いよいよ正式なオープンの日。
俺はもちろん呼ばれない。
非常勤の人間だから。
俺に割り当てられたのは週に一日だけ。
まあ非常勤の人間は基本的にそういう感じになっている。
なんとかあの子のいる日に割り当てられたようだった。
呼ばれていないのだが撮影ということでやってきた。
みんなおもむろに緊張しているようだ。
まあ無理もない。
あの子は・・・やっぱり緊張してるみたいだ。
カメラを向けてみる・・・
精一杯おどけて・・・・・・少し笑ってくれた。
アイちゃんは・・・やっぱり緊張してるみたいだ。
いつもばかばっかりやってるけど・・・
さすがに今日という日はアイちゃんにも堪えてるようだ。
俺と違ってみんなはこの会社を背負っていかなければならない。
だから緊張して当然・・・
背負っていかなければならないもの・・・・・・。
俺はお前を背負って生きていかなければいけない。
ずっとそう思ってた。
お前が本当に会えないとこに行ったと知った時から・・・。
ごめん・・・ずっと重荷になってたんだ。
背負うって意味を履き違えてたよ。
お前に贖罪しながら生きていかなければいけない。
ずっと謝り続けないといけない。
そして自分を責め続けなければいけない。
ずっとそう思って生きてきた。
・・・でもここに入って考えが変わったよ。
みんなの優しさに触れながら・・・。
謝らなければいけない・・・それは当たり前のことだ。
最後の最後でお前を信じてやれなかった。
でも自分を責め続けるのはもうやめることにした。
誰かが言ってた。
人は二度死ぬんだって・・・。
一回目は魂が肉体から離れた時・・・
二回目は人々の記憶から忘れられた時・・・。
もうお前を死なせないよ・・・
俺が死ぬまでは絶対に死なせない・・・
そして今度は一緒に死のう・・・。
でももう少し時間がかかりそうだよ・・・
俺ばっかり生きててごめんな。
他の人を好きになってしまうかもしれない。
いやもう好きな人はいるんだ。
・・・ごめん。
でももうお前を死なせたりしないから・・・。
勝手なやつだけど・・・
お前だけを背負って生きていくのはもうやめにする。
本当は今すぐにでもお前のところに行きたい。
今でもそう思うことはある・・・。
でもまだやり残したことがあるんだ・・・。
もう少し・・・時間をください。
もう少しだけ・・・
久々に友人と会うことになった。
すごく仲のいい友人。
こいつとは幼稚園のころからの付き合いだ。
本当に仲良くなったのは中学校に入ってから。
中学のとき同じクラスになってそのあと高校もずっと同じ高校。
一番の親友。
本当に仲がいいしお互いなんでもしゃべる。
しかし不思議と有紀のことだけはしゃべったことがなかった。
お互い恋愛に関しては何も言わなかったし聞かなかった。
なんか言わないほうがいいというか言わなくてもわかるというか。
だから有紀のこともこの数年間何があったのかも話したことがなかった。
俺が落ち込んでいたのは知っていたし色々気を使ってくれた。
今彼女いるのかって聞かれていないって答えたら色々紹介してくれたりもした。
ただそれでも俺は有紀のことを話さなかった。
近所のファミレス・・・
友人と会食。
最初はくだらない話から仕事の話・・・
そして・・・・・・
俺は話し始めた。
有紀のこと・・・この数年間のこと・・・・・。
こいつと出会って二十年弱・・・初めて恋愛の話をした。
俺はずっと何かが引っかかっていた。
あの子と出会って・・・そして色々な人に助けられて。
ようやくやる気も生きる気も出てきた。
でも何かが引っかかっていた。
こいつに話しているうちにようやくそれが何なのか気付いた。
奇麗事ばかり言っているが・・・俺は・・・。
俺は有紀に恨まれていたんだ・・・。
有紀が遠くに旅立つ直前・・・俺に恨み言を言って・・・。
有紀の姉が言っていた。
姉・・・・・・。
俺はすっかり忘れていたんだ。
お前の気持ち・・・そしてお前の姉ちゃんの気持ち・・・。
まったく考えずに俺ばっかり背負うだのお前を忘れないだの。
何もかも完全に無視してた。
結局自分のことしか考えてなかったのかもしれないね・・・。
二人姉妹ですごく仲のよかったお前たち。
俺が知ってるころにはお前の家族は若干雲行きが怪しかったけど・・・
二人はすごく仲がよかった。
親があれな分、余計に団結してたのかな?
すごく面倒見のいいお前の姉ちゃん。
俺が初めてお前の家に行ったとき、すごく怖い目で俺を見た。
今考えると娘の彼氏を見る父親の目・・・みたいな感じ。
とにかくお前に呼ばれて家に行っても最初はいい顔されなかった。
親はいなかったけど姉ちゃんがいた。
だからなんか恐る恐る家に入っていた。
でもだんだんとお前の姉ちゃんも許してくれたのか・・・
いやな顔しなくなっていった。
そのうち手作りのお菓子を出してくれたり
遅くなると夕食を作ってくれたり・・・俺にとってもいい姉ちゃんだった。
たまに三人で遊びに行ったりもしたね。
そんなのが姉ちゃんが東京に行くまで続いた。
二つ上だから俺らが高一の終わりのときだったかな?
姉ちゃんが東京に行くって聞いた時すごくショックだった。
俺らに勉強を教えてくれたり、ご飯出してくれたり。
俺にとっては姉ちゃんだったけど、
お前にとってはお母さんでありお父さんだったね。
引越しの荷造りの手伝いしててもお前途中でいなくなったし・・・
何してんだって見に行ったら・・・お前ボロボロに泣いてたね。
新幹線のホームで見送る時も・・・お前はボロボロだった。
俺も悲しかったけどお前があまりにもボロボロだから泣けなかったじゃないか。
姉ちゃんいなくなってしばらくはお前、うわの空だったな。
そのあと何とか立ち直ったけど・・・
あの時は本当にどうなるかと思った。
お姉ちゃん子のお前。
ちょっとだけ姉ちゃんにジェラシー・・・。
それだけ仲良かったんだろうな。
姉ちゃんが東京行った後も追いかけて東京に行くことだけ考えてたお前。
あと何年で姉ちゃんと暮らせる、あと何ヶ月で暮らせる。
ずっとその事が頭にあったんだよな。
だから俺が大学落ちて、浪人生になったとき、
お前が付き合ってくれるとは夢にも思わなかった。
あれだけ好きな姉ちゃんとの生活をあきらめて俺についてきてくれた。
あまり好きじゃないお母さんとの生活に耐えてまで俺についてきてくれた。
お前が好きなのは一番が姉ちゃん、俺は二番手以降だと思ったから。
でも俺の方を選んでくれた・・・。
本当にうれしかったし感謝してもしきれない。
絶対に見捨てないし支えてくれるって言ってくれたお前。
なのに俺は・・・俺は最後でお前を裏切った。
最後の最後で信じてやれなかった・・・。
だから恨まれて当然・・・・・
お前にも姉ちゃんにも・・・・・
俺はお前に謝っていない・・・
姉ちゃんにも・・・。
許してもらおうとは思わないし、許されるはずもない。
俺は数年間ずっと逃げてきた。
有紀が俺を恨んでたということを認めたくなかったのかもしれない。
姉ちゃんが言った俺を恨んでいたという証拠・・・。
それが何なのかまだ確認してない。
証拠を見る勇気があるの?
見る気があるならいつでもおいで・・・。
姉ちゃんの言葉が今も頭を離れない。
もう逃げるのはやめよう・・・。
どんな現実でも受け止めよう。
お前が俺を恨んでいたとしても・・・
俺がお前を愛していた・・・今も愛しているということに変わりはないから。
本当にお前が俺を恨んでいたのなら・・・覚悟を決めよう。
直接謝りに行こう・・・
俺は・・・俺は今でもお前を愛してる・・・・・
すごく仲のいい友人。
こいつとは幼稚園のころからの付き合いだ。
本当に仲良くなったのは中学校に入ってから。
中学のとき同じクラスになってそのあと高校もずっと同じ高校。
一番の親友。
本当に仲がいいしお互いなんでもしゃべる。
しかし不思議と有紀のことだけはしゃべったことがなかった。
お互い恋愛に関しては何も言わなかったし聞かなかった。
なんか言わないほうがいいというか言わなくてもわかるというか。
だから有紀のこともこの数年間何があったのかも話したことがなかった。
俺が落ち込んでいたのは知っていたし色々気を使ってくれた。
今彼女いるのかって聞かれていないって答えたら色々紹介してくれたりもした。
ただそれでも俺は有紀のことを話さなかった。
近所のファミレス・・・
友人と会食。
最初はくだらない話から仕事の話・・・
そして・・・・・・
俺は話し始めた。
有紀のこと・・・この数年間のこと・・・・・。
こいつと出会って二十年弱・・・初めて恋愛の話をした。
俺はずっと何かが引っかかっていた。
あの子と出会って・・・そして色々な人に助けられて。
ようやくやる気も生きる気も出てきた。
でも何かが引っかかっていた。
こいつに話しているうちにようやくそれが何なのか気付いた。
奇麗事ばかり言っているが・・・俺は・・・。
俺は有紀に恨まれていたんだ・・・。
有紀が遠くに旅立つ直前・・・俺に恨み言を言って・・・。
有紀の姉が言っていた。
姉・・・・・・。
俺はすっかり忘れていたんだ。
お前の気持ち・・・そしてお前の姉ちゃんの気持ち・・・。
まったく考えずに俺ばっかり背負うだのお前を忘れないだの。
何もかも完全に無視してた。
結局自分のことしか考えてなかったのかもしれないね・・・。
二人姉妹ですごく仲のよかったお前たち。
俺が知ってるころにはお前の家族は若干雲行きが怪しかったけど・・・
二人はすごく仲がよかった。
親があれな分、余計に団結してたのかな?
すごく面倒見のいいお前の姉ちゃん。
俺が初めてお前の家に行ったとき、すごく怖い目で俺を見た。
今考えると娘の彼氏を見る父親の目・・・みたいな感じ。
とにかくお前に呼ばれて家に行っても最初はいい顔されなかった。
親はいなかったけど姉ちゃんがいた。
だからなんか恐る恐る家に入っていた。
でもだんだんとお前の姉ちゃんも許してくれたのか・・・
いやな顔しなくなっていった。
そのうち手作りのお菓子を出してくれたり
遅くなると夕食を作ってくれたり・・・俺にとってもいい姉ちゃんだった。
たまに三人で遊びに行ったりもしたね。
そんなのが姉ちゃんが東京に行くまで続いた。
二つ上だから俺らが高一の終わりのときだったかな?
姉ちゃんが東京に行くって聞いた時すごくショックだった。
俺らに勉強を教えてくれたり、ご飯出してくれたり。
俺にとっては姉ちゃんだったけど、
お前にとってはお母さんでありお父さんだったね。
引越しの荷造りの手伝いしててもお前途中でいなくなったし・・・
何してんだって見に行ったら・・・お前ボロボロに泣いてたね。
新幹線のホームで見送る時も・・・お前はボロボロだった。
俺も悲しかったけどお前があまりにもボロボロだから泣けなかったじゃないか。
姉ちゃんいなくなってしばらくはお前、うわの空だったな。
そのあと何とか立ち直ったけど・・・
あの時は本当にどうなるかと思った。
お姉ちゃん子のお前。
ちょっとだけ姉ちゃんにジェラシー・・・。
それだけ仲良かったんだろうな。
姉ちゃんが東京行った後も追いかけて東京に行くことだけ考えてたお前。
あと何年で姉ちゃんと暮らせる、あと何ヶ月で暮らせる。
ずっとその事が頭にあったんだよな。
だから俺が大学落ちて、浪人生になったとき、
お前が付き合ってくれるとは夢にも思わなかった。
あれだけ好きな姉ちゃんとの生活をあきらめて俺についてきてくれた。
あまり好きじゃないお母さんとの生活に耐えてまで俺についてきてくれた。
お前が好きなのは一番が姉ちゃん、俺は二番手以降だと思ったから。
でも俺の方を選んでくれた・・・。
本当にうれしかったし感謝してもしきれない。
絶対に見捨てないし支えてくれるって言ってくれたお前。
なのに俺は・・・俺は最後でお前を裏切った。
最後の最後で信じてやれなかった・・・。
だから恨まれて当然・・・・・
お前にも姉ちゃんにも・・・・・
俺はお前に謝っていない・・・
姉ちゃんにも・・・。
許してもらおうとは思わないし、許されるはずもない。
俺は数年間ずっと逃げてきた。
有紀が俺を恨んでたということを認めたくなかったのかもしれない。
姉ちゃんが言った俺を恨んでいたという証拠・・・。
それが何なのかまだ確認してない。
証拠を見る勇気があるの?
見る気があるならいつでもおいで・・・。
姉ちゃんの言葉が今も頭を離れない。
もう逃げるのはやめよう・・・。
どんな現実でも受け止めよう。
お前が俺を恨んでいたとしても・・・
俺がお前を愛していた・・・今も愛しているということに変わりはないから。
本当にお前が俺を恨んでいたのなら・・・覚悟を決めよう。
直接謝りに行こう・・・
俺は・・・俺は今でもお前を愛してる・・・・・