2006年3月に推定少女が解散してから、1年半が経った。今でも推定少女の音楽は私のオール・タイム・フェバリットである。
惜しむらくは、彼女たちがライブ映像を作品として残さなかったことだ。
推定少女は歌唱力や楽曲のクオリティもさることながら、ライブで披露するダンスのカッコ良さも大きな魅力だった。グラマラスな肢体からダイナミックに繰り出されるアクションは、淫靡なムードの中に十代の少女ならではの瑞々しさが溢れていた。
デビュー当初はまだ中学生だったにも関わらず、セクシーさを強調した過激なイメージで知られる彼女たちであったが、それはあくまでもエンターテイナーとしての実力に裏打ちされたものであり、けっしてお色気に依存するだけのキワモノではなかったのである。
しかし、いくらヴィジュアル面に力を注いでも、それをセールスに繋げられなかったら意味がない。その点において推定少女は、傍から見ていてもどかしくなるくらい不器用だった。
まず、初めての映像作品は、1stアルバム『sixteen』の初回限定版に付属したDVD。シングル曲のミュージック・クリップ集だった。
しかし、もし単体で発売したとしても、ファンなら同時に購入するはず。せっかくお金にできるはずのコンテンツをふいにしてしまったのである。しかも、初回限定版でしか観ることができないということは、世間に広くアピールする機会を減らしてしまったということ。2重の意味で、明らかな戦略ミスだ。
次にリリースされたのは、テレビ東京の深夜に放映されていた『推定学園26時』のDVD。推定少女のユニークなキャラクターが楽しめる番組で、私個人としてもあの番組をきっかけに推定少女を知ったということで思い入れがあり、商品化は嬉しいかぎりだった。
ところが、その発売に先立って、あろうことかネットの動画配信サイトで無料放送してしまったのである。番組をリアルタイムで観て、もう一度観てみたいと思っていた人でも、ただで観られるのならわざわざ高い金を出してDVD買ったりはしない。またしても、優れたコンテンツをお金に換えるチャンスを逃がしてしまった。
その後、推定少女はさらにわけのわからない商業展開をする。『振動』『チョコレート』『Chewing Girl』の3曲を、なぜかシングルDVDとして発表(シングルCDとしてはリリースされなかった)。しかも、それらのクリップは後に発表されたDVD『17's Heaven』にも収録される。わざわざ1枚1枚揃えるのは、それこそやはり熱心なファンくらいなものだろう。
『17's Heaven』発売から1年を待たずして、推定少女は解散した。発表の唐突さや、メンバーおよびスタッフのぎこちない反応から推察するに、その理由がけっしてポジティブなものでなかったことは明白だ。やはり、商業的失敗によるものと考えるのが妥当であろう。
しかし、私は断言したい――
推定少女は「売れなかった」のではない。「売らなかった」のだ。