1203号「人生の目標について」


 砂辺光次郎

 講義録1203

 (2008/06/18)


 自分の目標を持ったとき、大事なことは、目標を紙に「書く」ことである。


 さらに、それを「声に出す」ことである。


 また、たくさん出てきた目標を、整理整頓して、「まとめる」ことである。


 この「書くこと」「声に出すこと」「整理整頓すること」は非常に大事である。


 書く、声に出す、まとめるというこの一連の作業は、目標を無意識に刻むための作業である。


 ただ単に「思う」よりもはるかに心の奥に浸透できる。


 私の経験では、まとめるときは、パソコンのワードを使うといい。保存と上書き保存と印刷ができるから便利である。


 夢をかけるだけ書いていく作業を数ヶ月間続けると、夢がたくさん出てきて、普通は、頭の中に混乱したまま入っている。

 中には、目標の数字が違っているのもある。

 たとえば、売上目標があるときは100億円、別のときは120億円というように違って書いている場合もある。


 こんなふうに、たいていの場合は、混乱していて、すっきりと頭には入っていない。


 この状態だと、無意識に命令が行かない。

 無意識には命令を一方向にしないといけない。

 ばらばらの方向では、無意識もどっちへむいていいのかわからないから、動きようがない。


 そこで、まだ統一されていない「夢」を「整理整頓してまとめる」作業が必要となる。

 まとめて、矛盾をなくし、統一するようにする。

 この作業が必要である。


 「大目標」は最初から決まっている場合もあるが、まとめているときに大目標が決まってくる場合もある。

 この大目標が「天命」である。


 「中目表」「小目標」は、「大目標」から逆算して決めていく。


 たとえば、30年間でこれこれをやると決めたら、そのためには、1年でここまでやらなければいけない、ということが決まる。

 1年でここまでやらなければいけないということが決まったら、月々の目標、日々のなすべきことが決まってくる。


 このように、大目標から逆算して、中目標、小目標を決めていくことである。


 小さい目標から積み上げていくと、天命とずれる。


 だから、まず、天命をしっかりとつかむ。

 そして、天命をつかんで離さないようにして、そこから、逆算して、年度の目標をきめ、日々の目標を決める。

 逆算が決め手である。


 大目標を描くときは、「現実を取っ払う」ことが大事である。

 現実に引きずられてはいけない。

 現実の自分の状況をすべて無視して、どーんと浮かんできた目標をそのまま「大目標」にしてしまう。


 だいたい、「実力の百倍」が本来の人生目標だと思ったほうがいい。


 自分が定めた大目標が本物かどうかの指標は、

「周りが止めても、やりたくてやりたくてしょうがないこと」であるかどうかだ。


 もうひとつは、

「そこまでやったら死んでもいい」

と思えるかどうかだ。


 そのへんがひとつの指標だと思う。

 そこまでのものであればOKだ。


 大目標が決まったら、そこに自分のエネルギーと時間を注ぐ。

 2000時間でプロ、1万時間で日本一だ。

 そのつもりでその一点に集中する。


 大目標は、生まれたときに決めた目標だから、それを思うと魂にうずきを感じる。

 努力が楽しくなる。

 そういう日々を体験するだろう。