1137号「夢の実現」
砂辺光次郎
講義録1137
(2008/05/19)
夢を実現するために、ひとつの方法を提唱したいと思います。
それは、毎日、最低一項目でもいいですから、夢を手帳に書くことです。
その手帳は、いつでも取り出せるようにポケットかバッグに入れておいたほうがいいでしょう。
継続するための方法です。
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どの成功理論にも書いてあることですが、「心の深いところで描いた夢は実現します。」
これはどんな成功理論にも書いてあることです。
夢が書けないという人もいますが、その原因は「心に葛藤があるから」ということはもう自分でもわかっていると思います。
それはわかっていることですが、それでもどんどん書くことです。
書いているうちに、あっちへぶつかり、こっちにぶつかりして、そうしてまた考えるわけです。
そうすれば反省が進むわけです。
夢を書くという作業で前進すれば、自分の心の葛藤にまた気づき、反省が深くなるきっかけができるわけです。
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夢が書けない、ということは、自信がないとか、未来に対して漠然とした不安があるとか、対人関係がうまくできないとか、心に憎しみがあるとか、自分がきらいであるとか、そういうような原因があるわけですが、それはもう自分でもわかっていると思うのです。
その状態でもとにかくかけるところまでは書くことです。
そのとき、毎日書くということがいいのです。
そのために小型ノートをすぐ取り出せるところに置くことです。
そうしないと、自分の心に負けてしまってだんだん書かなくなるものです。
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夢をどんどん書くためには、場所を変えるとか、歩くとか、人と会うとか、本や写真を見るとか、音楽を聴くとか、そういうこともいろいろ試してみるといいと思います。
都会に行くとアイデアが出る、という人もいますし、お寺に行くといい、という人もいます。
山や海がいいとか、都会の喧騒のなかがいいとか、車を運転するとか、本屋に行くとか、とにかく人によっていろいろだと思いますので、限定はできないと思います。
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夢は書いたけれども、実際には行動に移せない、という場合も多いと思います。
たとえば、ある事業を始めようという夢を描いたとします。
しかし、前と同じように億劫で体が動かない場合もあるものです。
その場合でも、その夢について毎日ノートに書いて膨らましていくことです。
その事業の内容について細かに書き、その事業を成立させるまでの途中段階を書いていきます。
そうして書いていくうちに、何かが動いていくはずです。
たとえば、自分が何かをやり始めるとか、自分が動かないのはこれこれが原因だという反省を始めるとか、新しい人と出会うとか、周りの環境が変わるとか、何かが動き始めます。
だから夢を書き続けることです。
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夢を書くときに、心が深く瞑想状態に入っていくと、いよいよ本物になってきます。
深く入っていくと、現実の壁を取っ払って、実力の百倍ぐらいの夢を描いたり、奇想天外な夢を描く場合もあります。
自分の実力を無視した夢、今までの経歴と全然関係のない夢、周りの人に言ったらきょとんとされるような夢、そういう夢が出てくる場合もあります。
自分の現実の状態や今の環境をまったく考えないで、心のおもむくままに描きたいだけ描くときにいよいよ本来の自分の夢が出てくるわけです。
心が開放されてきて、今の状況を限界と考えないで、夢が大きく膨らむでしょう。
たとえば、資金がないとか、学歴がないとか、家族の生活がかかっているとか、時間がないとか、人脈がないとか、そういう状況を全部取っ払って夢を描けるようになるでしょう。
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ただし、こういう状態になったとき、それが実は、悪霊のいたずらだったり、自分の憎しみや嫉妬心や劣等感の裏返しから来る冷たい激情であったりする場合もあります。
そこはよくよく注意する必要があると思います。ですから深く瞑想状態に入るときは、環境のいい場所を選ぶことです。
これは非常に大事なことです。
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心に深く入れないで気が散るような場合は、現実をちらちら考えてしまいます。
資金はどうするのかとか、生活費が必要だとか、いったいどこから手をつけていけばいいのだろうか、とか、そういうことを考えてしまいます。
ただそれはそれでいいと思うのです。
その場合は、具体的に実行する場合の手順などを考える材料になりますから、それはそれでメモを書いておけばいいのだと思います。
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ある六十歳代のご婦人は「歌って踊って日本中をまわる」という夢を描きました。
それはそのご婦人の現実の姿や生活をみれば、とんでもない夢の中の夢でした。
この夢をご主人に言えば、たちどころに大反対されるはずでした。
数ヵ月後、そのご婦人は地域のお祭りのときにのど自慢に出演しました。
そうしたらたまたまそこにNHKの関係者がいたのです。
偶然、知り合いになりました。
また、偶然ですが、しばらくしてから、友達が民謡を現代風に作詞してそれを見せてくれ増しあ。
それがなかなかいいので、とりあえず、知り合いになったNHKの関係者に手紙で送ってみました。
そこから話がとんとん拍子で進み、その民謡でCDデビューをはたし、さらには、NHKの応援で全国コンサート・ツアーが実現したそうです。
夢を描いてから、周囲の状況がどんどん変わっていったのです。
全国コンサート・ツアーが実現するまでに2年はかからなかったそうです。
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この例のように、夢を描くと、人と物が引き寄せられてくるようになり、舞台ができてしまうのです。
ですから、自分の限界は考えない方がいいのです。
自分の現状や限界は考えないで、自分が本当に心の底から満足できるような夢を描いていいのです。
自分の本当の夢を描いたら、人間は夢中になれます。無我夢中になれます。
そして、体の内から、ものすごエネルギーと情熱が湧いてきます。動きたくて動きたくてしかたがなくなります。
止める人が出てきてもその情熱とエネルギーで押し流してしまうぐらいになります。
そのかっこうの例がこのご婦人だと思います。
それほどの情熱とエネルギーが湧き出てくるでしょう。