NB:

国会議員各位

 

後見制度とは社会的に最も弱い立場にある方の人権を保護するためのものであるが、ここに示すように、現行制度は正常に機能していないどころか、「後見が虐待そのもの」「後見こそが殺人」である。

 他人の実印が勝手に、簡単に登録できてしまったり、後見を申し立てようとしても実の子が実の親の住民票を取得できなかったり、認知症の方に対してこの社会は冷酷すぎる。ひとたび後見を申し立てると、実の子が選択した治療を被後見人に受けさせることすらできない。ひとたび後見人が退任すると、その後は被後見人に対するどのような不正すら許されるのが現行制度である。

 これらの問題に対して、少なからぬ数の国会議員に、特に法曹資格を有する国会議員に何度も何度も、何年も何年も「話を聞いてください」とお願いしてきたが、まったく相手にされてこなかった。国会議員とは、このような問題に対処するために選挙で選ばれた国民の代表ではないのか。それとも、それは違うのか。

 後見は、現行制度のままであってはならない。「恣意的な後見」「悪意ある後見」があったならば、それを監視し、是正する制度がなければならなない。後見開始時点において、明文化・文書化された「後見の方針」が存在しなければならない。そして、後見人は、特に専門職後見人は、その退任後も被後見人の人権保護に関してこれを害する行為に出てはならないことを罰則付きで義務化しなければならない。

 筆者は、被後見人・故Mの家にて出生し、会社員であった母C3に代わり祖母に育てられた。幼少時のしつけはすべて祖母によるものである。その祖母が、こともあろうに後見から、そして後見人から虐待の限りを受け続け、子と孫が選択した治療を受けることもできずに、骨と皮ばかりとなり、衰弱しきって亡くなった。

 全財産を違法に移転され、治療を妨害されて殺害されようとしてために後見を申し立てたにもかかわらず、その結果は最悪のものとなった。

 

 後見期間が5年もあり、後見が終了して渡されたのは死体だけであった。

 

 筆者は、血の涙を流して本稿を執筆している。

 

 そして今、被後見人の子と孫は、憲法で保障された基本的人権を否定され、日本国民に非ざる者として、日本国民に値しない者として事実上、社会的に抹殺されている。

 国会議員各位、そして健全な民主主義を護らなければないという信念を有する読者諸賢におかれては、ぜひ、ご理解とご支援をお願い申し上げる。

 

 

         *******************

 

 

主張書面 by 素人のおばさん

第2章 これまでの経緯

 

相続欠格の具体的な立証については後述し、また、学識経験者の意見を付すが、まずは、本件においてもともと、さいたま家庭裁判所にて担当裁判官が相続欠格と判断していたという事実を、さらには、○○○○判事担当(=C判事)さいたま地方裁判所平成○○年(ワ)ABC号事件における審理過程を示し、これまでの経緯について詳述する。

 

第1節      後見申立

 

NB:

M 被後見人(D母)

D 被相続人(M次男)   W被相続人の後妻

              W1 先妻(病没)

C3  被後見人Mの長女

GC1 筆者 (C3長男)

Dの法定相続人はMとWであり、Mは遺留分権者である。

 

平成○○年5月20日、(第一審原告)控訴人・○○○○(=C3 素人のおばさん)、その長男・○○○○(=GC1 筆者)は、さいたま家庭裁判所において、C3の母、GC1の祖母である○○○○(=M)を本人とする後見開始を申し立てた。その時系列記録は第2節のとおりである。

 

第1項 記録・上申書

 

家裁の記録は非公開であり、公開の法廷に提出することは本来あるべきではなく、第一審においてはこれをひかえたが、真実の解明のため、その一部を証拠として提出する。

 

甲第○号証  さいたま家庭裁判所宛書簡 (筆者GC1作成)

平成○○年(家)○○○○○号事件

甲第○号証  さいたま家庭裁判所宛上申書 (筆者GC1作成) 

平成○○年7月13日受理

       担当 A判事

NB:「問題人物は相続欠格者である、家裁において保全を望む」

甲第○号証  さいたま地方裁判所・平成○○年(ワ)○○○号事件記録抄録

甲第○号証  さいたま地方裁判所宛上申書 GC1筆 

平成○○年5月10日受理

       担当 C判事

NB:「被告は相続欠格者であるので本件審理は成立しない」

 

 

 第2項 担当裁判官一覧

A判事  平成○○年~平成○○年 さいたま家裁

後見開始審判

 

B判事   平成○○年~平成○○年 さいたま家裁

後見開始後   

 

C判事  平成○○年~平成○○年 さいたま地裁

平成○○年(ワ)〇○○号事件

 

D判事  平成○○年~平成○○年 さいたま家裁

情報開示

 

 

第2節  時系列記録 

 

 第1項 後見開始前 

 

関係人物一覧

 被後見人 M       

 

第1子 

C1(平○○歿)      3 子

 

第2子 

被相続人D       先妻・W1 子なし

           後妻・W         離婚前夫との子

 

第3子

C3        長男・GC1筆者

 

NB : 被相続人Dの法定相続人はMとWとなる。

NB : もともとC3・筆者GC1はMと同居しており、C3は会社員であったため、GC1はMに育てられた。

 

 

平成○○年

9月15日 Mホーム入所。 (この日より、さいたま市B区居住)

     NB:さいたま市A区より転入 (Dが末期がんであったため)

9月27日 D遺言書執筆日付。

9月28日 Dと最初で最後の面会、さいたま赤十字病院(旧大宮日赤)。

     NB:D・C3・GC1の最後の面会。この時Dは「母Mに遺産を相続させる」と明言している。

 

平成21年

3月30日 相続開始日

4月25日 ケアマネージャー、Mに対して認知症問診、記録を残す。 

     NB:その内容は財産管理能力なしというもの。  

4月25日 M印鑑、不正に登録される。 

    NB:「大量に生産された印影を有する印章」於さいたま市A区

       この登録に用いられた偽造申請書につき、筆者は刑事告発のため保存を求めたが、警察と告発受理の話がつく直前になぜか廃棄された。

4月27日   遺産分割協議書偽造

 

 

 

4月30日  単独相続登記

5月 5日  ○○園 W1墓所陵辱事件発生。

           W(後妻)がW1(前妻)の墓を暴いて、これを追い出す。    

5月 7日  ○○園・K事務員の証言:「Wが園にタクシーで乗りつけ、Dの遺言があり、そこにWを墓から出せと書いてあるのでそうしろと迫り、当園から遺言を見せるよう求めたが、最後までその求めには応じなかった、自分は義母Mの面倒もみていると怒鳴り散らしていた」 注:遺言=ゆいごん

      NB:この時点でW1の祭祀権者はMであると解される。筆者から見て伯母であるDの先妻W1は筆者をわが子同様に可愛がっていたが、有効な治療法のない疾病を発症し、自分は長く生きることができないと悟り、自ら○○園墓所を選び、筆者の母であるC3に対して「私をここへ」と希望を述べ、そして世を去った。

NB:このK事務員とW自身の証言から、遺言書2枚目には先妻W1の祭祀に関する記述が存在したことが確認されている。その内容は次のとおり。

「D(一人称)三回忌が過ぎたならば、W妹S子に頼んでWを実家に連れて行ってもらう」

       

5月13日 法的措置のための調査開始。

不動産登記簿調査により単独相続登記判明。

違法印鑑登録、遺産分割協議書偽造に関して高い蓋然性判明。

       さいたま市役所と、違法印鑑登録について協議を続ける。

さいたま地方法務局と、登記原因証明情報開示について交渉を続ける。

         関連法規・制度等の調査。

       NB:実の子が実の親の(不正)印鑑登録の有無につき照会できない。

9月24日  Y医師、診断・認知症治療承諾。       

10月 1日   Y医師、M往診。

10月 2日   Y医師による診断書出来。

       NB:後見相当の診断。

 

11月 9日  この日夕、M入院。(脳出血あり。) 

   10日    ○○○○病院:Wより人工呼吸、心臓マッサージ等一切不可との指示ありとN師、C3・GC1に証言。(さいたま市C区)

   NB:Wはホームの身元引受人となっており、入院等の場合には連絡が入るため、実の子であるC3には知らせずに病院に先回りし、この時点までにMのDからの相続分を盗み出していたため、Mを殺害することで完全犯罪になると考えており、Mが他界すれば、MのDに対する権利もまた消滅すると誤って理解していた。

   24日 担当・N医師を信じてすべての判断は任せるとの承諾書送付。

      「医師としての良心に基づき最善を尽くしてくれれば、子・孫として結果は受け入れる」

NB:この時点でWはC3に対して執拗に電話をし「義母さんを苦しめたらかわいそうだ、絶対に治療は認めない」とわめきちらしている。明白な殺意あり。

          

12月19日  退院。

NB:順調に回復し、めでたく退院す。

                     

平成○○年

3月30日 D一周忌、遺言書の存在がWより明らかにされる。

3月31日 不動産売却

4月 7日   遺言書(の一部)写し入手。D筆跡確認。日付は最後の面会前日。 

      検認印なく、遺産分割協議書偽造確認さる。

NB:本人自筆、正確な日付、さらには検認未済が確認され、その遺言書内において、法定相続人に対して法定分をとの最終的な処分意思、すなわち相続分の範囲に直接影響を与える内容の「相続に関する被相続人の遺言」の存在が、さらには、不動産登記簿の調査からWの単独相続となっている事実が判明していたため、この時点で「相続に関する被相続人の遺言(事項)の隠匿+違法利得」が確認され、「当然に」相続欠格の効果が発生している。筆者はこの時までに、「相続に関する被相続人の遺言=相続人・相続財産の範囲に直接間接に影響を与える遺言」であると、また「意思」に対して「不当な利益」であると理解していた。

 

 

5月20日  後見開始申立 即日聴取。

 

さいたま家庭裁判所 平成○○年(家)○○○○○号 後見開始申立事件

申立人   C3 (=本人Mの長女)

候補者   GC1 (=本人Mの孫)

調査官   K参与

 

C3・GC1「問題人物Wには重大な犯罪行為の疑いがあり、本件妨害、財産隠匿、さらにはMの身に危害を加える可能性があるので、本申立が一切知られないようにして欲しい」 申立人;C3 後見人候補者:GC1  以下「申立人」はGC1

K参与「了解した。そのようにする」

 

5月21日    後見開始申立、翌日の再聴取。

申立人    GC1

調査官    S家庭裁判所調査官

S調査官「K参与は秘匿すると言ったが、裁判官は、問題人物に通知して意向を聞くよう指示している」 (裁判官=A判事)(問題人物=W)

申立人「問題人物Wは祖母M入院時に必要な治療をさせずに安楽死を図っており、通知することで祖母の身に危険がおよぶおそれがある。伯母W1の墓を暴いて追い出すなど、何をするかわからない。通知は認められない」  (筆者GC1からみてMは祖母、W1は伯母)

S調査官「では、安楽死未遂・墓所陵辱について調査し、A裁判官に報告する。詳細を書き送れ」

申立人「了解した」

 

5月22日  ○○園・○○○○病院に関する資料郵送。「問題人物Wは表見相続人である」。

5月31日    C3・GC1、都心の病院へ通院、不在時、調査官より登記簿・遺言書の送付を求める電話あり。   

 6月  1日  調査官より登記簿・遺言書の送付を求める書面届く。

   2日  登記簿・遺言書発送。

申立人(書面)「民法891条5号により、問題人物は『表見相続人』である」

証拠(登記原因証明情報)の提出を法務局に求めるよう依頼す。

 

 7月初旬  法務局より偽造遺産分割協議書が裁判所に提出される。

 

 

NB:

母Mの相続する財産はない。

妻Wの相続する財産。

 

母Mの印は三文判

住所の筆跡は母M・妻Wにおいて同一

さいたま市A区

さいたま市A区

この時点において母MはB区居住

 

 

 

 

作製したのは司法書士であるが、M

 

 

 

7月 6日  調査官より呼び出し、家裁にて面談。法務局より「登記原因証明情報」提出済なれど、なおもA裁判官、問題人物Wに通知せよ、との指示。これに対して申立人、「問題人物は表見相続人であるので通知は不適切」であると主張。

NB:この時のやりとり。

調査官「あなたから求められた資料が法務局から提出された」

申立人「それは偽造された遺産分割協議書であり、祖母に相続放棄させる内容のものか」

調査官「お答えできない」

申立人「問題人物への本件通知は不適切だ」

 

7月11日発送(週末) 相続欠格立証の上申書。

申立人(上申書)「問題人物は相続欠格者であり、重大犯罪者であり、保全前の本件審理通知は『泥棒に追い銭』にて不適切、真正相続人の財産を保全するよう望む」

 甲第○号証

NB:「検認未済にて遺言書の隠匿、相続放棄させる内容の遺産分割協議書偽造、平成8年最高裁判例により違法利得で相続欠格、本件審理通知は泥棒に追い銭、家裁による保全を望む」との内容。

 

7月13日(月曜日) A判事、相続欠格と判断。

 

調査官(電話)「裁判官は上申書の内容を了承し、相続欠格であると判断した。被後見人の生活費がなんらかの理由で支払われなくなった場合に申立人が責任を持って支弁するという条件で、問題人物に通知はせず、弁護士を後見人に選任して保全をする」

申立人(電話)「支弁することを確約する。裁判所が家事審判規則に基づいて保全をしないのか」

調査官(電話)「それには時間がかかる。これが時間的に最短である。弁護士なら記録を見れば(相続欠格で保全せよということは)わかる。わかるように書いてある」

NB:この時点で文書化された「後見の方針」は存在していない。これはすべて「口約束」であり、担当者が異動となるといっさい話は通じない。このことが、被後見人にとって最悪の結果をまねくこととなる。

        

8月3日   後見審判。A判事に代わり、後見開始後はB判事が担当となる。注:この時点において、Dの相続に関して利害関係者ではないC3に対して、B裁判官は、偽造協議書すなわち登記原因証明情報の閲覧となる後見開始申立事件記録閲覧を認めなかった。

NB:このことが、被後見人に対する重大な人権侵害につながることとなる。被後見人Mが告訴・告発する権利が否定されてしまう。なんのための後見なのか。

 

8月 5日  審判書送達さる。

 8月23日  A後見人の事務所を訪ね事情説明。

申立人「裁判官は、相続欠格であるので、不法占有されている財産を保全せよ、とのことである」

後見人「裁判所は自分でやるのがいやなので、こちらにふってきただけだ」

申立人「不動産の取引をすぐに停止する必要がある」

後見人「不動産は即時取得だ」

申立人「(窃盗罪で)刑事をやってほしい」

後見人「(犯行当時非同居にもかかわらず)親族相盗で警察はとりあわない」

 

NB:最初から後見人には意欲はまったく感じられず、「いやいややっている」という態度であった。この時点で不動産取引を停止していれば二次被害は発生していなかった。家裁もA後見人も、いっさいこのことに配慮することはなく、社会的弱者の保護にというよりも、もっぱら自分の都合だけに、自分の責任を最小化することだけにしか関心がないように感じられる。

 

後見人より記録の一部を見せられる。

調査報告書「Wに対する調査は(A判事の指示により)不要となった」

遺産分割協議書についてはほんの一瞬、見させられたが、そのMの署名について、GC1は偽造であると考えていた。(じっさいには誘導署名)

 

 注:後見開始となっているため、後見人が遺産調査をし、権源が特定できれば、担保なしに家裁が保全できる。

 

NB:A元後見人の「弁明」によれば、この時点においてB判事・S調査官・S書記官・A元後見人との間での協議により「法定分の相続と和解の方針を決定した」とのことである。この決定については、家裁所長より「事実ではない」との書面が発行されている。

 

第2項 後見開始後 

 

平成○○年

8月24日

申立人(電話)「問題人物に本申立を通知したのか」

書記官(電話)「していない。ホームの被後見人宛に審判書を送達した」

申立人(電話)「問題人物から裁判所に本件に関して問い合わせがあったのか」

書記官(電話)「あった」

調査官(電話)「あったが、自分は電話には出なかった」(= 無視した)

書記官=S書記官  調査官=S調査官

 

8月24日 後見人および裁判所にM署名送付。

9月 2日 後見人の求めにより「身上監護専任」後見人追加選任申立書送付。

9月27日  裁判所にて申立、調査。 

調査官「今回は問題人物に話を聞け、というB裁判官の指示だ」

申立人「審判書が渡ってしまっているので仕方がないが、なにをするかわからない人物だ」

10月 8日 裁判所にて再び調査官と面談、C3・GC1。

11月 8日 M大腿骨骨折にて○○○病院に入院、手術。

NB:この時Wは後見人に電話し「義母さんに付き添いたい」などと発言し、これに対して筆者は「近寄らせるな」と求めている。

11月 9日  後見人より経過聴取。

申立人「なぜなにもしないのか」

後見人「後見人は裁判官の指示で動く。自分の考えで動くことはない」

申立人「なぜ刑事告訴しないのか」

後見人「刑事はやらない。親族であるので警察は受理しない」

申立人「・・・???」

 

申立人「遺言書の2枚目以降はどうしたのか」

後見人「聞いたが、ないと言っている」

申立人「ある。問題人物は〇○園で2枚目に相当する遺言書の存在を明言している」

後見人「事務所に呼んで話を聞いたが、弟が一緒に来た。だまってやったのは悪かった、3分の1は渡すと言っている」

NB:であるので、もしこのA後見人の主張どおり「後見開始時点において家裁は法定分の相続という方針」であったのであれば、この時点で解決済みであり、後述の遺産分割協議無効確認訴訟は不要である。

 

後見人「調査官より、問題人物の審尋にて、件の遺産分割協議書は、老人ホームに出向いて被後見人に内容を説明し、被後見人がそのとおりでよいと同意し、被後見人が自ら署名し、自ら捺印し、それを老人ホーム施設長等のスタッフが立ち会ったので証人だ、と主張しているとのことで、調査官が近々老人ホームに出向いて調査するとのことだ」

 

NB:このやりとりでわかるように、A後見人にはいっさい意欲も能力も感じられず、まったく財産調査をおこなっていない。後見制度の最大の問題点のひとつに、後見人にすべての権限が集中しており、ひとたび後見開始となると、後見人に悪意のあった場合には後見そのものが最大の虐待者となるということである。後見がこのように「恣意的」であって良いのか。いま、私たちが真剣に考えなければならない。この後見に関して、数多くの国会議員に「話を聞いてください」と訴えてきたが、誰ひとりとして返事はない。

後見人「家裁の指示がなければ何もしない」

家裁 「弁護士に対して指示などしない」

このように、家裁と弁護士が責任をなすりつけあっており、社会的弱者の人権保護という責任感はまったく感じられない。これが本件において、違法状態がまったく排除されず、被後見人が事実上、後見により、後見人により殺害されるという最悪の結果につながることとなる。

後見がこのように「恣意的」であって良いのか、「密室」であって良いのか。あるひとりの判事の頭の中だけの「方針」であって良いのか。いま、私たちが真剣に考えなければならない。この後見に関して、数多くの国会議員に「話を聞いてください」と訴えてきたが、誰ひとりとして返事はない。

 

 

11月10日  裁判所に電話

申立人「後見人より、問題人物の審尋にて、件の遺産分割協議書は、老人ホームに出向いて被後見人に内容を説明し、被後見人がそのとおりでよいと同意し、被後見人が自ら署名し、自ら捺印し、それを老人ホーム施設長等のスタッフが立ち会ったので証人だ、と主張していると聞いた。立場上答えられないならそれでよい。後見人はこれまで何もやっていない。すべて放置したままだ。あの後見人では必ず負ける。なにも理解できていない。裁判所より指導して欲しい」

調査官「3か月以上たって、まだ何もやっていない。B裁判官に伝える」

申立人「刑事はやらないと言っている」

調査官「刑事もやらなければならない」

申立人「相続欠格で保全するよう指示したのか」

調査官「弁護士に対して具体的な指示などするはずがない。記録を見ればわかる」

申立人「事件記録を見ても、自分がなにをしなければならないか理解できないような後見人だ」

調査官「このようなことは、いまだかつてなかった」

申立人「しっかりするよう裁判所が指導をしてくれ」

調査官「そのようにB裁判官に伝える」

 

11月11日  M手術成功。

11月12日  裁判所に電話、打ち合わせ。

12月 1日   「身上監護専任」追加後見人選任申立却下。GC1が身上監護専任でも後見人となると、登記原因証明情報の閲覧が可能となってしまうためと考えられる。

 

NB:後見人は「刑事はやらない」と言い、家裁は後見申立人すなわち実の子・孫に対し、偽造された遺産分割協議書の閲覧・謄写を認めず、被後見人Mは「告訴する権利」を事実上はく奪されている。後見がこのように恣意的であり、人権侵害そのものであって良いのか。この後見は、すべてが、犯罪の被害者である被後見人ではなく、加害者にとって最大限に有利となるように取り計られることとなる。そして、その違法状態は現在も継続している。

 

12月 5日  公証人にM署名公正証書作成を依頼。

 

12月10日  老人ホームに電話  施設長

申立人「ある人物が、ある重要な契約書類を、貴ホームに出向いて祖母Mにその内容を説明し、祖母Mがそのとおりでよいと同意し、祖母Mが自ら署名し、祖母Mが自ら捺印し、それを貴ホーム施設長およびスタッフが立ち会ったので証人だ、と主張しているが、それは事実か」

施設長「そのような事実はない。そのような報告を受けたこともない。ただし、件の問題人物Wが、しきりと被後見人Mに名前を何かに書かせていたことは一度ならず目撃した」

注:違法印鑑登録に関する委任状・確認書等における誘導署名が含まれると考えられる。

 

12月10日  裁判所に電話

申立人「遺産分割協議書に被後見人が同意して、自ら署名して捺印し、それを施設長等のスタッフが立ち会った、との問題人物の説明であるが、施設長から『そのような事実はない』との証言を得た」

調査官「了解した」

申立人「高齢者虐待防止法に基づき、認知症の高齢者に法律行為をさせれば違法であることは、福祉施設のスタッフはみな知っている。そのようなことを目撃したら通報する義務がある。祖母に見せた、祖母がそれで良いと言ったと問題人物が主張するであろうとことは想定内で、そのことは6月の上申書に書いている」

調査官「了解した」(この後、裁判所が老人ホームにて調査した模様。)

 

12月13日  公証人、ホームへ臨場、M署名録取。

12月15日午前 後見人より電話あり。

NB:その内容。

後見人「裁判官より指示があった。相続欠格ではないという指示だ」

 

12月15日午後 裁判所に電話。

申立人「後見人より電話があり、裁判官から、『相続欠格ではない』『遺産分割協議無効でやれ』と指示があったそうだが、本当か」

調査官「そのような事実はない」

申立人「ホームの施設長に立ち会ったかどうか確認したか」

調査官「ホームの施設長に話を聞いた。それ以上は答えられない」

申立人「相続欠格ですぐにやってほしい」

調査官「その時点での被後見人の判断能力について調査するよう後見人に指示を出した。B裁判官は、遺産分割協議書作成時点において、被後見人に健常な判断能力があったうえで同意したのであれば、それは相続欠格には該当しないと言っている」

NB:B判事は、「相続に関する被相続人の遺言(事項)」=「母Mに法定分」の「隠匿」について、Mの判断能力の有無(=じゅうぶんな判断能力の有無=未成年程度でよい)が成立の可否であると考えていた。もちろん、A後見人にはそのような法律知識は備わっていない。そもそも財産調査すらいっさいおこなっていない。

 

12月16日 裁判所にM署名公正証書提出。

 

平成23年

2月17日   後見人より電話あり、理解不可能。裁判所に問い合わせ。

申立人「後見人を裁判所に呼んで指導するとのことだったが」

調査官「先月そのようになった」

申立人「その場に同席したか」

調査官「した」

申立人「どういう内容か」

調査官「後見人から、遺産分割協議無効の訴訟をやりたい、との話があった」

 

(中略)

 

NB:同年2月に上記遺産分割協議無効確認訴訟が和解で終了し、A後見人によれば「遺産分割を完了した」とのことであり、同後見人の「弁明」によればその和解に先立って「家裁においてB判事・S調査官・B書記官・A後見人との間で和解の内容を決定した」とのことである。家裁が地裁における遺産分割を指示するとは初耳の珍説であり、A後見人の識見はおおよそこのようなものである。A後見人に代わり、元家裁判事であるB後見人が選任されている。この時のA後見人の辞任申立の理由は「(地裁で遺産分割を済ませ)任務を完了し、これですべて問題ないと考えるが、後見申立人との意見の相違があるため辞任したい」というものである。A後見人の「弁明」によれば「後見開始時点より、後見申立人は当該相続について無関係であるので、いっさい取り合わないことと家裁において決定した」となっている。上記申立理由が「相当と認め」られ、A後見人が辞任しているが、A後見人は後任のB後見人にこの辞任申立書とその審判書を提示し、さらには変造した家裁・地裁記録を渡し、違法状態がいっさい排除されないように工作をしている。そもそも後見人は、病気か遠隔地への転居以外に辞任は許可されないのが家裁の規定である。なぜ、上述のように「本件相続に関して無関係である申立人と意見が異なる」ことが辞任の理由となり、そしてこれが「相当」と審判されるのか。B後見人は、後見申立人との話し合いにすら応じず、被後見人に必要な治療すらいっさいさせなかった。A後見人から洗脳されていたものの、B後見人善管注意義務をいっさい果たさずに違法状態を固定化させ、身上監護義務を果たさないどころか治療妨害に加担して事実上、被後見人を殺害した。

 

 

平成○○年

5月14日  M 軽い脳梗塞にて入院 さいたま市立病院 (旧 浦和市民病院)

5月22日 退院

○○発症、点滴

6月3日 主治医と筆者面談、○○発症にて○○○○治療の選択を告げられ、母・C3よりMの治療に関する判断はすべて任せられており、これに同意。

主治医「子が同意すればそれでよい、手術が可能かどうかは担当医の判断にかかっている、あなたがMを病院に連れていくように」

6月5日 ○○○○病院にて診断、MRI等検査、手術可。

手術順番待ちにて19日入院、22日頃手術の予定

6月18日 ○○○○病院より入院・治療お断りとの通知あり、理由は問題人物W。病院に問い合わせるに、「家族と称する名前を名乗らない人物から1時間以上にわたり、同意していないと抗議の電話があり、病院の業務に支障が出た」とのこと。この治療妨害に対してB後見人は何もせず。原告、病院に対して事情を説明、懇願。

 

申立人「その者は患者とはアカの他人である。何の関係もない。亡くなった次男Dの後妻Wであるが、患者に対して数々の刑法犯罪をおかしている。患者を消滅させることが狙いで、平成○○年よりこのようなことを繰り返している。老人ホームの身元引受人となっており、そのために入院前には規則でホームから通知がいくが、治療を妨害するために身元引受人に居座っている。だが、患者の治療の選択に関して何も関係はない。本件に関しては、貴院に対して筆者が全責任を負うので、なんとか治療してほしい」

病院「子が同意すればそれでよい、改めて受け入れる」

だが、担当医師6月いっぱいにて退任することとなり、手術は不可能となる。

 

NB:B後見人はまったく身上監護義務を果たさず、筆者からの「治療をさせてもらえるよう後見人を指導してください!」との涙ながらの必死の訴えに、家裁はいっさい耳を貸さなかった。

6月19日 ホーム施設長と打ち合わせ、筆者GC1が受け入れ可能病院リストを作成し、これをもとに施設長が問い合わせ。

7月6日  ○○病院にて11日入院予定と決まる

7月10日  妨害にてキャンセル  病院に問い合わせるに、問題人物より「同意していない」との書簡が届き、トラブルをおそれた病院側が治療を断る。〇○病院は筆者GC1の開示請求を拒否。

 

S弁護士に相談。同弁護士、○○○○病院・○○病院に聞き取り調査、その一部始終を録音す。

 

以後、Wの妨害により、Mの治療が不可能となる。

 

Wは、必要な治療を妨害し、事実上Mを殺害した。

 

平成○○年 2月  埼玉県警察、Wを文書偽造罪にて書類送検。 

 

NB:S弁護士によれば、件の和解の内容は「正式な遺産分割であり、弁護士がプロとしての誇りにかけて最善を尽くした結果」とのことである。地裁の遺産分割とは極めて興味深い事案である。相続人・相続財産の範囲が確定され、訴外で遺産分割協議書が作成されているならば、それで解決となるが・・・し

 

 

第3節 家裁における相続欠格判断

 

第1項 後見事件調査報告書

 

甲第○号証・上申書を受け、相続欠格であるとA判事が判断したということに関して、筆者CG1は、さいたま家庭裁判所と粘り強く交渉し、その証拠となる文書の開示を求め、これに対して家裁は、門外不出であるS調査官作成の調査報告書を1枚のみ、担当裁判官の裁可により、訟廷事務室を通じて開示した。これが甲第○号証である。  

 

事件記録閲覧謄写申請書・同理由補足説明書 GC1筆     甲第○号証

後見事件調査報告書 B判事宛       S調査官筆   甲第○号証

 

真実の解明のためには、すべての事情を知るS調査官への証人尋問が必要不可欠であるので、同調査官を証人として申請する。

 

 

第1項            元・前後見人による不正 

 

さいたま家庭裁判所選任 M成年後見人 弁護士

A元後見人 弁護士   平成○○年8月 ~平成○○年12月

B前後見人 弁護士   平成○○年12月~平成○○年1月

 

上述の後見開始において選任されたのはA弁護士であるが、同元後見人の後見事務には不正があり、平成○○年12月、B判事は、同後見人に辞任を求めて更迭し、B弁護士を指名で後見人に選任した。そのS前後見人にも不正の疑いがある。

 この両名の非行・高齢者虐待等については、○○○○○において調査が継続中である。

 

 

第4節 平成23年540号事件

 

第1項 事件記録抄録

 

さいたま地方裁判所 平成○○年(ワ)第ABC号 遺産分割協議無効確認請求事件

平成○○年2月24日~同年11月18日           甲第○号証 

担当 C判事 

 

本件前訴となる事件であり、抄録を添付するが、概要は次のとおりである。

 

原告 「件の遺産分割協議書は、Mの意思に基づくものではないので無効である」すなわち「偽造であるので無効である」

被告 「無効であることを認める」すなわち「偽造であることを認める」

被告 「遺産分割をやりなおす」すなわち「不正な利益を得たことを認める」

 

偽造であることを被告Wに認めさせたのは、Y医師による診断書とともに、遺産分割協議書偽造2日前に作成されたケアマネージャーによる介護問診票の存在である。公的資格であるケアマネージャーは、認知症についても専門知識を有し、Mを問診のうえ、これを記録していた。それによれば、Mには財産管理能力が欠如していたことは明白である。

W被告側は、Dの遺志どおり母3分の1、後妻3分の2との分割にすると口では言いながら、じつは、ほぼすべての金融資産を隠匿し、事実上、すべての遺産を不法に占有したままとする戦略に出た。

現金預貯金の遺産が500万円強との開示であるが、遺言者はその3分の1で母親を有料老人ホームにおいて生活させろと言っている。500万円とは、Dの企業年金年額の3分の2以下である。Mのホーム費用が和解時点までに約1千万円必要となっている状況で、被告側弁護士は「被告の可処分所得は少ない」と述べており、この場合の可処分所得とは経済学上の意味のそれではなく、単に「被告には金がない」という意味である。

 

開示されたような僅かな遺産であれば、遺産分割協議書を偽造してまで、すなわち犯罪行為をおかしてまで手に入れる理由はない。すべてを取得しても、すなわち500万円を取得しても、有料老人ホームの費用を支弁することすらできない。では、どうして、さいたま市A区駅前のマンションを購入できたのか、どうやって弁護士に報酬を支払ったのか。さいたま地方裁判所(ワ)ABC事件における被告の経済的利益は5400万円と算定されたはずであるが、報酬はいくらだったのか。また、開示のような僅少遺産であれば、どうして被相続人が「その3分の1で母を」と遺言することができるのか。遺言書を読めばわかるとおり、遺言者は不動産売却を想定してはいない。

 

○○○○○○○株式会社研究所部長の遺産について、現金預貯金が500万円であれば、遺産はゼロ、浪費放蕩三昧のうえ無一文という意味であり、これはすなわち、すべて隠匿されているということである。Dの企業年金は、年額においてその1.5倍以上である。

だいいち、遺産分割協議書を偽造のうえ、被相続人の母親の治療を妨害して事実上殺害するような者が、遺産について真実を開示するものなのか。

後見人弁護士は一切、財産調査をおこなっていない。遺産分割協議書が偽造であると主張していながら、その偽造者の財産開示をこれでよしとしており、さらには、なにがなんでも被告を真正相続人に仕立て上げようとしており、極めて不可解である。

 

隠匿資産については後述する。

 

被告側弁護士は、当初より相続欠格の疑いのあることに気づいていた。そのため、「○○○○○なる書面」という文言をもちい、遺言書であると認めることを避け、その一方、時間を稼ぐため、M本人が同意したなどという無意味な主張を続け、その間に遺産を隠匿し、または隠匿させ、原告側が相続欠格であると主張してくる気配が微塵も感じられないことを確認したうえで、あるとき突然、「偽造であることを認める、不正な利益を得たことを認める、遺産分割をやりなおす」と持ち掛けており、当初より、相続欠格となるくらいなら3分の2で大勝利と考えていた。

 

 

第2項  相続欠格上申書

 

さて、平成○○年5月7日、筆者GC1は、平成○○年(ワ)ABC号事件担当裁判官に上申書を送り、これは同年5月10日受理され、同事件記録に綴じられている。 

                                           甲第○号証

 

その上申書は、次のような内容となっている。

 

1.被後見人「M」は、相続開始時に遡及してその次男「D」の唯一の真正相続人である。

2.被後見人「M」次男「D」による平成○○年9月27日付自筆遺言書は民法に規定された遺言事項を包含しており、「相続に関する被相続人の遺言書」であると認められ、同遺言書は所轄裁判所による検認が未済である。

3.被告は同遺言書の検認請求義務者であるが、昭和41年12月17日東京地裁判例および平成11年2月17日千葉地裁八日市場支部判例により、検認請求義務者がこれを怠ると遺言書の隠匿に該当する。

4.平成9年1月28日最高裁判例により、隠匿し、それにより不当な利益を得る意図があった場合に民法891条5号が適用となる。本件においては、すでに「不当な利益を得る意図」が「実現」してしまっている。

5.昭和3年柱書により、民法891条は当然発生主義により適用され、相続欠格の効果は直ちに発生し、さらに、(大審院判例により)欠格事由が相続開始後に生じた場合には相続開始日に遡及するため、被告は相続開始日にさかのぼって相続人ではなく、現時点において相続資格を有しない。

6.したがって、被告は遺産分割・遺産分割協議の相手方ではなく、被後見人「M」の協議相手方ではない。

7.よって、被告は「D」相続において無関係であり、本訴訟において被告たる資格を有しない。

 

すなわち、被告は相続欠格者であるので、そもそも当事者適格を欠く、訴訟自体が成立しない、という内容である。

民法に規定された遺言事項が記載されているので「相続に関する被相続人の遺言書」であり、検認未済であるからその隠匿であると述べており、これは通説・判例に照らして正しい主張である。

 

この上申書により、ABC事件担当のC判事は、被告が相続欠格者であり、当事者適格を欠くことを認識していたが、原告後見人から一切言及がなく、判断を示すことができなかったため、苦肉の策として、表面上はすべて解決済のように見えるが、じつは相続関係について何も解決しない内容の和解とした。さらにそれよりももっと深い意味が込められていたことについては後述する。

 

この和解の内容は、ABC事件・C裁判官が相続欠格と判断していたことの証左となるものである。

 

なお、原告の後見人弁護士は、家裁の方針に反して、被告が真正相続人であるとうそぶき、法定分の遺産分割と和解の内容につき、家裁B裁判官が裁可したと主張している。

甲第○号証

この主張に関して、筆者GC1は、A元後見人の弁明書を家裁に提出し、その内容の真否について情報の開示を求めたところ、平成○○年11月、さいたま家庭裁判所・○○○○所長名にて、司法行政文書不開示という形で情報が開示された。それによれば、元後見人のいうような決定は存在しないとのことである。

                                                                     甲第○号証

 

 

第3項 和解調書

 

和解内容     和解調書 甲第○号証

 この和解により、元・前後見人は、すべて解決済と主張していた。そして、原告が相談した多数の弁護士、さらには、さいたま家庭裁判所○○支部平成○○年(○○)○○○・○○○号審判を担当したS弁護士も、次のように評価していた。

 

 この和解における遺産分割の結果、Mは500万円を相続した。

 不動産売却等につき、これによりすべて解決済となっている。

 この和解は、相続人の範囲を含めて遺産分割をしている。

 清算条項により、遺産分割は完了し、すべて解決済となっている。

 C3・GC1には何もできない。

 

 この和解調書の存在により、Dに関する相続・遺産分割はすべて解決済であり、Mから権利・義務を承継しただ一審原告・控訴人には何もできないと、相談した数十人の弁護士はすべてそう言った。

 

転機が訪れたのは、平成○○年3月のことである。 

 

この和解は、法形式が遺産分割ではない。

有効な遺産分割が存在しない。

担当裁判官は一切、物権を手当していない。

それは「上申書」の存在がためである。

 

これにより、次の事実が判明した。

 

遺産分割協議書が無効となっているが、これに代わる有効な遺産分割は今も存在しない。

どこにも「Dの相続人は次のとおりである」との記述はなく、相続人の範囲について一切、事実認定が存在しない。

どこにも「相続財産は次のとおりである」との財産目録がなく、遺産の範囲について一切、事実認定が存在しない。

当該和解は遺産分割ではないため、和解金は遺産分割金ではなく、偽造・窃盗という犯罪行為に対する迷惑料・慰謝料といった性格のものであり、まさに「和解金」である。

この和解により登記原因が無効となり、登記そのものが違法状態のままとなっている。

C裁判官が一切、物権を手当していないのは、遺産分割ではないからであり、それはだ一審被告・被控訴人が当事者適格を欠くため、すなわち相続欠格者だからである。

和解金の算出方法は、同一勘定科目につき、原告側は控除、被告側は控除なし等不可解にも見えるが、これは被告側弁護士が一方的に述べているだけであり、じつは500万円の算出根拠は、被告申告による現金預貯金が500万円強であり、Mに所有権の存在することが確実であった資産がこれだけしか確認できなかったからである。不可解な算出によっても7百数十万円であったが、C裁判官は、後見人弁護士からの「せめて600万円にしてくれ」との要求をはねつけ、500万円としている。

清算条項は、記載された条項の他に一切の債権債務が存在しないことを確認しているだけである。本件に関し、との文言が存在しないが、これはただ単に、和解時点において他に一切の債権債務が存在しないというだけのことである。この和解は、法形式が遺産分割ではない。この和解時点において、有効な遺産分割は存在していない。そして、いまも遺産分割は未済である(相続欠格であるので遺産分割は不可である)。よって、仮にDの相続人が複数であったとしても、未済である遺産分割に対して清算条項はまったく効力が及ばず、物権が一切手当されていないため、被告による財産処分はすべて無効となっている。Mおよび(その相続人)C3は、物権について何も承認したことはない。

遺産分割と言っているのは被告側弁護士だけであり、ABC事件担当・C裁判官はひとことも遺産分割とは言っておらず、そもそも地裁で遺産分割は不可である。

この和解調書を持参したところで、口座の承継も登記も、何もできない。

 

よって、この和解は相続とはまったく関係がなく、無効にする必要性は存在しないが、和解無効の訴えだけ取り下げを求めることは手続き上不可能であるので、御庁においてよろしく配慮されたい。

登記抹消については、現時点において、有効な登記原因が存在せず、これをもって法務局が職権にて登記を抹消すべきところ、相続欠格であるので当然に登記が抹消されなければならない。いずれにしても抹消となる。

 

C裁判官は、500万円の和解金を遺産分割と思わせて被告側をぬか喜びさせ、それでいながらひとことも「相続財産の範囲」について言及していない。すなわち、相続人の範囲・相続財産の範囲をいっさい認定してないのである。なぜそれがないのか。それは、相続欠格だからである。

 

この和解調書には、「Dの相続人」としての当事者の表示が存在しない。

これは、どういう意味を持つのか。

 

NB:本訴開始時点における当事者の表示は「D相続人M・W」となっているが、その「D相続人」の表示が消え、単に「M・W」との表示となっている。。

 

 

第4項 欠格効果の発生

 

実体法上、判決や宣告なしに、この和解時点ですでに第一審被告・被控訴人Wは「当然に」相続欠格者として、Dの相続人としての地位を失っている。その根拠は次のとおりである。

 

「相続欠格者は、当然に(何ら手続を経ることなく)、相続人となり得る資格を失う」

(民891柱書。昭和3年1月18日民第83号回答)

「欠格事由が相続開始の後に生じた場合には、その効力は、相続開始の時に遡及する」

(大審院判決 大正3年12月1日民録20輯1091頁)

 

和解調書1行目で遺産分割協議書が無効とされたことにより、隠匿および不正利益が確認され、この時点において、裁判所の判決・宣告などなしに、当然に、相続欠格の効果が発生している。つまり、和解時点において(NB:構成要件が公文書となったことにより)、Wは相続欠格となったのである。

欠格の効力は相続開始時点に遡及するため、これが理由で遺産分割協議書が無効となり、その協議書が行使された手続きもすべて無効となっている。

ABC事件担当・C裁判官はこれを知っていたが、だれからも言及がなかったため、自ら判断を示すことができなかった。

C裁判官は、すべて日本国法規に基づいて適正に事件を処理し、当該和解調書をその内容において「相続欠格確認調書」としておいたのである。瞠目すべき深謀遠慮というべきであろう。

 

注:当該遺産分割協議書は、もともと方式違反である。作成したのは、作成権限のない司法書士であり、本人意思を一切確認していない。さらに、財産移転の契約書でありながら、財産目録が存在しないという「どんぶり勘定」となっている。遺産分割協議の方式において民法の規定は存在しないが、財産移転の契約書としての方式に準拠しなければならず、たとえば、金融機関の支店名・口座番号・残高が明記されていなければならない。このような遺産分割虚偽書、いや、協議書が受理されてはならない。

 

 

第5節 被告が認めた重要事項 

NB:第一審被告・被控訴人が認めた重要事項 

 

○○年ABC号事件~○○年DEFG・HIJK号事件

 

○○年ABC号事件から○○年DEFG・HIJK号事件、第一審被告・被控訴人Wは次の事項を認めている。

 

1. 遺産分割協議書が無効であることを認める。 = 偽造であることを認める。

2. 遺産分割をやり直す。= 不正な利益を得たことを認める。

NB:「遺産分割のやり直しにあたってはDの遺志を尊重する」

3.「○○○○遺言書」はD自書である。(NB:遺言書の表題)

4.提出されている「○○○○遺言書」は、平成○○年4月7日、第一審原告・控訴人C3に対して送付したものであることを認める。

5 「○○○○遺言書」は公正証書の下書きである。= 相続分の指定に関して、これがDの自ら表明した最終的な処分意思であると知っていたことを認める。

 

 すなわち、民法902条相続分指定に関するDの終意を隠蔽し、遺産分割協議書偽造により不正な利益を得たことを自白しているのである。

 第一審被告・被控訴人W側は、ABC事件提訴直後、相続欠格である可能性に気づき、慎重にこれを回避する戦略をとったが、原告後見人から相続欠格に関して言及がなかったため、相続欠格の可能性はないと判断し、当初より3分の2を取得するつもりであったため、隠匿プラス不正利益を認め、結果として相続欠格構成要件をすべて自白することとなった。

 

NB:  

遺産分割協議書が偽造であることを認める。

Dの終意思を知っていたことを認める。

Dの終意を隠蔽したことを認める。

Dの終意とは異なる不正な利益を得たことを認める。

 

以上の「自白」が公文書となっている。

 

 

第1章 第一審の評価

 

第1節 第一審における重大な過誤

 

 第1項 第一審判決

 

まず、第一審判決をそのまま引用する。

 

当裁判所の判断

1 本件文書は 遺言書といえるのかについて

  前記前提事実によれば、本件文書には、作成者の氏名を自署した部分がなく、押印も

ない。また、本件文書には2枚目以降の続きがあると認めるに足りる証拠はない。そうすると、本件文書は自筆証書遺言の要件を満たさず、遺言書として有効なものであるとは

言えない。

  これと異なる原告の主張は採用することができない。

 

 

2.被告が本件文書を隠匿したといえるのかについて

   上記のとおり、本件文書には2枚目以降の続きがあることを認めるに足る証拠はないところ、前記前提事実によれば、本件文書の内容は、本件遺産分割協議書の内容と一致しない部分もあるが、被告は、善次一周忌の後に、原告の求めに応じて、本件文書を原告に送付して、その内容を明らかにしているのであるから、これを隠匿したということはできない。

  原告は、被告が本件文書について検認を経なかったことをもって隠匿であると主張するが、上記のように本件文書の存在が明らかとなっていた事情の下では、検認を経なかったことをもって直ちに隠匿したと評価することは困難であると言わざるを得ない。

 

 

第2項  第一審の理論

 

上記を基に、その依拠する理論をまとめると次のようになる。

 

1A 

相続に関する被相続人の遺言書とは、自筆遺言証書のことである。

自筆遺言証書という物体を隠匿することが、891条5号所定の隠匿である。

欠格事由を生ぜしめるのは、法定外形具備において有効に成立した自筆遺言証書のみである。

検認未済の遺言書につき、検認請求義務者以外の者には、その法定外形具備を立証する責任がある。

 

2A

共同相続人以外の者に、不正利益取得後に開示すれば、隠匿とはならない。

非利害関係者も隠匿行為の客体である。

 

 

第3項 第一審理論の考察

 

上記について吟味する。

 

1Aの解釈

 内容が法定遺言事項でなくても、自筆遺言証書の法定外形を具備しているものが891条5条所定の「相続に関する被相続人の遺言書」である。

 隠匿の行為者は、隠匿行為により不正な利益を得たのち、隠匿行為を継続すれば891条適用を免れることが可能であり、法定遺言事項の存在する部分を公開しても、押印のある部分を開示しなければ、どのように不正な利益を得ても免責となり、であるならば、破棄行為により簡単にその目的を達成することができる。

 検認請求義務者には、検認未済により原状を不明とした遺言書について責任はなく、封緘された封筒に印があれば法定外形具備につき可とした最高裁判例があるが、検認の場以外で開封し、その封筒をも隠匿している者に一切責任はなく、すべて相続欠格を主張する側に立証責任がある。

 

 注:最高裁判例は、破棄行為・隠匿行為につき、取り扱いの整合性を意識しており、この二者における基本的な性格について同一視している。その基本的な性格とは、遺言者の終意を破棄・隠匿すること、すなわち破棄・隠匿により遺言者の最終意思を隠蔽することである。相続欠格を主張する者の立証責任は、破棄・隠匿において整合したものとなる。

 

「相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、相続人の右行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、右相続人は、民法891条5号所定の相続欠格者にあたらないものと解するのが相当である。けだし、同条5号の趣旨は遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにあるが、遺言書の破棄又は隠匿行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、これを遺言に関する著しく不当な干渉行為ということはできず、このような行為をした者に相続人となる資格を失わせるという厳しい制裁を課すことは、同条5号の趣旨に沿わないからである」

(最高裁判決平成9年1月28日)

 

 破棄とは、遺言書の焼き捨て、切断、一部の切り捨てなど遺言書自体の有形的破棄の場合のほか、記載内容を識別できないようにする抹消も含まれ、その結果は破棄・隠匿ともに同じであり、被相続人が表明した最終意思の実現を妨げるというものである。

 破棄行為であれば、外形具備を立証することが可能かどうか、では、隠匿行為ではどうなのか、合理的思考があるならば、自明の理である。

 

 ちなみに、民法891条5号は、前段と後段とでは別な規定である。

 

相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄又は隠匿した者。

 

 破棄又は隠匿により、被相続人の相続に関する遺言を隠蔽した者。

 偽造又は変造により、被相続人の相続に関する遺言を捏造した者。

 

 偽造・変造は、捏造された遺言状が存在する場合の規定であり、破棄・隠匿は、遺言状が存在しない場合の規定である。

 

 

2A 第一審理論

 共同相続人以外の者に、不正利益取得後に開示すれば、隠匿とはならない。

利害関係者以外も隠匿行為の客体である。

 

2Aの解釈

 検認請求義務者がこれを怠っても何の問題もない。

 検認未済により遺言書の原状を確保せず、遺言者の終意を共同相続人に隠蔽したうえで不正な利益を得ても、そののち、共同相続人以外の非利害関係者に遺言書の一部を開示すれば、相続欠格となることを免れることができる。

 遺言書の保管者が、被相続人の終意を隠蔽して不正な利益を得ることは合法である。

 

 

第2節 誤審の考証

 

第1項 泰斗の見解

 

 以上のとおり、第一審判決の理論は、これまでの判例・通説とはまったく異なる独特のものである。その誤りについて詳述するが、その前にまず、泰斗・○○○○先生の見解を示しておく。

 

「法的に有効な遺言と、外形具備において有効に成立した遺言書とは別物である」

「遺言の隠匿は、遺言状の隠匿のことではなく、遺言そのものを隠匿することである」

「有効に成立した遺言とは、遺言書の作成によって成立したものではなく、遺言意思を自ら表明したことにより有効に成立した法的変動のことを言う」

 (○○○○先生)NB:筆者が指導を受けた著名な民法学者のお名前が入る。

 

 

第2項 誤りの源泉

 

第一審 「本件文書は自筆証書遺言の要件を満たさず、遺言書として有効なものであるとは言えない」

 

注釈民法「(隠匿により欠格の対象となるのは)有効に成立した遺言に限られる」『新版注釈民法 28』( 238頁 加藤永一 )

 

 判決担当者は、『注釈民法』を参照し、891条5号隠匿の項・遺言の項において「有効に成立した遺言に限られる」との文言を発見し、この「遺言」を「遺言書」と誤って理解したと考えられる。判決文においても、「遺言」と「遺言書」との区別ができていない。

 

 法律用語としての「遺言」と「遺言書」とは、まったく意味が異なる。

 

 民法上の「遺言」とは、「最終意思の表示」である。

 

 そのうえに、自筆証書遺言における遺言書の法定外形について、大審院判例・最高裁判例とは異なる独自の見解を述べている。また、遺言に関する判例の知識については疑問符をつけざるを得ない。

 文献・判例において、遺言状・遺言証書を意味する場合には「遺言書」と表記され、「遺言」と表記される場合には遺言行為・遺言事項を意味しており、『注釈民法』を熟読すれば、「遺言」と「遺言書」とが厳密に区別されていることがわかる。これは、法学の徒であるならば、もっとも基礎的な知識である。

 

 次の2判例において、このことがよく理解できる。            

 

「民法891条5号の趣旨は、遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにある」

(最高裁判決平成 9年1月28日) 

「民法891条5号の趣旨は、『遺言行為』に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して」

 参考までに、上述の○○先生の見解をあてはめると、次のようになる。

「民法891条5号の趣旨は、(被相続人が)遺言意思を自ら表明したことにより有効に成立した法的変動に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにある」

 

「遺言書の検認は、遺言書の形式、態様など遺言の方式に関する一切の事実を調査して、遺言書の状態を確保しその現状を明確にする一種の検証手続きで、遺言の内容の真否、その法律上の効力の有無など遺言書の実体上の効果を判断するものではない」

(福岡高裁判決 昭和38年4月24日)

「『遺言行為』の方式に関する一切の事実を調査して」

「『遺言事項』の内容の真否、『遺言事項』の法律上の効力の有無など遺言書の実体上の効果を判断するものではない」

 

 民法上の「遺言」とは、死後の法律関係を定めるための「最終意思の表示」である。

 民法960条以下にいう「遺言」とは、この最終意思の表示、すなわち遺言行為および遺言事項をさす。法律用語で「遺言書」とは、「遺言証書」「遺言状」という物体をさす。

『注釈民法』隠匿項目にいう「有効に成立した遺言」とは、「法的に有効な遺言事項」をさし、「有効に成立した遺言を隠匿した場合に限られる」とは「法的に有効な遺言事項を隠匿した場合に限られる」という意味である。

 

遺言  = 形而上 = 遺言行為・遺言事項 → 破棄・隠匿

遺言書 = 形而下 = 遺言証書・遺言状  → 偽造・変造

 

 日本語における思考においては、冠詞が、また名詞において数・性の概念が存在せず、しばしばこのような混乱が生じるが、英語・仏語等における思考においては、このような錯誤は起こりえない。英語・仏語等で思考可能であれば、日本語においてもその論理で思考することが可能であり、このように読み間違えることはありえない。また、英語文化において、検認未済の遺言書外形につき、検認請求義務者以外の者に立証責任があるなどという論理は成立しない。日本語において、読み手には、細心の注意を払って真意を解釈する責務がある。

 

 

第3節 正しい理解

 

 通説・判例による正しい解釈は次のとおりである。

 

1B

 

 相続に関する被相続人の遺言書を隠匿することとは、相続人・相続財産の範囲に直接間接に影響を与える内容の、被相続人が自ら表明した最終的な処分意思を隠蔽し、それとは異なる不正な利益を得る目的において被相続人の遺言行為に不正な介入をすることで、被相続人が自ら表明した最終意思の実現を妨害することであり、相続人・相続財産の範囲に直接間接に影響を与える内容の最終的な処分意思は法定遺言事項として表明され、その遺言事項につき、無効であれば隠匿された側に実害は生じないため、法的に有効に成立した遺言事項に限られる。

 

「民法891条5号の趣旨は、遺言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民事上の制裁を課そうとするところにある」

(最高裁判決 平成9年1月28日)  

「被相続人の最終的な処分意思を害し、不当な利益を得る意図に出たのが民法891条5号にいう隠匿」

(大阪高裁判決 平成13年2月27日)

 

 

2B

 

 共同相続人に対して隠蔽するか、検認請求義務を怠れば、その時点で隠匿は既遂となり、その後に共同相続人に対して開示をしても隠匿が成立する。隠匿が成立するのはあくまでも不正な利益を得る対象である共同相続人に対してのみであり、推定相続人等の者には利害関係はない。

 認知症の共同相続人から不正な利益を得たならば、相続に関する被相続人の遺言書を示

していても隠匿が成立し、それが公正証書遺言によるものであっても、認知症の共同相続人には自己の意思によりこれを認識できないため、これも隠匿が成立する。公正証書が隠匿とならないとの判例は、共同相続人が自らの意思において検索することが可能であるから、としている。

 判例により、検認請求義務者がこれを怠れば遺言書の隠匿に該当するが、たとえ検認を経ていても、共同相続人が認知症である場合には、不正な利益を得たことが認定されれば相続欠格となる。すなわち、認知症の共同相続人から不正な利益を得たならば、どのような場合でも相続欠格となるのである。

 

 被相続人の終意に反する不正な利益を得たことが、すなわち、被相続人の終意を隠蔽し、客観的にその終意とは異なる遺産の帰属を生ぜしめたことが、遺言妨害として欠格事由とされるのである。

 

 ちなみに、次のような時系列的前後関係がある。

被告 遺産分割協議書を偽造  平成○○年4月27日 この時点で検認未済

原告 遺言書の一部を入手   平成○○年4月 7日  注:翌年

(NB: 被告=第一審被告=被控訴人   原告=第一審原告=控訴人 ) 

 

「遺言書の執行を妨げるため保管者から遺言書の交付を受けこれを返還することも検認手続の申立てもしなかったときは、遺言書の隠匿に該当する」

(千葉地裁八日市場支部判決平成11年2月17日)

 

注:偽造・変造・破棄・隠匿を防止するため、平成30年7月6日、遺言書保管法が成立し(同年7月13日公布)、「民法第968条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書」につき、近く、法務局において保管が可能となることとなった。遺言書保管所に保管される遺言書については、 遺言書の検認(民法第1004条第1項)の規定は適用除外となる。

 

民法第968条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書=自筆遺言証書=いわゆる「自筆証書遺言による遺言書」

 

 

第4節 語義

 

 基本的なことではあるが、語義を正しく理解することが、民法891条5号の法意を解釈するためには必要不可欠である。以下、重要な語義について記す。

 

一般用語

遺言 (ゆいごん)  : 主に遺言状を意味するが、遺言事項である場合もある。

遺言事項は「遺言の内容」と表現されることが多い。 

遺言行為は「遺言で」「遺言により」と表現される。

 

 

法律用語

遺言 (いごん)   : 最終意思の表示  =   遺言行為・遺言事項

遺言書        : 遺言事項を記述した書面  遺言状 遺言証書

遺言証書       :              遺言書 遺言状

遺言状        :              遺言証書 遺言書

 

注:法律用語では「遺言」と「遺言書」とは別の語である。遺言とは意思表示をさし、その遺言を文字情報にて記録した書面を遺言書・遺言証書・遺言状という。遺言は形而上の遺言行為・遺言事項であり、物体を意味しない。これに対して遺言書は形而下の物体を意味し、遺言行為・遺言事項を意味しない。つまり、「遺言」とは、形而上の「被相続人による最終意思の表示」を意味するのである。「遺言」は「遺言書」を意味しない。著名な学者による文献、重要判例は、すべてこのとおりとなっている。「遺言」を「遺言書」の意味で用いること、「遺言」を「遺言書」と解することは、重大な誤りである。

 

遺言公正証書  : 公正証書遺言による遺言書

自筆遺言証書  : 自筆証書遺言による遺言書

公正証書遺言  : 公正証書による遺言行為・遺言事項

自筆証書遺言  : 自筆証書による遺言行為・遺言事項

 

注:自筆証書遺言とは、自筆の遺言書のことではなく、自筆の遺言書による遺言行為・遺言事項を意味する。公正証書遺言とは、公正証書の遺言書のことではなく、公正証書の遺言書による遺言行為・遺言事項を意味する。「自筆証書遺言」を遺言書の意味で用いること、「自筆証書遺言」を遺言書の意味で解することは、重大な誤りである。

 

注:遺言書保管法「民法第968条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書」

   

                             No One Is Above the Law

 

 

 

  読者諸賢におかれては、いったいなぜこのような判決となるのかと、いぶかしんでおられることと思う。これより複数回にわたって、主張書面の内容を示す。

 この主張書面は、『注釈民法』『註釈相続法』『相続法』(中川善之助 有斐閣)『相続法の基礎』(青林書院)等多数の家族法文献を入手して熟読理解のうえ、そのうちの一冊の著者である著名な民法学者を直接お訪ねして個人授業を受け、その指導を受けて作成し、「素人のおばさん」が提出して正式に受理されたものである。その内容は、これまで述べてきたものと同様である。

 公開の法廷に提出されたものであるが、ここに開示するにあたってはプライバシーに配慮し、また、読者の理解を助けるために随時、NB・解説を付す。本文中の「注」は原注である。

 また、この主張書面には上述の文献をはじめとする多数の書証が添付されており、問題となっている遺言書・偽造された遺産分割協議書等も含まれ、これについても可能な限り開示してゆく。

 

第1章 第一審の評価

第2章 これまでの経緯

第3章 高裁への控訴

第4章 相続欠格

第5章 固有必要的共同訴訟

第6章 相続回復請求

 

 

第4章 相続欠格

第1節 正しい解釈、規範となる判決

第1項 相続欠格は、相続法においてもっとも難解な項目であり、正しく理解している者は皆無である。第一審原告・控訴人に有利になるよう取り計らうという狭量な意図からではなく、民法891条5号隠匿の法意につき、正確な理解を提示することを主眼とし、以後、基準となる高裁判決、のちの世において規範となる判決を御庁に求めるものである。

 

 

第2節 民法891条5号の法意

 

第1項 相続に関する被相続人の遺言書

相続権不存在確認請求控訴事件

東京高等裁判所 平成31年1月16日

第3 当裁判所の判断

1 当裁判所も、控訴人の請求はいずれも理由がないから棄却するのが相当であると判断する。その理由は、次の通りである。

2 請求①について

(1)

本件文書には作成者の氏名を自書した部分がなく押印もない。また、本件文書2枚目以降の続きがあることを認めるに足りる証拠はない。そうすると、本件文書は民法968条1項の規定する自筆証書遺言の要件を満たさず、遺言書として有効とはいえない。

したがって、本件文書は民法891条5号の「相続に関する被相続人の遺言書」に該当しないから、被控訴人Wが本件文書の検認を経なかったことをもって、同人が同号の「相続に関する被相続人の遺言書を隠匿した」ということもできない。

(2)控訴人C3は、本件文書はその記載内容からその被相続人の名の自署のある自筆証書遺言として有効であると主張するけれども、本件文書には作成者の氏名の記載及び押印がなく、民法968条1項の規定する自筆証書遺言の要件を満たさないものであることは前示のとおりである。

 控訴人C3は、本件文書に2枚目が存在しないことの立証責任は被控訴人が負うとすべきであると主張する。しかし、相続権不存在請求訴訟において、民法891条所定の相続欠格者であることの主張立証責任は、これを主張する者が負うから、本件文書が「相続に関する被相続人の遺言書」であることは控訴人において主張立証すべき事柄である。したがって、控訴人C3の上記主張は採用することができない。

 さらに、控訴人C3は、隠匿の対象である遺言書が法律上の要件を欠いた無効な遺言書でああっても、民法891条5号が適用されるべきであると主張するけれども、同号の明文に反する独自の見解であって採用の限りではない。

 

 

解説

 

検認請求義務は本件のみについては適用されない。

 

民法上の「遺言」とは、「最終意思の表示」である。

有効な遺言とは、法的に有効な内容の「最終意思の表示」である。

有効な遺言とは、外形具備において有効な遺言書という意味ではない。

 

相続に関する被相続人の遺言とは、相続法上、限定的な意味を有する専門用語である。

 

相続に関する被相続人の遺言書の隠匿(=意思の隠匿)と、単なる遺言書の隠匿(=紙の隠匿)とは別物である。

 

相続に関する被相続人の遺言書の隠匿とは、遺言書という物体の公開を妨げ、また、その原状を不明とすることにより、その遺言書内に存在した「相続に関して被相続人が自ら表明した最終的な処分意思=遺言」を隠蔽し、その最終意思の実現を妨害したうえ、その終意(=遺言)とは異なる不正な利益を得ることである。

 

「(隠匿により欠格となるのは)有効な遺言に限られる。違法利得をしようとする意図こそが制裁の対象であると解されるから」『注釈民法』

意味

「その最終意思(=相続に関する被相続人の遺言)が法的に有効な内容でなければ、その終意を隠蔽して不正な利益を得ることにはならない」

 

これらは、法学の徒であるならば、もっとも基礎的な知識である。

 

相続に関する被相続人の遺言書の隠匿 ≠ 遺言書の隠匿

相続に関する被相続人の遺言書 = 相続に関する被相続人の遺言を包含する遺言書

相続に関する被相続人の遺言 = 相続人・相続財産の範囲に直接間接に影響を与える内容の遺言

遺言 = 最終意思の表示 ≠ 遺言書

有効な遺言 ≠ 外形具備において有効な遺言書

 

検認請求 → 義務 民法1004・1005条 → 原状保全行為 未開封のまま家裁に提出しなければならない 

 

検認未済 = 原状不明 = 遺言書という物体の隠匿

このように「検認未済」と「原状不明」とは「家族法では同義語」である。

 

これまでの裁判例はすべて、検認請求義務者がこれを怠ると遺言書の隠匿。

 

その遺言書内に「相続に関する被相続人の遺言」が存在し、その「遺言」を共同相続人などの利害関係者に「隠匿」したうえ、被相続人の最終意思の実現を妨害する不正な利益を得ることが相続に関する被相続人の遺言書の隠匿。

 

M 被相続人母

  C1第一子 C2第二子 C3第三子(控訴人 第一審原告)

D 被相続人 = C2 (M第二子)

W 被相続人後妻    (W1 被相続人前妻)(被控訴人 第一審被告)

被相続人Dには、W1・Wとの間に子はない。

Dの法定相続人はMとWとなる。

1.D(本人名)の財産は全部W(名)に譲渡する。 

  母M(名)がD(名)より長生きした場合にはM1/3,  W2/3となり、

  M分1/3はMの老後に使用する。その面倒はWが

  最後までみる。

 

 

故意1 相続に関する被相続人の遺言の隠匿

検認未済の遺言書内に「母Mに3分の1、後妻Wに3分の2」との1項があり、これは「相続財産の範囲に直接影響を与える内容の遺言」=「相続に関する被相続人の遺言」であり、「法定分を相続させる」という意味であるので「有効な遺言」=「法的に有効な遺言事項」であり、この遺言書は検認が未済であるうえ、重度の認知症である母Mには事理弁識能力が欠如しており、(有効な)「相続に関する被相続人の遺言」は当該相続に関して利害関係者である母Mに隠匿されている。

 

故意2 違法利得

「母Mが相続する財産はない」との遺産分割協議書が偽造され、これが法務局・金融機関において行使されている。

 

1.母Mの相続する財産はない。

 

住所氏名上段がMであるが、住所の筆跡が下段と一致している。

上段右端は「大量に製造された印影」である。

この時点でMはA区からB区へ転居している。

 

故意1 + 故意2  = 遺言(行為)に対する著しく不当な干渉行為(平9・1・28最判) = 民法891条5号にいう隠匿 = 相続に関する被相続人の遺言書の破棄又は隠匿 (同最判では破棄・隠匿はその性格において同じ行為である → 終意隠蔽+違法利得)

 

検認未済(又は共同相続人が認知症)      → 遺言に対する不当な干渉行為

検認未済(又は共同相続人が認知症)+違法利得 → 遺言に対する著しく不当な干渉行為 

検認未済 → 「検認は遺言書の状態を確保する検証行為」(和38年4月24日 福岡高裁)

 

M 被相続人母

  C1第一子 C2第二子 C3第三子

D 被相続人 = C2

W 被相続人後妻    (W1 被相続人前妻)

被相続人Dには、W1・Wとの間に子はない。

Dの法定相続人はMとWとなる。

 

 

MにはC1長男、C2次男、C3長女の3子があり、DはC2である。

Mは被相続人D・W1と同居していたが、W1の病没後、DはW後妻と再婚している。

Wには離婚した前夫とのあいだに1子があるが、Dに再三養子縁組するように求めたものの、Dはこれに応じなかった。

Mは重度の認知症を患っていたところ、Dにステージ4の末期がんがみつかり、ここにおいて母親を残して先立つこととなったDは遺言をした。

 

注1;民法上の「遺言」とは「最終意思の表示」であり、具体的には「遺言行為」「遺言事項」を意味する。法律用語としての「遺言」は「遺言書」という物体を意味しない。家族法専門文献・判例においては、すべてこのように厳密に区別されている。よって、上述の「Dは遺言をした」とは「Dは遺言行為をおこなった」という意味となる。

 ちなみに、本判決が依拠する『注釈民法』のいう「(隠匿により欠格となるのは)有効な遺言に限られる」とは「法的に有効な内容の遺言事項に限られる」という意味である。つまり、本件においては「誰にいくら」という「相続財産の範囲」についての意思表示のことであり、問題となるのは、これが法的に有効な内容かどうか、共同相続人に秘匿することで不正な利益を得ることになる内容なのかどうか、ということである。無効な遺言、すなわち法的に無効な内容であれば、違法利得が実現することはない。制裁の対象は違法利得である(平9.1.28最判)。

 

 この遺言の方式は文書によるものであり、奇跡的にC3はW よりその一部を入手した。その遺言書には「母Mが自分Dよりも長生きした場合には母Mに3分の1,後妻Wに3分の2」との1行が存在し、これは「相続財産の範囲に直接に影響を与える内容の遺言(=遺言事項)」である。この遺言(=遺言事項)は、母Mが被相続人Dよりも長生きしており、遺留分を害するものでなく、そもそも法定分の指定であるので、「有効な遺言」と確認されている。すなわち、「法的に有効な内容の、相続に関する被相続人の遺言」が存在したのである。

 

*注2 遺言書2枚目の存在については、被控訴人W自身がこれを認めており、その内容はDの先妻に関するものであることが判明しているが、これは「相続に関する被相続人の遺言」ではなく、民法891条5号とは無関係である。

 

 Mは認知症であったが、Dが末期がんで入院した時点で事実上Wからの「軟禁状態」あり、D他界直後にC3はDが所有していた不動産の登記簿を調査し、ここにおいて共同相続人が2名であるにもかかわらず単独登記となっていたため、印鑑の不正登録と遺産分割協議書の偽造がおこなわれていることを察知した。

 D1周忌においてD遺言書の一部をWより入手したところ、その遺言書には検認印がなく、また、Mには財産管理について事理弁識能力がないことから、遺言書の隠匿であることが判明し、また、その遺言書内には「法定分を母Mに」との相続分に関する指定、すなわち相続財産の範囲に直接影響を与える内容の「相続に関する被相続人の遺言(=事項)」が存在し、その「遺言」は法的に有効な内容であり、そしてその「有効な遺言」がMに隠匿されたうえで遺産分割協議書が偽造されていることが突き止められた。 

 

注3:相続に関する被相続人の遺言の定義は、相続人・相続財産の範囲に直接間接に影響を与える内容の遺言である。具体的には、未成年後見人の指定を除く「相続に関する法定遺言事項」のことであり、これに関する遺言行為に対する違法な介入行為に対する制裁が民法891条3・4・5号である。

 

 Wは、「用済み」となったMの息の根を一日でも早く止めるべく、その治療を妨害するという行為にまで及び、ここにおいてC3は、実母であるMの権利を、そして生命を守るため、家裁に後見開始を申し立てた。家裁は上述の偽造された遺産分割協議書を法務局より提出させて確認し、これをうけC3は「隠匿および不正利益の二重の故意」を立証し、ここにおいて家裁は、Dの相続人はM1名のみであると判断し、Wに不法占有されているMの財産を弁護士を成年後見人に選任して保全をする、と決定した。

(中略)

 後見期間が5年もあり、二代にわたり弁護士が後見人に選任されたにもかかわらず、被後見人Mに関する違法状態は一切排除されず、不法占有された財産は全く回復されなかったが、この二代の後見人弁護士A・Bはすべて家裁の方針にしたがって適切に任務を完了したと主張している。

 A・Bともに、いっさい被後見人と被後見人が相続人である被相続人の財産調査をおこなっておらず、身上監護義務をまったく果たさなかった。Mは、Wからの治療妨害を受け続け、C3が選択した治療を受けることもできずに息を引き取った。

 Aによれば、「家裁が地裁で遺産分割をおこなうよう指示し、自分は地裁で遺産分割を完了し、それを家裁が了承した」としており、Aの後任B  もまた同様の弁明をしている。地裁の遺産分割とは初耳である。ちなみに、残高証明はいっさい添付されていない。

 この遺産分割とは、Aが提起した遺産分割無効確認の訴訟において成立した和解をさす。この和解にいたる過程において突然、被告側が「遺産分割をやり直す」と提案し、そこにいたるまでに(Mに相続放棄させる内容の)「遺産分割協議書が無効であることを認める」「遺産分割のやり直しにおいては、母Mに3分の1とのD の意思を尊重する」と述べており、「相続分の指定に関するDの最終的な処分意思をMに隠蔽し、Dの終意とは異なる利益を得た」ことを自白する内容となっており、ここにおいて平成9年1月28日最高裁判決において求められる「二重の故意」が確認され、これは和解調書とそれに至る事件記録という公文書に記録されている。

 すなわち、この和解調書は事実上、相続欠格構成要件を認定するものとなっている。

 なお、前述の遺産分割無効確認請求訴訟の期間中、後見申立人(=控訴人C3)は担当判事に「法定遺言事項が記載されているので相続に関する被相続人の遺言書であり、遺産分割協議書偽造により不正な利益が実現しているため相続欠格である」との内容の上申書を提出し、これは受理されて事件記録に綴じられている。

 ここで紹介している第一審・第二審の前訴となるのが、この遺産分割無効確認請求訴訟であり、後見人からいっさい人権を擁護されることのなかった実母の相続人として提起したものである。

 

 では、そもそも控訴人の主張はいったいどのようなものであったのか。

 

 上述の説明と同様のものが「控訴人本人」の作製した控訴理由書第二部の内容である。

 その控訴人作成の控訴理由書はどうなったのか。控訴理由書は、弁護士作成の第一部、控訴人本人作成の第二部の二部構成となっている。

 第一部においては、第一審判決の内容に即するものではあるものの、検認未済の遺言書、すなわち「遺言に関する不当な干渉行為」のおこなわれたところの遺言書の外形について述べているだけであり、これと民法891条5号とは何の関係もない。

 第二部においては、控訴人本人がこれまで本頁において説明してきたことを詳細に述べている。

 これについて、次回詳述する。