新宿ゴールデン街 
某バーにて書き残したノートから抜粋



深い冬が

二人の温度を試す。

強い塩風が僕らを襲うと

真っ直ぐに海を見据えた

君の横顔は

何かを言おうとして

僕は唇を追いかけた。

「  もういいの。」

不可解な謎を残し

僕のシナプスが

失意に暮れる。

長く伸びた 2人の影が

砕ける波に溶けて

遠い冬の海に消えたなら

甘く、切なく、

君の唇が

僕の不埒な気持ちを

くすぐった。

抱きしめた

君の心を

どうすれば

くれるの。

僕らは群青色の空に

とっくに取り残され

戻る手立てを失うところ。



帰ろう。

あの場所へ、

あの時へ。

君の手を握りしめ

僕のポケットに入れると

温かな幸せは

意外なとこにあった。




帰ろう、

君と。

あの時へ。

そして、

僕らは

深くて、甘い、

誘惑の街に

落ちていった。