1121号「希薄か?人間関係」


 砂辺光次郎

 講義録1121

 (2008/05/10)

いろいろな団体やグループに出入りしてきてが、人間関係が極端に希薄な団体もあれば、非常にフランクで出会った最初から打ち解けてしまうようなグループもあった。


人間関係が希薄というのは、わかりにくい人もいるかもしれないが、一般的な特徴としては、


1、他人にワクをはめる。「ああしなさい。」、「こうでなければダメですよ。」と他人に枠をはめようとする。


2、上からの指示をじっと待っていて、指示どおりに動く人を「立派だ」と感じる。


 こういうふうな特徴がある。



 人間関係が希薄なのは他人に関心がないからなのだが、他人に関心がないのに他人に倫理を押し付けることはする。


 こうした一見矛盾した行動をする。


 こうしたタイプの人の心理はどういうものであろうかと思っていたが、加藤諦三さんの本などを読んでだいぶわかってきた。


 要するに、本心が心の奥に隠されていて、その本心は実は醜い。

 したがってその本心に気づきたくない。

 そうして何十年も本心を抑えながら生きてきているので自分がきらいである。

 そういう自分に対して自己評価が低く、自信がない。

 それが心の奥の様相であると思う。


・・・・・


 それに反して、すぐに他人と打ち解けて、陽気で明るい人たちも世の中に多数いる。


 たとえば、齋藤ひとりさんの本などを読むと、陽気で明るいなあ、こういう人は自分が大好きで、他人が大好きなんだなあ、と感じられる。


 最近、石原慎太郎氏の友人関係を書いた本を読んだが(「オンリー・イエスタディ」)なかなか豪快な交友関係であるが、こちらはこちらでまた深くて濃い人間関係だなあ、と感じた。


 私自身は最近ラテンダンスのグループに参加したのだが、さすがラテン系だけあって、初対面ですぐ打ち解けて友達になるほど、フランクだ。心に壁がないんだなあ、とも思うし、他人を信じているんだなあ、とも感じて、なかなか居心地がいい。


 こういう人たちもけっこうたくさんいる。


(途中まで)