1949年9月21日、山口県下関市出身。
彼は、日本人の父と
韓国人の母との間に生まれた。
その名は松田優作。
高校2年生までを下関で暮らし、
その後、母の厳命で米国籍獲得の為、
叔母夫妻を頼って渡米したのだか
アメリカでの学生生活はままならず
言葉の壁や夫妻の離婚問題に悩み
母に無断で中退し、帰国する。



その後、

紆余曲折の学生時代を過ごし

文学座研究生として籍を置きながら

新宿のバーテンダーをしていたある日、

親交が深い俳優との麻雀に勝ち、

当時人気のテレビ番組、

"飛び出せ!青春"のプロデューサー

岡田晋吉氏を紹介してもらう。

彼の度胸と演技力に惚れ込み

代表作"太陽にほえろ!"の

ジーパン刑事として人気を博した。

その後、

彼が考えたセリフの殉職シーンが話題となり

今も多くの人に語り継がれている。


週の金曜日にNHKで放映された

アナザーストーリーズ、運命の分岐点では

松田優作

"ブラック・レイン"に刻んだ命"と題され、

撮影直前病魔に苦しみながらも

ハリウッドスターにひるむ事無く

己の魂をフィルムにぶつけた姿を

特集していた。



残っていたオーディションテープには

名優マイケル・ダグラスを相手に

鬼気迫る形相で立ち向かう

彼の姿があった。

他にオーディションを受けた

萩原健一や根津甚八とは違い

1歩も引かず、ただ静かに1点を

睨みつける眼光。

監督 リドリースコット氏は

彼の醸し出す佇まいで1択選考とした。


演決定と同時期に診察を受けると

病魔(ガン)は密かに彼を蝕んでいた。

"治療を取るか俳優を取るか"

主治医からそう宣告されると、

熟慮の末に導き出した答えは・・・。


事役マイケル・ダグラスと

泥まみれになりながら

彼はフィルムの中にいた。

殴り、殴られ、拳を振りかざす鬼がいた。

己の命を昇天させるかの様に。

番組の中で取り上げられたコトバに

素の姿を見た気がした。


安全圏のなかで

ギリギリヤバいふりが

できればいいなって、

うまくやってるやつが

ほとんどなのに、

僕の場合、

とことんやって

しまうものだから、

どうしても安全な距離を

踏み外しちゃって、

破綻してしまう。


そして優作に替わり番組は

こんなタマシイのコトバを

吐き出した。


生きているのは

お前か、

俺か。


松田優作、享年40。