最近、アニメの実写版が
こぞって制作されている。
旬な演者と脚本、
極限まで再現されたCG。
一瞬のインパクトは大きいが
あまり心に残らない。

昭和に生まれた私は
カセットビデオ時代に
多くの作品に出会った。
いわゆるオトコの為のモノや
和洋画のコメディやサスペンスなど
あらゆるジャンルを鑑賞した。
中でも、印象深かったのは
デビットリンチ監督エレファントマン
スティーブン・キング原作
ショーシャンクの空に
黒澤明監督天国と地獄
松本清張原作砂の器、
横溝正史原作犬神家の一族
あった。


そういえば
NHK朝の連ドラ“半分、青い”の中で
ヒロイン楡野鈴愛(すずめ)
無職になった自分が故郷に帰ると
犬神家の一族佐清(すけきよ)
結婚させられると冗談を言っていたが、
あれはきっと脚本北川悦吏子の企み。
私はマーライオンの様に
コーヒーを吹き出してしまった。

夏場犬神家ごっこと言って
プールで両足だけ出して
仲間の笑いを誘ったが
それ位社会的にもブームになった
犬神家の一族
今、再び見たい映画の一つ。



角川映画の第1回作品として
話題になったこの物語は、
名士犬神佐兵衛が莫大な財産を残し
この世を去ったが財産相続の遺言には、
恩師の孫娘である野々宮珠世
結婚した者に捧ぐと記されていた。


犬神家には、結婚候補として
佐智(すけとも)佐武(すけたけ)
佐清(すけきよ)の3人の息子がいたが
財産相続を巡り
数々の猟奇的殺人が起こる。
石坂浩二扮する金田一探偵が
難解な事件を軽快に解明していく。
巧妙なトリックとどんでん返しの結末。
市川昆監督の映像と大野雄二の音楽が
日本映画ならではの世界に
見るものを引き込む。