渓流もシーズンオフだし、ここんとこめっきり釣りの話題が少ないですけど、毎日「釣りに行きたい!」と心は叫んでます(笑)。フライフィッシングの老舗専門誌「Fly Fisher 」が全面リニューアルしたというので購入しました。
「フライフィッシングってかっこいいなー」と憧れてた(今もだけど)頃、釣りのことが全くわからないままにこの雑誌を眺めてました。写真もデザインもピシッとしててかっこいい…けど専門用語の多さとか、初心者には敷居もちょっと高くて“いつかはこうありたい至高の男の世界”を感じさせるカッチョイイ雑誌です。
今冬こそは、このDVDでタイイングの自習もマジメにしようかな…と、本屋さんでぱらぱらページをめくっていたら、思いがけないメル・クリーガーさんの追悼ページに「えっ…」と息をのみました。知らなかったです…。
メル・クリーガー さんといえばフライフィッシングの世界的なインストラクターとして有名な方で、戦後の日本におけるフライフィッシング草分け時代(1976年)に来日されてからフライフィッシングの普及に寄与されました。メルさんからキャスティングの手ほどきを受けた方もたくさんいらっしゃることでしょう。
ほんのちょっぴりですが、私もその一人。数年前のフライフィッシングフェスティバルというイベントで、メルさんと奥様のファニーさんが来日されました。私はフライフィッシングの初心者向けの公開レッスンに応募して、キャスティングレッスンを受けました。ただ、このときはイベントでのデモンストレーションに近いものでしたから、レッスンといってもほんの一瞬でしたが。初めてお会いしたメルさんは、心からフライフィッシングを楽しんでいるのだなという印象で、レッスンも難しい説明ではなくごくシンプルに「2 STOP」と教わりました。そのわりには今でもキャスティング下手っぴな私だけど(汗)、「フライだからって難しく構えなくていいんだー」と緊張でガチガチだった肩の力が抜けたような気がします。そしてレッスン後、奥様のファニーさんが、私がまだ珍しい女性だったからでしょうか、優しい笑顔でポンと私の肩を抱いてくださったな……なんて思い出したら涙が出てきました。余談ですが、当時私は釣りをはじめたばかりで、女一人で釣りしてると男性の釣り人から見たら「女のクセに生意気」とか内心思われてるんじゃないかとか、フィールドに立つこともなんだか怖くてたまらなかったこともありました。今となっては笑い話ですけど、ね。ファニーさんの“肩ポン”は、そんな私の心の緊張も解いてくださったのです。
レッスンの最後に、メルさんが世界中で釣りをした先で拾った石をきれいに磨いて、それらを大きな袋にじゃらじゃらと入れ「この中から一つ石を選んでください。それはあなたの石です。見ちゃダメですよ(笑)」とプレゼントしてくださいました。私が選んだのは、
つややかな黒い石。「うちの猫と同じ色だー!」と嬉しくてずっと机の前に飾ってます。メルさん、どうもありがとうございました。楽しいフライフィッシングを私も続けますからね。心よりご冥福をお祈りいたします。


