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では、結論。
「997は前期より後期がおススメか?」
言われると、私は「んー。。。」です。
MTなら、前後期問わずおススメしますが、MT除外したとして、、、
前期は確かに、前述の『かじり傷』のリスクが●%あります。乗り方次第でリスク軽減できますが。
6番シリンダーだけなら80万円くらい?
「エンジン降ろすんでどうせなら」いろいろやると200~300万円くらいは飛ぶでしょう。
が、
後期は、『PDK』のリスクがあることを忘れてはいけません。
かじり傷のリスク vs PDKのリスク
んー。。。
PDKはポルシェが開発した、デュアルクラッチのロボタイズドMT(セミAT)です。
1速3速5速・・・・奇数段を受け持つクラッチ
2速4速6速・・・・偶数段を受け持つクラッチ
『二枚の』クラッチを使用するので『デュアル』クラッチトランスミッション(DCT)です。
VWのDSG、アウディのSトロニックなど。
ランボのeギア、マセのカンビコルサ・デュオセレクト、昔のフェラーリF1マチックなどは『シングル』クラッチです。
シングルorデュアル、機構や耐久性が違うとはいえ、いずれ必ず、要整備時期が来ます。
なによりPDKは、ポルシェセンター(&お堅い工場)では、
非分解・分解不可のアッセンブリー交換(ユニット丸ごと交換)のみが原則
で、交換費用は100万じゃききません。ディーラー聞いたら250万円!?とのこと。
一部、分解・修理してる研究熱心な(素晴らしい!!)整備工場さんもいますが、聞いたら、分解修理でも80万円くらいはかかるようで。故障部品にもよるでしょうが。
つまり、「後期でも、前期のシリンダーかじり問題と同じくらいの金銭的リスクはある」ということです。
997後期PDKの登場は2009年から。まだ15年程度しか経っていません。
まだそこまで距離走ってないタマが多く、カーセンサーみてもたいがい10万キロ以内。5~8万キロ程度です。
いまでこそ正常なタマ多いでしょうが、この先、各個体の走行距離が10万キロ、12万キロ・・・・伸びていけば、要整備車両が増えていくことは確実でしょう。特に都心部走行メインのタマだと、いくら耐久性の高いDCTとはいえ、、、
そもそも、ほとんどの日本メーカーがDCT採用しないのは、日本の道路事情にDCTがそぐわないから、でしょう。
このリスク考えると、「後期PDKにしましょー♪」と、気軽におススメしづらいんですよね。
むろん、「PDKの走りはイイ」と思います。
他メーカーのDCTもイイですよね。【458イタリア】借りて乗ったときは「これがF1マチックなの!?」軽く感動しました。
超絶絶賛不人気中の【クアトロポルテⅤ】の前期『デュオセレクト(シングルクラッチ)』だって、
修理費用さえ考えなければ!!中後期のトルコンATモデルより「走りはイイ」思います。
けど、でも、しかし、メンタルが、、、
私もロボMTのクルマは数台乗りましたが、日本の道路事情(ストップ&ゴーの連続)による、
「無駄に半クラで、クラッチが擦り減っていく感覚」は、精神的に重荷でした。
なんか運転も不自然になってしまい、「生涯添い遂げよう」とまでは思えず、全部手放してしまいました。 むろんレース出るなら別ですけどねw
もし予算的にMTはムリで、「前期ティプトロか、後期PDKか」でお迷いなら、
「かじり傷リスクあるから前期はダメ」と一方的に決めつけるのではなく、
「後期も、将来的に同様以上のリスクはある」と相対的に考えるべきかと。
「どうしてもクローズドデッキで直噴エンジンがイイ!!」という人は後期しかないですが、
「より安価な前期にして、浮いたお金をメンテ費にとっておこう」というのも、997を長期保有するには賢い選択だと思います。