作業療法士の女性が かわいい
ラジオ体操する時 バレエ踊るみたいに するんだ
指が すらっ としていて美しい
おお 運命の人よ
と 感じる

肩こり が ひどくて困ってる患者が多くて
リンパマッサージを やってあげたりしていたんだけど
その彼女がリンパマッサージについての
資料を持って来てくれたりして 大変 助かった

この頃から 腹筋 背筋 スクワット 坂道ダッシュ 散策
など時間を決めてやり始めている

作業療法士の女性が美しかったおかげで
俺は体力づくりに取り組めたわけだ
ありがたい



閉鎖病棟で同室だった
亀谷さん(仮名) が 俺より3ヶ月 おくれくらいで
開放病棟に転棟 してきた

彼は何年も閉鎖病棟にいる他の患者から
『すごい奴が入って来たな 生きて退院は出来んだろう』
などと言われるほどにすごい状態だった

彼は俺にむかって
『おい ! そこのプロデューサー !!』
と わけのわからないことを叫んだり
『部屋の外に 自衛隊がたくさん来ている』
などと言い 俺をビビらせた

酒 で そんな幻覚なんて見えるもんか・・・
この人は なにか別の違法薬物かなんかを やってるにちがいない
そう思った



しかし ちがった
人間は 酒 だけで そこまでなってしまうのだ



アルコール依存症 という病気には 誰でも かかるそうだ

1日 2合以上 10年間 飲み続けたら 誰でも なる

そんな病気なんだそうだ



亀谷さん は ごくごく普通の一般人だ
違法薬物なんてやるような方では ない
ホントに この病気は おそろしい病気なんだ
と痛感させられる



亀谷さん は もちろん閉鎖病棟でのご自身の言動をまるで覚えておられなかった



もちろん俺は 彼に 何も言わなかった
入院中に彼と会話をした記憶が ほとんどない
だけど ひそかに 俺は彼の転棟が 嬉しかった

単純に 彼の回復が嬉しかったし
回復する病気なんだ と思えたことが 嬉しかった



彼は 今 退院して ごくごく順調に 普通の生活をしておられる
今でも あまり会話はしない
目と目で
よう 元気かよ
と あいさつ しあうだけだ

もともとは 俺も 彼も おとなしい男 で



この病気は ホントに おそろしい病気 なんだ



彼に会うと いつも そう感じさせられる