少し熱を帯びた陽の光が
東の空を彩っていた。
静寂の中を改造バイクが通りすぎ
私の耳の磁石はそれを追っていた。
相変わらず寝相が悪い息子は
隣の部屋の壁を蹴った。
何処かで、
たむろする鳥達の
儚い電線の恋を聞く時、
何者にも変えがたい幸せを感じる。
もうすぐ、
蝉の声は
我が家の窓にも訪れる。
なにもいらない。
なにも変わらない。
そんな普通の朝がいい。