2632号「親に甘えることのできなかった人(改)」
砂辺光次郎
講義録2632
(2011/9/25)
ご訪問、心より感謝申し上げます。
(以前の記事ですが、読まれる方が多いので、再び記事といたします。
読者の皆様、ありがとうございました。)
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加藤諦三氏の『「安らぎ」と「焦り」の心理」』を自分なりにまとめてみたい。
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小さい頃、親に甘えることのできなかった人は、大人になっても、甘えたいという欲求がある。
そうした人は、次のような態度をとる。
まず、他人と距離をとった付き合いがしにくい。
できれば、相手と母との関係のような一体感が欲しい。
しかし相手はそうは望まない場合が多い。
したがって、一体感を求めようとしている人は、がっかりして落ち込む場合が多い。
だから、成熟した大人としては不自然な人間関係をしてしまう。
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また、子供のころに親にうまく甘えられなかった人は、いつも不機嫌である。
なぜなら、そういう人は大人になっても他人に幼児のように甘えたい。
しかし大人の世界ではそうはいかない。
だから、不満足感があり、不機嫌となる。
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また、親に安心して甘えることができなかった人は、小さい頃から、親の気に入るような態度を取るようにがんばってきている。
親の気に入るような自分にならないと、親のがっかりする顔を見たり、あるいは、自分が親に捨てられるという恐怖があった。
だから親の期待にあうような自分をつくってきた。
他人の期待に合うような自分にならないと、相手から捨てられるという恐怖感がある。
そして、自分にとってはあまりにも高い理想を、自分自身に対する義務として与えてしまう。
これがウツ病の前段階である。
他人の要求に合うように自分の生き方を決めてきたのだから、その人生が楽しいわけがない。
つらい、義務ばかりの人生を送っているだろう。
また、完全を求めすぎる。
完全主義は、神経症的傾向をあらわしており、不安に基づいている。
そして外界に関心がない。他人の話を聞かない、街の人々のちょっとした出来事などに興味がない。
無償の行為をするように、人に求める。
「損得勘定なんかするなよ。」と人に求める。
しかし本当は、自分を信じていないし、他人を信じていない。だから、本当は自分がいちばん損得勘定をしていることを感じている。
だから言動がわざとらしい。
人を管理していないと不安になる。
自分自身も管理されていないと、罪悪感がある。
自信がないのに、自分の優越を示そうとする。
排他的である。これは心の底に他者への憎しみがあるから。
権威のある人に服従しようとする。
これが、親に甘えることのできなかった人の特徴である。
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ではどうすればいいのか。
解決策は、まずは自分自身への高すぎる理想に気づくことである。
なぜ自分はこんな高すぎる理想に走っているのか、と自分に問いかけることである。
次に、高い理想を引き下げることである。
こうすることによって、肩の荷がおり、本来の自分を取り戻せるのではないだろうか。
(後日、続きを書きます。)