仕事から戻ると
息子が帰っていた。
全国区の熾烈な
戦いを終えて。
腕や脚は真っ黒に日焼けし、
ひと回り太くなった
185cmの巨体を大の字にし
安らかな寝息を立てている。
無防備なまま。

息子を連れて
公園へ散歩に行ったその昔、
砂遊びセットで
小一時間遊んだのち
帰ろうとその手を握る。


反抗する息子は
砂場に大の字になり
帰るのを拒んだ。

“デカくなりやがって”

負ける事の悔しさを
この大会で味わった息子は
高校最後の夏を終える。
チームメイトと
泣いて、
笑って、
喜んで。 
今、息子は
我が家でどんな夢を
見ているのだろう。