコントロールが効かなくなり、以下のような症状が出現して来ます。
・飲酒後の罪悪感
・最初の一杯で終わりのつもりが、とことん飲んでしまう
・飲酒中やその直後の記憶がない
・朝から飲んでしまう
・暴力行為をしてしまう
・仕事や家庭で深刻な問題が生じている
・周りの人から飲酒を控えるように忠告される
■なぜキッチンドリンカーになってしまうの?
キッチンドリンカーはアルコール依存症の一つです。もともとは、主婦がキッチンで食事の準備中に食用酒を味見しているうちに、飲酒のコントロールが困難になり、家族が気付いた時にはアルコールに対する依存が進んでしまうことを指す語として、アメリカで生まれた言葉です。日本においても同じように、社会的に認知されている語だと思います。
妻がキッチンドリンカーになる背景には、さまざまな原因の不満や葛藤が心に生じていることが挙げられます。
例えば、仕事をバリバリやっていた過去と家庭に入ってからのギャップへの戸惑い、周囲との人間関係がうまくいかない、子育てが終わり時間を持て余してしまう、夫との関係が冷えてしまったなど、自分では解決しがたいと感じたときに飲酒が気分を晴らす手段となり、飲酒に頼ってしまうことが考えられます。
■治療のゴールは断酒
アルコール依存症のみならず、一般的に、依存症の治療のゴールはその原因物質を2度と体の中に入れないことです。
心理的、身体的依存が一度形成されてしまうと、たとえ長い間、その物質から離れていたとしても、それが体に入った途端、心と体がその物質の効果を思い出してしまい、その物質に対するコントロールを無くしやすくなります。
アルコール依存症の場合は断酒がゴールとなります。自分や家族だけで解決しがたい場合は、薬物療法、心理療法、アルコールアノニマス、断酒会などの自助グループへの参加などを通じて、そのゴールへ向かって行きます。
■家族の絆が問題飲酒対策の基礎です!
断酒というゴールへ到達することはなかなか容易ではなく、依存症に対しては予防が重要です。
妻がキッチンドリンカーになるのを防ぐためにはアルコールを求める元にある妻の心に生じている不安や葛藤を理解し、家族全体で解決を探ることが重要なカギであり、以下のような対策が有効であると思います。
・妻の不満に耳を傾ける
・一緒に過ごす時間を多くするようにする
・睡眠、食欲など妻の変調を見逃さない
・家族での会話を増やす
・アルコール依存への知識を高める
夫の知らない間に妻がキッチンドリンカーになるのは無縁な出来事と考えがちですが、家族のあり方を問いかける問題であると思います。
家族のメンタルヘルスの基盤であるお互いを気遣う気持ち、相手への感謝や尊敬の気持ちはどうでしょうか? もしも、妻が普段何をしているか良く知らないといった状況なら、夫の気付かない間に妻が心の病気になっていたということは起こり得ります。
心の健康にとても重要な家族の絆。家庭ごとに習慣は異なるでしょうが、お帰りのキスの習慣があるだけでも、妻の飲酒には気付けるかもしれません。言うまでもないこととは思いますが、家庭内のコミュニケーション、スキンシップを大切にしましょう。
引用:All About
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