BATTLETORNというアメリカのマイナーなスラッシュ・コア・バンドが来日するというので観に行ってきた。会場は新宿の先にある中野のMOONSTEP。

日本のバンドも5組出演。ABIGAILとFASTKILLのスラッシュ・メタル勢と、その他のスラッシュ・コア勢、そして両者の中間に位置するBATTLETORNというふうに色分けできる。

これまで何度も観たABIGAILとFASTKILLは相変わらずの充実したステージだったが、スラッシュ・コア勢に関してはあまり馴染みがないこともあるだろうが、どのバンドも素人臭さが拭えず、のめりこめなかったのが正直なところ。ぼんやり他の事を考えている間に終わってしまったという感じ。元々、僕はスラッシュ・メタルでもHELLHAMMERやVENOM、BATHORYといったドロドロしたサタニックなバンドが好きなので、ああいったファニーなノリ(「タケコプター」を付けたギタリスト!)は体質に合わないのかもしれないが。

そんな中、トップバッターで登場したMAD MANIAXというバンドは、異常に歪みまくったベースとクリーントーンの軽快なギター・サウンドの対比が心地良く、また松浦亜弥のようなキモい振り付け(あやや自体はキモくないけど)で踊り狂う男性ヴォーカリストの様子がおかしかった。これが「ジェンダー・フリー」というやつなんだろうか? それだけに、貧弱な発声が残念。

本日の主役であるBATTLETORNは、前述したサタニック・スラッシュ、特にHELLHAMMERを髣髴とさせる中音域を強調した生々しいファズ・サウンドとパワー・コード主体のリフを、スラッシュ・コアの極端にシンプルな曲構成(ほとんどの曲が1分以内)に乗せてひたすら押しまくるスタイルが特徴。だが、ベースレスという変則的な編成もあるのだろうが、やはりABIGAILやFASTKILLに較べたらずいぶんこじんまりとした印象だった。

BATTLETORNはどちらかというとそうした“ショボさ”が独特の味わいにつながっているバンドなので、完成度を求めるのは野暮なのだということは十分承知しているつもりだが、同様に80年代のアンダーグラウンドなスラッシュ・メタルを基盤に置きつつも、楽曲や演奏はA級のクオリティを誇るABIGAILとFASTKILLに較べたら、どうにも見劣りがする。せめて専任の女性ヴォーカルがまだ在籍していた頃なら印象も違っただろうが……。

「本日の主役はBATTLETORN」と書いたが、トリを務めたのはABIGAIL。フロアー全体のノリも、あくまで様子見といった感じのBATTLETORNとはうってかわって最高潮。元々ABIGAILはBATTLETORN側の要請で出演が決定したということで、BATTLETORNのメンバーも観客として最前列で暴れまくる。演奏終了後は、ABIGAILのJEROさんとBATTLETORNのヴォーカル兼ギタリストがガッチリと抱き合う、心温まる光景も見られた。
(ところで、1stアルバム以前の初期楽曲は今とは音楽性も違うので仕方ないにせよ、2ndアルバムの曲まで封印してしまったんでしょうか?)

最後に、まったく関係ないけれど、僕のスラッシュ・メタル名盤ベスト5を挙げておく。

1.HELLHAMMER / APOCALIPTIC RAIDS
2.WHIPLASH / POWER AND PAIN
3.METALLICA / KILL 'EM ALL
4.SLAYER / SHOW NO MERCY
5.VENOM / WELCOME TO HELL