1126号「成功の階段を上がる」


砂辺光次郎

講義録1126

(2008/05/12)


成功の階段を上がるのに次の3つの段階を考えています。


まず、心の中の幼児性を取り去ることです。


次に、自分が本当に勝負することのできる仕事をつかむことです。


最後に守りに入らないこと、小さくまとまらないことです。


1、


成功するための最大の障害は、私の今までの経験では、それは、自分の心の葛藤です。


その葛藤があるために、

他人が怖い、

未来が怖い、

自信がない、

他人と豊かな交流ができない、

というようなことになっています。


現にこういう傾向がある人は、まずは自分の心の分析をしたほうがいいでしょう。

小手先の技術論では、解決はしません。

主に自分の幼少期からの親子関係を中心にして、深く反省することが必要でしょう。


これは偉そうに私がみなさんに説法しようとしているのではなく、私自身の長いダメ人生を反省して、その失敗談を語っていると思ってください。


この「反省」を通して、自分と対人関係の問題は、だいたいのところ乗り越えていけると思うのです。


心の問題は、「幼児性を脱する」という言い方でもいいと思います。


幼児性があるうちは、自己中心的であり、自分がいかにほめられるか、自分がいかに物を獲得するかに最大の関心があるわけです。

したがって周囲への愛情は薄いわけです。


会社の経営者の例を挙げますが、精神的幼児性を残したままの状態ですと、利己的であり、自分はとにかくたくさん得たい、という気持ちが強いですから、「起業」まではいくと思うのです。


「起業」して、アルバイトだけで正社員は自分だけ、というぐらいの規模まではうまくいくと思うのです。


しかし、社員が入ったら、もう、「自分だけ」というわけには行かなくなります。よく幼児性を残したままの社長が自分の利益ばかり考えているので、社員と利害の衝突でぶつかりますが、うまくいかないわけです。


あるいは、先生の場合も同じです。

幼児的な先生の場合は、生徒に愛情が行かないわけです。

本当の先生の愛情と言うのは、「育てる」ということです。

しかしそこまで行かないで、「かわいいから、自分の分身として甘やかす」とか、「生徒に嫌われたくないから、好かれるように行動する」などというようなことをしてしまいます。


夫婦関係も同じだと思います。

夫が幼児的であると、妻のほうはうんざりしてきます。夫には自立して、雄々しくあってほしいわけです。


まとめると、周囲の人のために働けるのが、幼児性の脱却なわけです。


それができないといつまでも人間関係のトラブルが続きます。


2、


さて、成功の最大の障害は、心の葛藤であり、幼児性であると書きました。

その次に、成功するために必要なのは、「自分が本当に勝負することのできる仕事をつかむこと」です。


そのためにもじっくりと考える時間が必要です。もっとも、ただ考えているだけでは、あまり深くはつかめないと思います。行動し、経験し、人からのアドバイスを聞いたりして、多方面から探ってみることが必要かと思うのです。


いろいろな成功理論では、「自分が勝負できる分野で勝負する」というのがキーポイントになっています。


本田健さんの言葉で言えば、「大好きなこと」を探す、ということです。


私なんかが偉そうに言っている言葉を使えば、「天命をつかむ」ということです。


勝負することのできる仕事をつかんだ人は、がぜん燃えてきます。

そしてその仕事に集中するようになるでしょう。

たとえば、野口健さんのエベレスト清掃の姿などがそうだとおもいます。


3、


最後に守りに入らないことです。

守りに入ると小さくまとまってしまい、面白くなくなります。

他人にとっても面白くないのですが、自分自身にとっても面白くないのです。

そうなると、停滞が始まると思います。


そのためには、どこまでも高い目標を設定することと、それから、「永遠」につなげることが大事だなと思うのです。

(長いので途中まで)