40年以上続けたテニスが
ある日できなくなった。
"半月板損傷"
紹介状もなく飛び込んだ市民病院で
CT撮影後に整形外科医からそう告げられた。
手術してリハビリを含め3ヶ月。
その日診察は
特注のサポーターと痛み止め、
そしてロキソニンシップを3ヶ月分の処置。
手術をしないと決めたのは
1週間後の担当医との相談で
年齢的なものや休職後の会社の再審査など
いささかややこしい問題を鑑みての判断。
それ以来、一切ラケットを握らず
悶々と今日まで来てしまった。
そんな私を心配した息子がある日
一本のエレキギターを持ってきた。
息子が幼少の頃以来、
ギターを弾く事をしなくなった私を知って
せめてもの気晴らしとして
ラケットの代わりとして持ってきてくれた。
余談ではあるが
サザンオールスターの桑田佳祐氏と
同じ時代の音楽を聴いてきた私は
ビルボードTop10を参考に
ポップスやロックに傾倒し、
エリッククラプトンやリトル・フィート、
ディープ・パープルなど
70,s〜80,sのヒットメーカーを
数多く聴き真似をしたものだった。
"ギター弾けるオジはいけてる"
なによりも息子の一言が
私の背中を押した。
オリンピックに出場とかM-1とか
紅白とかに出るよりもハードルは低いか!
都合よくそう思うと昔のギター魂が
むくむくと湧いてきて
再びトライしようと軽く決めた。
ダウンロードしたメトロノームのアプリを
70にセットし試奏を始める。
左手の1弦に指を置くと
人差し指、中指、薬指、小指の順に移動させ
70のタイミングで右手をアップダウンし、
ピッキングするのだ。
しかし、
息子が生まれてからギターを売り払って
30年以上も遠ざかった私の指は
デリケートとは程遠く太くて醜い指となり
とても試奏できる状態ではなかった。
"動かない指"
6月25日、68歳を迎えた私は
YAMAHAの音楽教室に通う事に決めた。
背中にギター、
若い子たちと同じ様な夢をしょって
街に繰り出す事に決めた。

