1253号
「楽しみながら、東大教授になり、億万長者になった人の話」
砂辺光次郎
講義録1253
(2008/07/19)
★次回以降の予定★
「運勢を上げる方法」
「ノーベル平和賞の秘密」
「本田宗一郎から教わったこと」
などです。
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(本文はここからです。)
本多清六先生は、貧乏な農家に生まれ、楽しみながら学問を積んで、東大教授になり、数百冊の本を書き、億万長者になった方です。
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若い頃この先生の生き方を知り、ご著書を何度も何度も読んで、気がつけば、私の人生はかなりこの先生の影響を受けてきたと思います。
参考になるところを書いてみたいと思います。
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本多清六先生は、少年の頃は貧しくて、米つきを手伝いながら勉強していました。
しかし一高に落ち、死のうかとも思いましたが、思い直し、今度は決死の覚悟で再度挑戦し、受かったということです。
本田清六先生の勉強方法について参考になることがあります。
まず、語学は歩きながら勉強するそうです。
歩きながら文章を何度も口ずさんで覚えるそうです。
特に、ドイツに留学したときは、最後の試験が難関なので、担当教授の著書を1冊丸ごと暗記したそうです。
それで見事合格したということです。
もうひとつあって、本多清六先生は数百冊の本を書いておられますが、その秘密は、「常に手帳を持っている」ことと、毎日原稿用紙に書いていく、ということなのだそうです。
誰でもできそうですが、じつはこの平凡なことの積み重ねが偉大な実績となったのです。
本多先生は、大学教授でありながら日本でも有数の資産家になったのですが、どのようにその資産を作ったのかと言いますと、これも非常に当たり前のことで、日々の積み重ねなのです。
収入の4分の1を貯蓄に回し、臨時収入もすべて貯蓄することにし、機会があったら投資する、この繰り返しだけなのだそうです。
ついでにお金の使い方についてですが、本多先生は、収入の4分の1は交際費に当てていたのですが、私はこれを知ったとき、けっこう多いなと思いました。
先生は非常に社交的で、留学生や生活費に困っている若者をたくさん助け、「精神的な豊かさも味わった」ということなのだそうです。
なるほどなあ、と思いました。
私が本多先生からもっとも影響を受けたのは、「仕事を楽しむ」ということです。
仕事を楽しんで、楽しんで、楽しむ。
その結果、「残りカス」として、収入がくる。
何よりも一番大事なことは仕事を楽しむことですが、それだけで十分幸福なのに、なおかつ、「カス」として収入まで頂ける、これはなんとありがたいことか、というわけです。
この「カス」として頂いた収入は、今度は周りに回転させることによって、周りを潤し、自分もいっそう楽しむ、ということになります。
「カス」といっても捨てるわけではないのです。
ありがたく頂くわけです。
頂くだけではなく、回転させるのです。
若者を育てたり、育英資金にしたり、研究のために費用として使ったり、寄付したりして、大いに善用するわけです。
また日常の生活でもたいへん参考になることがありましたので、以下記します。
たとえば、先生は、議論しても相手を負かすことはしないそうです。
それは、議論で相手を負かしても、恨みを買うだけだからです。
また、先生は睡眠5時間ですが、普通の人より2倍深く眠るので、5×2=10、ということで、他の人よりたっぷり眠っている、ということです。
先生は、社交的で、よく酒を飲み交わし、大声で歌を歌うような陽気な方です。
たとえば、早稲田大学への出張講義のときは、東大から早稲田まで歩いて行き、帰りは時にはお酒を飲んで歌を歌いながらステッキを振り回して上機嫌で帰ってきた、ということです。
元気で、明るく朗らか、社交的、プラス思考、努力を楽しむ姿勢、仕事を楽しむ生き方、若い世代を育成しようという熱い思い、そういった先生の生き方は私の大きな指針となって今でも心の中に残っています。