「ある幸福論」

砂辺光次郎

講義録1016

(2009/1/15)

聖路加国際病院理事長の日野原先生は96歳。

睡眠は4時間で、週に1日は寝ないで徹夜仕事をするという。

その理由は、忙しいから。

病院で勤務中の昼食も、立ったまま3分ですますという。

理由は、やはり、忙しいから。

96歳で、このレベル。

ある人が、日野原先生に仕事の原動力は何ですかと聞いたところ、「ときめきだ」と答えたという。

質問した人は、使命感だろうか?世のため人のためという気持ちだろうか?と思ったのかも知れない。

しかし、答えは、「心のときめき」だった。

96歳でこういうことを言える。

「人間の最高の行動原理は、心のときめきです。」と、こういうことを言えるというのはすごい。

菩薩級の人というのは、すばらしいものだな、と思った。

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さっきから北欧の家具を見ているが、なんと自由でカラフルでかわいい家具たちなのだろう。

テーブルの上のコーヒーカップも、赤や黄や緑色の、躍動する、リズム感のある色あざやかなコーヒーカップだ。

もっと自由でいいんだ、と思った。



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目の前の少女があめをなめている。

となりに座っている同じ年頃の女の子とおしゃべりをしている。

ピンクのほおと無造作に束ねた髪。

そして右手でバッグを握っている。

そのバッグには猫のぬいぐるみがついている。

楽しげにおしゃべりをし、あめをなめている。

この少女には、冬の寒さも感じないかのようだ。

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自分が幸福であれば、言葉や、その雰囲気で、周りを温かくできる。

周りの人を幸福にできる。

心が愛に満たされ、愛があふれていると周りを幸せにできるのだと思う。

自分が幸せになることは、とても大事だな、と思う。

もっと自由に生き、もっとほがらかに過ごそうと思った。

いい人たちとたくさん出会い、もっと楽しんでいこうと思った。

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人間には、「」と「永遠に連なること」が必要だと思う。

そうでないと、いくらがんばって仕事をしていても空しさがついてくると思う。

仕事をしているのはつらいこともあるかも知れないけれど、人は仕事というもので「」と「永遠」に繋がっていく。

だから、心は安定するだろうと思う。

消耗するだけ、消費するだけでは空しくなってくる。

やはり、人間は、究極的には「」そして、「永遠に連なること」を欲していると思う。

」とは、人々のために何か貢献することだと思う。

永遠」に連なるというのは、たとえば精神的遺産を残すこととか、そういったことになると思う。


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幸福について考えてみた。(長いので、途中まで)