肝臓が悪くて入院したんだから肝臓を治せばいいだけだ
と 思っていた
母は 肝臓を治すために 低予算でおさえられる病院に転院するんだ と俺に説明した



父の運転する車で海ぞいの国道を 重苦しい雰囲気の中 次の病院に向かった
俺たち家族が顔をあわすのは ほぼ2年ぶりだ

気まずい


死にかけた
ということで仕方なく面倒をみてくれてるようにも思えたが
俺のいない席で お医者さま から最悪の事態を覚悟してください と言われた時 父と母は涙を流してくれていたらしいので 実際にはそんなこともなかっただろう


途中でラーメン屋によったり 道に迷ったりしながらも 予定通り 次の病院にたどり着いた


病院のスタッフに
『携帯電話を出してください ベルトも外してください あとペンのような尖ったものもこの机の上に出してください』と 言われ
『へ ?? なんか おかしいなあ』と 思ったが


病室に入り 後ろの扉が
がちゃり
と 音を立てた時に



だまされた !!!!



と 気づいた時には時すでに遅し いわゆる 閉鎖病棟 に俺は閉じ込められてしまったのだった


まあ 体も動かないし食欲もないし 鍵がかかってようがかかってなかろうが関係なかったのだが 笑
だまされた感 があってやはり腹わたが煮えくりかえってしかたなかった



それで というわけだけでもないのだが 俺は病院のスタッフ全員に悪態をつきまくった
俺をだました家族の肩を持つ こいつらめ 憎い

なぜ カルテにしっかり目を通さない
なぜ 俺の要望にちゃんとこたえない
なぜ なぜ なぜ と まくしたててやった


まったくまともに相手にはされなかったが 笑
死にかけて真っ黄色な体の俺に怒鳴られたところで ただの哀れな男の悲痛な叫び声 としかうつっていなかったのかもしれない


その日の夜中 ドクターが たずねて来て まずこれらスタッフの対応についての謝罪をしてくれた
まともに人間扱いしてくれる人に出会えた と感じられて嬉しかった



・・・思えば 病院に入院する前から 俺はまともな人間として 誰からも相手にされていなかったのではなかろうか

やっと たどり着けた

転院当時は とても このように思うことは 出来なかった けど