西の魔女が死んだ (新潮文庫)/梨木 香歩
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6月に公開される映画「西の魔女が死んだ」の原作を読みました。

季節の変わり目のある日、中学生のまいは「私はもう学校には行かない」と宣言。そして、日本で暮らす英国人のおばあちゃんの家で魔女修行をする、というお話。

魔女になる必須条件とは、「自分で決める」ことに尽きるらしい・・・ちょっとだけコツを伝授しますと・・・。(青字は引用)

 「まいの大好きなあのマグを思い描いて」
 「うん」
 「しっかり描けましたか? 手を伸ばせば本当に触れるんじゃないかと思うくらい?」
 「ええ? まさか」
  あんなに日常慣れ親しんだマグなのに、まいはその細部をうまく再現できなかった。
 「できますよ。コツはね、朝、目覚める寸前の、あの夢と現実の境の感じをしっかり自分のものにするんです。これから毎朝、その瞬間を意識して捉えてごらんなさい。そして、自分が見ようと決めたものを見ることができるように訓練するんです。」・・・・・・

 という風に夕食後に「魔女の心得講座」が続きます。ただし、魔女修行には気をつけなければならないこともいっぱいあるようです。

 ・・・・・・「いちばん大事なことは自分で見ようとしたり、聞こうとする意志の力ですよ。自分で見ようともしないのに何かが見えたり、聞こえたりするのはとても危険ですし、不快なことですし、一流の魔女にあるまじきことです」

 どうでしょうか、皆さんも一流の魔女になれそうですか?


 もう一つ大事なことは、魔女修行の基礎トレーニングには規則正しい生活も必須なのだとか。その生活を支える知恵として、ハーブを生活に取り入れて快適に過ごす方法が描かれています。例えば、ワイルドストロベリーをジャムにして保存すること、せっけんで洗ったシーツをラベンダーの茂みにかけて香りを移すと気持ちよく眠れること・・・。そして、猛毒を持つ草であっても特定の病気には特効薬にもなる、ということ・・・。さらに物語は、どうして人は死ぬのか、死んだらどうなるのか、という核心へと向かっていくのでした。



 ここで描かれているハーブは「おしゃれでかわいくて絶対安心な天然素材」という一面だけではなかったことがとてもうれしかった。私も何度も書いてますが、ハーブとは「薬にもなれば毒にもなる」もの。そして、子どもたちが読む本に、「子どもだまし」ではなく、きちんと本当のことが書いてあることに、なんだか安堵したのでした。


映画はどんな映像になるんでしょう。シャーリー・マクレーンさんの実娘であるサチ・パーカーさんが「おばあちゃん」を演じるそうです。サチさんは2歳から12歳の間、実際に日本で暮らしたことがおありだそう。映画の予告編で語る「I Khow」という響きがとてもすてきで心に残ります。


映画「西の魔女が死んだ」オフィシャルサイト