姉ちゃんと連絡を取っておよそ一週間。
俺は旅立つ決心をした。

姉ちゃんの待つ・・・そしてお前の待つ京都へ・・・。



京都・・・こんなにも早く再び訪れることになるとは。
お前のお父さんの出身地・・・そしてお前が8歳まで過ごした京都の地。

姉ちゃんが待っている京都・・・。


姉ちゃんは東京で仕事をしているが、京都で会うことを指定してきた。
お前が眠るであろう京都の地で・・・。

約束の日の二日前に俺は関西に入った。

どうしても京都に泊まる気が起きなかったので宿は大阪でとった。

大阪。


大阪・・・


京都旅行とあわせてよくきた大阪。
なぜか大阪まで来たのに一番よく行ったのは動物園。
天王寺動物園。


お前は動物園が大好きだった。
大して主張もしないお前が唯一連れて行ってくれと言う場所。

まだガキだったしあまり金のかからない動物園は重宝したんだが・・・。

でも俺はもともと動物園が嫌いだったんだよ。
お前がどうしてもって言うからいつもついていってただけ。

俺は行きたくなかった。
でもお前の喜ぶ顔が見たくて何度も行った。

動物園って普通何時間くらいいるものなんだろう。
一時間?二時間?
でもお前といった時は朝から夕方まで。

ずっと動物に見入ってるお前。

ずっとお前に見入ってる俺・・・。

動物に集中してかまってもらえない・・・
と思いきや色々動物について説明してくれる。
ちゃんとこっちのことも気にかけてくれる。
お前のそういうきちんとした心遣いが好きだった。

別に動物に集中してればいいのに・・・。
俺がいるばっかりに集中できなかったかな?
でもお前のその優しい笑顔が好きだった。
・・・今でも好きだ。

ある時お前が聞いてきた。
何の動物が好き?

って。

俺は動物は大して好きじゃなかったんだが、猫だけは好きだった。
だから猫って答えた。
・・・何言ってんだ俺・・・。

動物園に猫っているのか・・・。
普通の猫・・・。

猫・・・ここにはいないねぇ~・・・。
なら今度ペットショップに見に行こうか・・・。

って。

何か完全に的外れな俺を一生懸命フォローしてくれたっけ・・・。

何回も何回も動物園ばっかり行くもんだから、
お前のおかげ(?)で俺まで動物園好きになっちゃったよ。
うちじゃ動物飼えないし・・・
男一人で動物園に行っても変態だと思われるし・・・
どうしてくれるんだよ・・・。
もう一度行きたかった。
お前と全国の動物園を巡りたかった・・・。
お前の笑顔が見たかった・・・。


でももうかなわないこと・・・。




俺は・・・俺はまだ生きなければならない。
お前をおいていかなければならない。

お前をおいて旅立たなければいけない・・・・・