多くの臓器は
古い細胞が新しい細胞に
入れ替わりながら活動している。

NHKスペシャルより

しかし、心臓は
そのペースが極めて遅く
50年かけても
細胞が入れ替わらないと
されている。
その為傷ついた心臓は
なかなか元どおりにはならない。

“どうにかして、心臓の細胞を
新しく作り出す事ができないか”
アメリカの心臓外科の権威
エデュアルド・マラバン氏は
その難題に挑んできた。
その結果、
ごく僅かだが細胞を再生させる
メッセージ物質が
潜んでいる事を突き止めた。
しかし、
心臓のメッセージ物質の数が少ない為
普段はゆっくりとしたペースでしか
再生する力がない。
なら、このメッセージ物質を
人工的に増やして
病気になった心臓へ投与すれば
失われた細胞を急速に蘇らせる事
ができるのではないかと
マラバン氏は考えた。
そして、
心筋梗塞を起こしたマウスに
メッセージ物質を投与したところ
大きな成果が表れたと言う。

NHKスペシャルより。右側が再生した心臓細胞

そして、今
1年以内の人への
臨床実験開始を目指して
研究を進めている。

体内から治療に役立つ
メッセージ物質を
取り出すことができれば
従来の常識をくつがえす
非常に強力な薬になると言う。
つまり、
外から移植するのではなく
体の中の細胞を増やしたり
自分自身で再生させる
究極の医療という事になる。

その他、番組では
腎臓手術で高血圧治療
腸とアレルギーの関係性など
体全体のネットワークを理解する事
で本当の治療を目指している
今の姿が見えてきた。

番組を見終えて
“スリ傷にはツバをつけときゃ治る”
と祖母に言われたオマジナイも
唾液に含まれるメッセージ物質が
治癒させている誠もありかと
いにしえの生活が生んだ
再生医療に感嘆し、
私はDVDの電源を消した。