おもわず駆け出したくなるほどの蒸し暑さ。
ゆっくりとした動きのノロノロ台風6号の雲がかかって、ここの
ところ1週間ばかり、まるで 梅雨に戻ったかのような気候のつ
づいている宮崎県地方。 強烈な日差しが照っているかと思えば、
一転して短時間で激しい大粒の雨がふる
[スコールのような]・・
といった気象がもたらす高温及び多湿気は、健康な身体を持つも
のであったとしても、すぐにでも熱中症を引き起こさせるような
危険な状況を容易につくりだします。
ということでそんなある意味亜熱帯的な気象についての回の再録
です。 動物もので人気の高い椋鳩十の気象についての形容は、
温暖化の危惧される現在、そう長くない時間のうちに本州の日常
になるかもしれませんよ。2013年の回ですが、ご参考までに
よろしかったら。

 ↓

『おもわず駆け出したくなるほどの蒸し暑さ。/2013年分』

梅雨の雨が続いて、わりあいに涼しかった南九州。しかしこの2日
間いきなり10度ちかくも高い35度超の猛暑日となりました。

そんないきなりの猛暑に、思い出したものがあります。

それは、鹿児島県加治木町にある椋鳩十文学記念館で見た、谷内
六郎さんの絵、椋鳩十さんの文による、週刊誌のコラボ連載作品
シリーズです。そんなシリーズのなかの1枚に、とくに心に留ま
った作品がありました。それは

 鹿児島の梅雨、そして夏

をテーマにしたもの。

その谷内さんの絵には、こんな椋さんの文章が添えてあったので
す。いわく・・・

山も海辺も、外も家中も、いたるところに湿気が満ち満ちるこ
 の強烈な暑さ。気が狂うほどのこの蒸し暑さ


・・・と。 さらに文章は続きます。

これほどの気候のなかに数週間も耐えて居ると、おもわず叫ん
 でうごきたく〔駆け出したく〕なる

おもわず叫んで駆け出し、西南戦争をおこした薩摩の人の気持
 ちがわかる


と。

椋さんは、はげしい雨、そしていままで降っていたと思ったのも
つかの間、雨間に急に照りつける強烈な日差しを伴う南九州独特の
梅雨
がヒトを動かさずにはおられなかったのではないか、とそう
文を綴っておられました〔現在の日本もこんなかんじですよ〕。

・・・・わかる気がします。

エアコンはもとより扇風機もない時代に、社会的にも経済的にも
将来の展望について満足を得られそうもない状況の中、耐え難い
暑さの中で季節の過ぎ行くのを耐え続けていると、きっとそうなる。

椋さんの「気候ストレスの人に対する影響の大きさが西南戦争を
ひきおこした」説
には、お二人のコラボ作品を前にしたわたくしは
大いに同感したものでした。

・・・ちなみに椋鳩十さんは、長野生まれ。桜島湾の奥にあり湿
った水蒸気に満ち満ちた加治木の蒸し暑さを、加治木にいる誰よ
りも実感されておられたのにちがいありません。


晴れ 就農者のみなさま、熱中症対策には万全を期されてくださいね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜