今年は長らく活動を休止していたアーティストが再始動するという目出度いニュースが重なった年でした。

FLOWER TRAVELLIN' BAND、BLUES CREATIONといった歴史的アーティストの再始動(再結成)も後追いの身としてはじつに嬉しいかぎりですが、リアルタイムで活動を目にしていたにもかかわらず、ちょっとタイミングがずれてしまったせいでけっきょくライブを体験しないまま凍結に入ってしまったアーティストもいます。

abとsattinの実力派女性シンガー2名によるユニット「SHANGRI-LA」。以前にも書いたとおり、abのライヴは去年の尾辻かな子のイベントで目にして以来何度か足を運んでいるのですが、SHANGRI-LAのライヴは平日に行われることが多かったため、仕事の都合で観に行けず、そうこうしているうちにsattinが沖縄へ移住してしまったとのことで活動休止となりました。

そんなSHANGRI-LAが、目黒ライヴステーションにおける自主企画イベント「TOY-BOX 2」で見事復活を果たしました。abが参加するロック・バンド「7117(ナナイチミラー)」の共演もあり、abファンとしては観逃せない企画です。

ただ、僕の場合は通常だと土曜日も仕事があるため、休めるかどうか微妙だったのですが、奇遇にも前日に仕事が片付き、行けることになりました。7月・原宿クロコダイルでのFLOWER TRAVELLIN' BANDのライヴもそうでしたが、こういう奇跡にはけっこう恵まれています。

機材トラブルのため、開場開演は1時間押し。幕間にはsattinと目黒ライヴステーションの「マスコット・キャラクター」というモヒカンの男性(「ETERNAL RECOLD」というヘヴィ・メタル・バンドのドラマーだそうです)が司会進行を務めます。

男性シンガー1名と男性ダンサー2名のユニット「P.B.maa」に続いて、7117が登場。こちらも平日ライヴが多かったため観損ねていたのですが、abの他、女性サックス奏者をフィーチャーした5人組で、グラマラスなムードのサウンドが特徴です。

ちなみに、7117でのabは3代目のヴォーカリストなのですが、冒頭からabの持ち歌『三つ数えて』と『VAMPIRE』を披露したことからして、abが今やバンドにとって大きな存在であること物語っているようでした。

その後、ことあるごとに「KO-SEEです」と名乗るのが可笑しかった男性シンガーのKO-SEE、SHANGRI-LAの二人とは正反対のぽっちゃり系の愛らしい女性シンガー兼ピアニストと男性ベーシストの濃ゆいアクションが目を惹いた「AZBAN」、激しいテクノに乗せて健康体操を披露する男性5人組ダンス・チーム「烈火斬」(客席にいたsattinが「ほら~みんな暗いよ~!」とか言いながら観客を一所懸命煽ってました。今日の主役なのに笑)、叙情的なリフが耳を惹く在日コリアンによるミクスチャー・バンド「kp」、情熱的なダンスと早口で捲くし立てるヴォーカルで迫る女性シンガー「Babee Japan」を挟み、いよいよ真打ちのSHANGRI-LAが登場です。

唯一の音源であるミニ・アルバムは打ち込み系の複雑なサウンドなので、ライヴはカラオケでやるのかな? と思っていたのですが、この日はなんと特別にバンド編成で行われました。

シンセサイザーやシーケンサーを一切用いない、ハード・ロック調のシンプルで豪快なサウンド。二人のパワフルな声量と表現力がダイレクトに伝わってきます。スタジオ音源とはまったくアレンジが異なるため、聞き慣れた楽曲も新鮮に響きます。

先述のとおり、abのソロ・ライヴは何度か体験していて、もちろんそれはそれで毎回カッコ良いのですが、SHANGRI-LAは違う個性をもったsattinとの掛け合いによって互いの魅力を引き立て合うことで、むしろab単独の時よりもさらに輝きを増していました。切なく、それでいてどことなく退廃的な匂いも漂わせるラヴ・バラード『ISLAND』では、黒いマスカラと共に涙を流す場面も。

一方、沖縄に移住していたsattinは、今回の再始動まで歌手としての活動もお休みしていたとのことですが、彼女もまたブランクをまったく感じさせない貫禄あるパフォーマンスで魅せてくれました。期待をはるかに上回るステージで、生の歌声がもつ圧倒的なエネルギーをあらためて実感させられた次第です。

(写真:入場先着15名にプレゼントされたミニ鉢植え)
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