今年の国内メタルシーンは、女性シンガーを擁する「嬢メタル」の躍進が目立ちましたが、シンガーNoaとベーシストAkizukiの姉弟によるユニットDISCORDIAも私が注目しているバンドの一つ。メタル・サウンドの肝とされているギターをあえて用いず(用いたとしても味付け程度)、数あるゴシック・メタル・バンドの中でもひときわ「ゴス(=耽美性)」を追求した音世界を提示しています。

28日のライブで購入して以来、アルバム『INVISIBLE FOREST』がヘヴィ・ローテーションです。

アルバムといってもデモの意味合いが強く、1stアルバムならぬ「0.9thアルバム」という位置付け。元はaudioleafで有料配信されていたものをCD-Rに焼いたものです。

ライブではキーボーディストとドラマーを擁する4人編成ですが、この音源はNoaとAkizukiの二人で制作されました。

私が観た2回のライブは、前半にミッド・テンポのムーディーな曲を並べ、後半からアップテンポな曲で盛り上げるという構成でした。しかしこのアルバムは2曲目、3曲目とメロスピ調のファスト・チューンが続き、ライブとはまた違った印象を受けます。

とはいっても、Noaのソプラノが映えるのはやはりオープニングを飾る『OSGILIATH』に象徴されるゆったりめの曲。リズム・マシーン特有の「ベチベチ」という質感も相俟って、THE SISTERS OF MERCYやGILLE' LOVESといった往年の“ゴシック・ロック(「メタル」ではない)”を彷彿とさせます。メタルで打ち込みというとあまり良い印象をもたれませんが、DISCORDIAに関してはマイナスになっていません。

今後はメタルのフィールドだけでなく、ゴスのイベントにも進出したら面白くなるんじゃないかな~という予感がしています。